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ヘルドッグフレンズ

「おぉ……おぉ?おおぉ!!」

 肩から生えた影の腕の動作の確認をする。


「クロト、本当に、凄い」

 6本の影の腕と自分の手で拍手するシルエッタ。うん、祝福してくれるのは嬉しいんだけど今やっと自分の意思で動かせる様になった所に6本の腕で拍手するのはちょっとへこむ


「シルエッタを見てると俺はまだまだとしか思えないけど……とりあえず2本!」

 影の腕でじゃんけんをしたりして自分の腕として扱える様に練習をする


(クロトは吸収するのが早いな……心の会話の方法を教えた時もすぐ使える様になっていたしな)

 確かにあの会話の方法はすぐに習得出来たな。俺ひょっとして魔法の才能があったりするのかな?


「ふっふっふ、ヴァイスそんな呑気な事言ってて良いのか?このままだと俺、ヴァイス超えちゃうぜ?」

 影の腕は形や動きを形成する創造力とそれを維持する精神力。これが多分影を操る鍵なんだろうな。これはひょっとすると腕以外にも何か出来るかもしれない


(我だってそこまでは出来たのだ!ただ、そこから増やすことが上手く出来なかったのだ……)

 どうやら、2本操る所がスタートラインの様だ……やはり腕を自由動かせる様にならないと他の形に挑むのは早いか?


 影の腕の練習をしていたらいつの間にか時刻は12時を回りそうな時間だ

「ごめんごめん、練習してたらもうこんな時間になっちゃってた。今日はもう帰ろう」


「ん、わかった」

 シルエッタは俺の影に戻り、そのまま影で俺を包む。


(真っ直ぐで、良い?)

 特に寄り道することも無いだろうからそのままシルエッタの提案を受ける


「良いよー、今日はありがとう。帰って風呂入って寝よう」

 野良猫同盟の二人との約束を果たして帰る筈がまさか影の腕を使える様に特訓することになるとは思ってなかった。




 家まで文字通り、真っ直ぐ帰ってお風呂に入って疲れを取り、少しだけご飯も食べた。新調した炊飯器で作ったご飯はとても美味かった。そして歯磨きなどを終わらせて俺はベッドでゆっくり眠った。


「なんで、またなんですかねぇ?」

 目覚めの一言である。また俺はベッドから落ちていた。当然ベッドを占有しているのは……


「シルエッタさん……昨日はあんなに先生っぽかったじゃないか……」

 ぐちゃぐちゃのシーツに吹き飛んだ掛布団。そして俺のベッドの真ん中で寝ているシルエッタ


 2回目だけどもうこれは注意しても治らない奴だなと悟った


 家事、皆とゲーム、影の練習。これが今後の俺の日課となると思うと憂鬱な気分……にはならなかった。

 家事は好きだし、皆とゲームする事はお互い会話するきっかけにもなる。影の練習に至っては異世界の魔王様を超えられるかもしれないと思うとやる気に満ち溢れる。




 日課をこなしながら数日、本日は日曜日。いつもの様に料理は用意してあります。更に今回からはお弁当も作るのでおかずも用意してあります!


 蒼音ちゃんが来る前にシルエッタには事情を説明してあるので、ヴァイスと一緒に隠れてもらっている。


「ピーンポーン」

 来た。


「こんにちわー!」

 蒼音ちゃん(食の魔王)だ!


「ほい、いらっしゃーい」

 いつも通り家に入れるが今日の蒼音ちゃんはバッグを持っていた。


「早速なんですが、これがお弁当箱です」

 そう言って差し出された4つの2段式弁当箱……とそれより少し大きめな1段の弁当箱


「あの、俺の勘違いじゃ無ければ一つ……いや、二つ?多い気がするんだけど……」

 蒼音ちゃんはここで食べるから弁当いらないとか言ってなかったっけ?


「私だけ、仲間外れはズルいと思いませんか?」

 そもそも君が今ズルい事をしている自覚はあるのかね?


「まぁ、それは良いとしてもう一つはどういう事?」

 そう、気になるのは形の違うもう一つの弁当箱だ。


「それは、遊馬さんに弁当を作ってもらうって支部長に言ったらダメ元で良いから私も!って……」

 あぁ、支部長さんか。用意したおかずは余裕有るし弁当5つ作る分ならある。魔法少女を纏めるってのも大変だろうし、俺も労えるなら弁当で労ってあげたい。


「そうかぁダメ元かぁ、困るなぁ?と前の俺なら言っていたが、実は炊飯器を買い替えたんだ。だから弁当5つなら作れるんだなぁこれが」


「おぉ!流石遊馬さん!用意のレベルが違う!」

 炊飯器を買い替えただけでこの対応である。


「とりあえず弁当に詰めちゃいたいんだけど良いかな?その間居間にある料理食べてて良いから」

 居間には麻婆豆腐が置いてある。蒼音ちゃんが食べている間に弁当に詰めちゃおう。


「それは提案に乗るしかありませんねぇ?では!お願いします!」

 弁当箱を俺に渡し、居間に行く蒼音ちゃん


「さて、弁当もちゃちゃっと作っちゃいましょうかー」

 少し手は加えるけどシンプルな物を作ろう



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