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終わりに
生まれて初めて長いお話を書きました。
長編とも呼べず短編には長すぎる中途半端なお話かも知れません。
過ごしてきた日々を圧縮し一日の心の揺れとして書き留めてみました。
私は相反するものが好きです。
表と裏、善と悪、陰と陽、美と醜、有機と無機、正気と狂気、生と死。
どちらかが欠けるとその概念は破綻します。そして調和を取ろうと人はもがくのだと思います。
さっきまで憎かったものが美しく尊いものに思えたり、そうであろうと試みる。
染み付いた影を振り払い新しい光へと手を伸ばす。
それは生きることなのだと思います。
人間を人間たらしめる行為だと思います。
その心を失ったとき、色は消え、人は死ぬのだと思います。
生きながら屍になるのだと思います。
かつての私はそうでした。
些細なことでも掬い上げ、器いっぱいに満たしていたいです。
新しい街の春の終わりに。




