野良猫再び
「俺は独りぼっちかって質問には違うと答えさせてもらうよ」
「本当か?無理してないか?」
デネブが頻りに確認してくるが、俺ってそんなにボッチに見えちゃう?
「大丈夫だって!俺は独りじゃないし、これからも魔物と戦ってやっからよ!心配すんなって!」
まぁデネブ相手ならこのくらい軽い方が良いんじゃないかな?
「んー、んーー、わかった!信用する!じゃあクロガネと確か野良猫運営?の二人は一緒に支部行こうか!」
大分悩んで納得してもらった様だけどちょっとヤバいんじゃない?
「「野良猫同盟だ!」」
うん、名前を間違えられたからそこを訂正する気分は分かるけど今、重要なのはそこじゃないよね。
「わりぃけど支部に行くのは無理かなぁ」
重要なのはこっちだよね。
「えー、どうせ魔物と戦うんなら一緒に支部でやろうよー」
どこかのいきなり切りかかってきた人とは勧誘の仕方が違いますなぁ?
「俺は遠慮しとくよ」
「我らは影の存在!お前たちの様に光の存在と行動するのは苦手なのだ。」
明星がなんかカッコよく同行しないって言ってる様だけどそれ、単なるコミュ障なんじゃ……
「クロガネ?今何か失礼な事考えてなかったか?」
マーシャルさん、どうして俺の考えが分かるんです?
「気のせいじゃない?コミュ障かな?とか思ってないよ」
「やっぱり失礼な事考えてたじゃないか!」
やっべ、口に出てた。
「まあまあ、という訳でデネブ、悪いけど支部には行けないかな」
「しょうがないかぁ、無理強いはするなって言われてるし今日は諦めるけど絶対そこの皆を支部所属にしてやるからなぁ!」
聞き分けは良いんだけど諦めてないからやっぱ聞き分けが悪いのか?
(クロト、終わったし、帰ろう?)
シルエッタがもう帰りたそうにしている。
(ちょっと待ってな?店はダメだろうし、帰ったらクレープ作ってあげるから)
野良猫同盟の二人との約束もあるし、その話が終わるまでは待ってほしい。
「まぁデネブが何度勧誘しても俺の気持ちは変わらないけどまぁ頑張れ、二人もお疲れさん。今日の夜はあの場所に行けるから来たかったら来なよ」
前に頼まれたナデナデしろーって約束も守らないといけないしね。
「「絶対行く!!」」
返事は良いな。まぁ撫でるだけだし構わないけど。
「んーなになに?どっかで会うの?私も私もー!」
デネブが混ざりたがっているがこれはあの二人との約束だ。
「わりぃけどこれは教えられないな。野良同士の約束って奴だ」
「そうだ!あれは我々にのみ許された報酬!支部の者も報酬は貰っているだろう?我々はクロガネから報酬を貰っているに過ぎない」
まぁあれが報酬になっているのかよくわかんないけど。
(もういい?もういいよね?クレープ、クロト、クレープ!)
守らないといけない約束がいっぱいだ。
(あぁ、もう良いよ。帰ってクレープ作ってあげる)
材料は家にある物で何とかなるからクレープは作れる。
「じゃ、今度こそバイバイだ」
3人の魔法少女に手を振り、振り返って跳ぼうとした時
(跳ぶより、潜る方が、早い)
シルエッタが力を使った様で俺の体は影に飲まれ、その場から消える。
「「「えっ!?」」」
3人の驚いた声が聞こえたが、俺は既に影の中。俺が建物の上を跳んで移動するより早い速度で色々な影を次から次へと移動して俺の家へと向かっていく。
(クレープ!)
(はっはっは、シルエッタはクレープがそんなに食べてみたかったのか!)
気付いた時には既に俺の家の中に居た。
「えぇ……シルエッタこんな事出来たの?」
困惑するしかないでしょ?いきなり影を移動出来る様になったんだから
(私の、力、クロトも、使えた、それだけ)
クロガネの時は仲間の力が使えるって事か。
「そっか、シルエッタさっきは助かったよ。ありがとう」
影の腕のお陰で大きなダメージは受けずに済んだ。感謝の気持ちはクレープで返そう。
(クロトの、力に、なりたかった、だけ)
「あぁ、ホントに良い仲間を持ったよ。よし!クレープ。作ってやるからな!」
シルエッタのクレープが食べたいって望み叶えてあげよう。
変身を解除し、玄斗に戻った俺はキッチンに向かい、クレープの準備をするのであった。




