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イミテーションの過去

 食材と調理器具が並んだ屋敷のキッチンに通され、料理をやってみる事になった玄斗はまず行った事それは


「何か料理の手順が書いてある物とか無いの?」

 先人達の教え(レシピ本)を探す事


「レシピ本か……確かこの辺にあった様な…あった!」

 誰もやった事が無い事をやる訳では無いので先人の知恵を借りるとしよう。


 レシピ本を見て、出来そうな料理を探す。

「この卵焼きとか言うのなら出来そうかな」


 シンプルで簡単な物なら出来るだろうと卵焼きをチョイスした。


「卵焼きか、良いじゃねぇか頑張れよ」

 作って良いと許可を貰ったので早速取り掛かる。


「ボウルに卵を割って……あっ」

 力を強く入れすぎて卵の殻ごとボウルに入れてしまう。


「殻が……取り出さなきゃ」

 見えた分を取り出そうと近くにあった箸を手に取るが……


「これ、どうやって使うんだ?」

 箸など今まで使った事など無かったので使い方が分からない。


「それはこうやって使うんだ飯を喰う時にも使うから覚えとけよ?」

 遊造が横から箸を使ってボウルから殻を取り出す。

 親指と人差し指、中指を使って箸を握っているのを見て真似をする。


「こう、か。結構難しい」

 手間取りながら殻を取り除く。


「よし、殻が取れたから次だ。砂糖を入れて……」


「おっ?それは塩だぞ?」


「えっ?」ザパー

 塩が結構ボウルに入ってしまった。


「まぁ良いそのまま続けてみろ」


「う、うん。混ぜてフライパンに入れて……」

 卵焼き専用の四角いフライパンに溶いた卵を入れる。


「焼けてきたら巻いていく……うわっ焦げてる!」

 ゆっくり火を通すつもりがゆっくりし過ぎたせいか、黒く焦げていた。


「とりあえず巻いて……うわっぐちゃぐちゃになっちゃった」

 先程使った箸を今度は焼いた卵を巻くために両手に持って巻こうとしたが上手くいかず卵焼きは見るも無残な出来損ないの焦げたスクランブルエッグになってしまった。


「ハッハッハ、最初はこんなもんだ。どれ、うおっしょっぺぇ」

「うわっ……これならまだ液体食糧の方が美味かった……」


 玄斗が実験台になっていた時はサプリメントや流動食の様な液体で味の付いている物を食べるのが食事だった。


「うぅ……マズかった」

「ハッハッハ、玄斗がこの先美味い料理を作りたいなら失敗を繰り返しても良いから何度も挑戦すると良いさ。そんときゃ俺も一緒に喰ってやるからよ!」


 失敗しても良い。失敗しても一緒に笑ってくれる。その優しさが玄斗が料理上手になった一因であった。


「次は何をしたら良い?」


「じゃあ次は掃除でもやってみっか」

 掃除は実験の間に少しやっていたので料理より自信がある


「わかった、どの部屋を掃除したら良いんだ?」


「こっちの部屋だ」

 若干埃が被った家具などがあり、誰かが使っていた部屋なのだろうと思う。


「ここは紀子の部屋だったがもう紀子は居ねぇ。だったら玄斗が好きに使っても構わねぇだろ?」

 俺を造った人間の部屋。もちろん少し嫌な気分になったが……


「ここの家具を捨てても良いし、壊しても良い。そのまま使うのも良いし、玄斗が出来るなら作り変えても良い。どうだ?この部屋の物好きに使って良いからここを玄斗の部屋にするんだ。その為の掃除だ」


 俺がどう扱っても良い、そして俺個人の部屋がもらえる。なら

「今は家具は残しておくよ。そのうち完全に俺の部屋にしてやるんだ!」


「おぉいいねいいねぇそれで良いんだ!ハッハッハ」


 そして部屋を掃除する


「玄斗は掃除が上手いなぁ部屋が見違えるようだぜ」

 俺に必要な物とそうじゃない物を分けるのは簡単だったが部屋が割と大きかったので床拭きなどが大変だったが、頑張って掃除したので部屋はピカピカになった。


「中々大変だったけどこういうので疲れるってなんだか嬉しい!」

 実験で精神がボロボロになって疲れる事はよくあったが、こうして体を動かして疲れる経験は無かった。


「掃除も終わったし、今日からここが玄斗の部屋だ!」


 自分の部屋が完成して達成感で心が躍る。


「掃除も出来たし玄斗にはご褒美をやらんとな」


「ご褒美?」

 いったい何をくれるというのだろうか?


「玄斗と遊ぼうと思ってなゲ(・)ー(・)ム(・)機(・)を持ってきたぞ!」



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