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イレギュラーショッピング

 ピロリン!


 携帯が鳴る。これは彼女達とグループを組んだアプリ、RAIL(レール)の着信音だ。


「あら?あの子達は今モールに買い物に行ってたんじゃないかしら?」

 確か今日は皆で買い物に行ってくると言っていたハズだが何かあったのだろうか?


『モールに買い物に行ったら玄斗さんが居た!!』


 皆と遊馬さんが一緒なら子供だけより安心ね。


『あら、良かったわね遊馬さんと買い物楽しんでらっしゃい』


 私も行きたかったが仕事を放棄する訳にもいかない。


『これからぁ遊馬さんで遊んでくるからぁ楽しみにしててねぇ』


 遊馬さんで? どういう事だろうか?


 琴乃ちゃんの言葉に疑問を浮かべていたら1枚の写真がピコンッと現れた。

 メイド服姿でスカートの裾を掴み、顔を赤くしている遊馬さんの画像。


『もっと頂戴』

 瞬間的に文字を書いていた。こんな可愛い写真もっと欲しい。


『ちょっと待ってて、とっておきが撮れたから後で送るな!』

 出し惜しみせずに早くとっておきを下さい。


『はやくください』


 遊馬さんの画像を見てると仕事の疲れも吹っ飛ぶ。


 そう思っていると次々画像が来る。

 巫女服、ナース服、セーラー服、ネコミミ、ミニスカポリス、忍者、ゴスロリ

 様々な恰好をしている遊馬さんの画像。これがとっておきか……


 可愛すぎる!これで25歳だと!?犯罪級の可愛さだ。

 もう可愛すぎて鼻血が出そう……


 そう、先程の画像群がとっておきだと思っていた。だが、本当のとっておきはこの後にやって来た。


『ほら、とっておきだぜ』


 遊馬さんのメイド服の画像の前に三角形のマークが付いている……これは


 動画ッッッ!!


 急いで再生を押す。ほんのちょっとのロード時間さえ惜しい。


 そして再生される遊馬さんの動画


「うぅ……恥ずかしい……お、お帰りなさいませ!ご、ご主人様!」


 ブシャッ

 鼻血が出た。机が血だらけになるが動画を再生する手が止まらない。


「うぅ……恥ずかしい……お、お帰りなさいませ!ご、ご主人様!」


 ブシャッ


「ちょっと!支部長大丈夫ですか!」

 オペレーターの人が止めに入らなければ危なかっただろう。


 なんて破壊力の高い動画なんだ……


 遊馬さん女装は似合うと思っていたが、これはヤバい。


 写真も動画もしっかり保存し、血だらけの机を片付ける。


「これは私はモールに行かなくて良かったわ……」

 一緒に行っていたら抑えが利かなくなっていただろう。


『ありがとう家宝にするわ』


 これは最早ドーピングレベルの疲労回復効果があると言っても過言ではない。

 過剰摂取は体に良くない。


 一旦落ち着き、仕事をすると先程までより仕事の速度がグッと上がっていた。やはりドーピングかもしれない。


 お昼頃、また画像と動画がやって来た。


 画像はバニラアイスを前にスプーンを片手に瞳をキラキラさせている遊馬さん。


 動画は……


「はむっ……うまぁ!!」

 アイスを一口食べ、頬に手を当て幸せそうな顔をしている遊馬さん。


 ブシャ


 私を殺す気かな?可愛すぎる。これが25歳で男という現実


 この写真はスマホの待ち受けにしよう、そうしよう

 動画は刺激が強いので写真で耐性を付けてからじっくり楽しもう。


 遊馬さんを初めて見た時は女の子だと思ったけど、実際は25歳の男性で料理も出来て、可愛いとか余計男性として見られなかった。


 そして今回のこの写真や動画で確信した、これは男性や女性とは別だ。遊馬さんっていう性別だ。

 遊馬さんを見ていると庇護欲をそそられる


 そうだ彼女達に連絡しないと


『写真と動画にとても感謝これはいいものだ』


『梓さん口調おかしくなってますよ』


『おっと でもおかげさまで仕事がガンガン進むわありがとう!』


『それはよかったです!私達は遊馬さんに週に1回お弁当を作ってもらえる事になりました!』

 遊馬さんの手作り弁当だと……!?


『ずるい!私の分も!』

 大人でも子供っぽくなってしまうのは遊馬さんを見ていても分かるだろう。


『一応頼んでみますが……良い返事はもらえないと思いますよ?』


『頼んでくれるだけでも嬉しいわ』

 失礼な事だとは分かっているがもし、遊馬さんにお弁当を作ってもらえるなら欲しい。




 日曜日に梓さんの元にもお弁当が届くとはこの時まだ誰も想像していなかった。



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