第13部 人狼狩り!始める。
1947年8月(昭和22年8月) 東京都・神田区
明日から巫女による見回り隊出動す。竜王3姉妹=ドラキン34マイ。この名前はどうかしら。却下ですか~いいのにな~とても残念です。
神田区を見回りすることにした。私たち三人だと安心するね、と話しながら散歩をしている。
「今日も出ないね」
「せっかくコスプレしているのに残念だわ」
「いいじゃない、楽しければ」
「ホロお祖母さまに買って頂いた洋服は残念だな~」
「お祖母さまに何と言いましょうか」
「直ぐにはばれないから大丈夫でしょ」
「出たわよ、注意して!」
「目の見えない酔っ払いよ! 放って行きましょう」
「イヤ違うよ。もっと向こうの、そうね三百メートル先かしら」
「四人居るね三人で挟み打ちにしましょう、ソフィアさんは人狼兵の後ろに跳んで」
「OK,姉ちゃん」
「姉ちゃん? 私はソフィアの姉ちゃんじゃありません」
ソフィアは後方に待機してソードも構えている。
「行くよ澪」
「OK,姉ちゃん」
「ファイヤーショット!」(服に火を点ける)
ギャ! バタン。
「アクアショット!」(バケツで水を掛ける)
ギャフン! バタン。
「あんた達は何言ってるの」
「ロシアンショット!」(バットで撲る)
ボコ! バタン。
「どお? 決まったでしょう」
ガウゥ!
「後ろ、まだ居るよ」
「姉ちゃん跳んで!」
「OK,澪」
バサッ ドカッ トウー ズン ウウッ バタン。
「人狼兵の人格も尊重しろ! 訳の解らぬ言葉じゃとつまらぬ!」
「いいのいいの、そこで寝てなさい」
「三人だと早いね。あなた達……見世物ではありませんわ。あ、見えないのか」
「見えなくて良かったよ、人相が派手だから恥ずかしいもん」
「そうね今日は帰りましょうか」
生活安全課の三人が走って来るのが見えた。
「二人とも跳ぶよ。見つからない様に家の中にね!」
「着いたら直ぐに家の周りを見るのよ、生活安全課の人が隠れてるから」
「只今お母さん、上手く出来たわよ」
ガラガラッと玄関の引き戸の音がした。
「ソフィア! 散歩に行くよ」
今日は無事に終わった。
翌日も港区を見回りしたがここは港の海岸通りで人は居ない。が、生活安全課のおひざ元でもある。
大きな貨物船が停泊しているからこの中の一船舶が人狼兵の船かもしれない。汽笛が鳴った、戦闘開始の合図か!
「出たわよ、注意して!」
「四人居るね三人で挟み打ちにしましょう、ソフィアさんは人狼兵の後ろに跳んで」
「OK,姉ちゃん」
「姉ちゃん? 私はソフィアの姉ちゃんじゃありません」
そこで人狼兵が一言、
「ロシアの恨みを晴らしたる!」
ソフィアは後方に待機した。ソードも構えている。
「行くよ、澪」
「OK,姉ちゃん、今晩も、お出ましね」
「ファイヤーショット!」(港は火気厳禁!)
ギャ! バタン。
「アクアショット!」(海水よ海水……飛んでけー)
ギャフン! バタン。
「あんた達、何言ってるの」
「ロシアンショット!」(鉄パイプで殴打)
ボコ! バタン。
「どお? 決まったでしょう」
「ガウゥ! ガウゥ!」
「ソフィア。後ろ、まだ居るよ」
「姉ちゃん、跳んで!」
「OK,澪」
バサッ ドカッ トウー ズン ウウッ バタン バタン。船舶係留ロープで人狼兵は簀巻きにされる。
「なんだ同じじゃんか、直ぐに済んでツマラナイ」
「生活安全課の人が来るまで待ってるとか? ありじゃない」
「あり……だね」「だね」
「でも喋ったらダメよ、声でばれるからね」
「人狼兵はどうする? しばらくしたら起きるよ」
「でもさ、こいつら何処から湧いて来るのかな。母さん達は相当恨まれてるよね」
「そうね、そのようね。『ロシアの恨みを晴らす!』とか言ってるもんね」
「また三人さんが来たよ、もう帰ろ?」
「ホーイ……また明日ね」
三人は三人の前で消えたからニキータと署長が悔しがるだろうな~。
「ホロお婆ちゃんが居た。バレるかな、今晩は時間跳躍もしておこうか」
今日も無事に終わったから明日はお休みにしようよね?
「またあの三人組だぜ。良くやるよ、まったく……」
「おいニキータさんよ、まだ判らないかい?」
「双子は家に居るんだろう? それも戦闘中の時間にだよ」
「でもさ、双子は覚醒してないんだろう? どうなんだい」
「署長~戦闘シーンのビデオがとれましたよ」
「うほ~こいつはすげー良く撮れてる、宇宙人のカメラか?」
五十年後のビデオカメラを取説付きで置いてきたが文字が読めるだろうか。5・6回見れば電池も切れて見れなくなる。
「古田くん、これどうしたんだい」
「ここに立看して置いてありました。これを見よ、と」
「ちょっともっと良く見せてよ! あ~……このソードはミーシャのソードかしら?」
「明日に訊いてみるさ、このビデオを見せてね」
明日の事情聴取で直ぐに判明した。が、昨晩に戻りビデオは置かれていない事になる。
「ビデオでバレるから置いては行けないよ、残念ね」
翌日は芝浦埠頭近辺から始めた。ここは生活安全課の見回りコースであり一日に一回は巡回しているが、野郎ばかりでは人狼兵は出て来なくなっている。
「石見課長~もう出ませんよね、私・悠木が襲われるのはゴメンでしてよ」
「巫女の三人で片づけるから、出ねえな~」
「古田くん、何か感じるか?」
「いいや何も」
「お出ましですよ石見課長~、可愛い女の私が接触してみます」
「OK、悠木くん」
三人の巫女は悠木さんが駆けて来るのが見えた。
「服が派手だから恥ずかしいもん!」
さらに後方からは生活安全課の二人が走って来るのが見えた。
「そうよね、今日は帰りましょうか」
「インタビューはなしね」




