第1話
都会の真ん中、オシャレな街。
トップスタイリストの蓮くん。
毎月のカットは、指名料込みで2万円。
正直……痛い金額だ……
だけど、確実に会える。
しかも2人きりになれる時間。
これは払う価値はあるよ。超貴重。
「いらっしゃい、穂乃果ちゃん。今日もご指名ありがとうね」
蓮くんはとにかくGood Looking Guyなのだ。
トップはゆるふわにカールしてて、毛先が遊んだ感じなのに、襟足は短く剃ったツーブロック。
男性なのにフェミニン!
睫毛が長くて切れ長の目と、髭を感じさせない綺麗な肌……
色気がだだ洩れている!
「今日はどうする」
そう言って私の毛先を指先で摘まんで見る目が……もう……たまんない!
「穂乃果ちゃんは毎月、来てくれてるからね。そんな伸びてないけど、また毛先揃える感じでいい?」
「はい!あと、前髪ちょっと増やしてください」
「りょうーかい」
前髪を切るときに、顔に近付く手から体温が伝わってくるの。
それに、息がかかるかなってくらい顔も近付いてきて、溜め息ものだ。
あんま見ちゃ駄目だって思ってるんだけど、蓮くんはカットに集中してて、こっちを見ないから目が合うことはない。
この近距離で蓮くんを見られる大チャンス。
もうほんと……このためだけの2万円。
惜しくはない。




