私の始まりを
始まりって良いですよね…
新しい学校生活とか、やったことないゲームだとか、いろんな事に挑戦する言葉ですもん…
リーリエもようやく始まりが来たようです
私は昨日、シャールと話していた事とそのおかげで今私が歩けるようになった事を家族に詳しく話した。
家族は皆、驚きつつだけど、私の話を聞いてくれた。
「しかし、リーリアにそんな才能があったとはなぁ…」
「私も少し試して終わろうかなって思ってたんですけどね…」
あの時の事を思い出し、私は少しだけ笑った。
そして、少し思っていた事を話す。
「お父様、お願いがあるんですけど聞いていただけますか?」
「...何かをしたいんだな」
今回のお願いはお父様も親として許してくれないかもしれない。
でも、どうしてもなりたかったから。
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今、私は冒険者ギルドの前に居ます。
まさか、あんなにもあっさりと許可が貰えるとは思ってませんでしたから。
私がお父様にお願いしたのは「冒険者になりたい」
本来、冒険者は命を失う可能性もある役職だ。
そんな役職になりたいとお願いしても人押し馬車改め車椅子を私のために作る親なんですもの。
当然、却下されると思ってましたが...
「いいぞ」
「えっ」
あまりにも軽く許可を貰えた。
なんでも、貴族の中にも冒険者をやるものは少なくなく、私にはシャールもついてるし大丈夫だろうと判断したらしい。
そんな訳で今、私は冒険者ギルドの前に居ます。
(前だったらここの階段登るだけでも苦労だったけど今だったら...)
一歩を踏み出し段差を登ってゆく。
念のために手すりは掴みつつです。
(マスター、後ろで変な構えを取ってる者が)
シャールから言われ振り返ると...
両手を広げ、何かを受け止める構えをしながら立っているモルセさんが。
「モルセさん?」
「リーリエお嬢...まさか普通に歩けてるのか?」
どうやら私がまた落ちるかもと構えてくれていたらしい。
私はモルセさんの近くに行き、昨夜の話をした。
そしたら凄く驚かれました。
「リーリエお嬢が精霊使い!?マジか...あれもしかしたらって軽い気持ちで兄貴と買っただけなんだがな...」
「私も驚きましたよ。でも、おかげでこうやって普通に歩けるようになりました」
お二人には感謝しかないです。
「え?ならなんでお嬢はここに?」
「私も冒険者になってみたかったので。この際夢を叶えるのも良いかなって」
「お嬢が!?いやいややめといた方が良いぞ!!ある程度冒険者ランクが上がれば稼げない事もないが基本的に冒険者業は明日も飯食えるか分からないような仕事なんだぞ!」
お父様はあっさりと許可してくれましたがやっぱりモルセさんとかの冒険者の方からは反対が多そうですね。
でも...
「どんな事を言われてもやめる気はないですよ。お父様も良いと言ってくれたし、何より、私が冒険者になりたいのはモルセさんやモルドーさんのせいですよ」
「え?」
「初めて会った時からこんな私を楽しませるために冒険譚なんて...長い間聞いてたらなってみたくなるじゃないですか」
街を散歩中に休んでいた私の顔を見て「つまらない顔してたから」と言って依頼の話をして私を楽しませてくれたんだから。
「お嬢...分かった。決意は硬いんだな」
「えぇ。それでは、理由を話した所で...」
私は冒険者ギルドのドアに手をかけ、開く。
「失礼します!冒険者登録をして貰っても良いですか!」
元気良く声を出して中に入る。
それと同時に私の姿を見た冒険者達が驚愕の表情を浮かべる。
受付嬢さんもです。
「シャナシィさん。冒険者登録をして貰えませんか?」
私はカウンターに歩いて行き、最も親しい受付嬢のシャナシィさんに声を掛ける。
が、目をぱちくりさせて全く動かない。
「あの、シャナシィさん?」
「リーリエ様いつ歩けるようになったんですか!?昨日まで人押し馬車に乗ってたのに!?」
(デスヨネー)
思わず頭の中の言葉がカタコトになった。
まぁ昨日来たばかりなのに何故か歩けるようになってる私を見たら驚くだろうね。
「詳しい事情は後で話すので今は冒険者登録を...」
「おんやぁ?大きな声がしたと思ったら貧乏貴族のガキじゃないかぁ」
冒険者登録をしてもらいたいとシャナシィさんに催促をしようとした時に後ろから気持ち悪い目線とやけに大きい声が聞こえた。
この声は...
私の後ろに居たのは大柄な男性。
しかし身なりは整えており、貴族では無いが平民でもない感を漂わせる坊主頭だった。
モルセさんは素早く反応する。
「ようギルマス。なんでわざわざ下に降りてきたんだよ。普段は上で威張り散らしてるくせによぉ」
「ただの冒険者如きが。礼儀がなってないとランクを落としてやるぞ。下に降りたのは気分だ」
冒険者ギルドのギルドマスターでモルセさんがかつて「豚野郎」と言っていた人物だ。
「それよりも貧乏貴族如きがなんでこんな所に居るんだ。品がなってないからさっさと出ていけ」
その言葉にモルセさんは額に青筋を浮かべる。
あれはキレてる顔だってのは私も付き合いが長いから分かりました。
でも、怒ってばかりでは世の中どうにもなりません。
私は冒険者ギルドマスターに言い返した。
「私は冒険者になるためにここに来たんです。ここでは位も何も関係ないです。それに、私が何の為にここに来たってそんなのは私の勝手です!」
その言葉に一瞬だったが目を丸めたギルドマスターだったがすぐに大笑いした。
「お前みたいな貧乏貴族が冒険者になんてなれるわけないじゃないか!貧乏は貧乏らしく家にでも籠って草を食ってればいいさ!!おっと、まず食える草が敷地になかったなぁ」
ニヤニヤとした顔で私を煽ってくる。
「てめぇ...今日という今日は許さねぇぞ!!」
ギルドマスターの言葉を聞き、モルセさんが飛びかかろうと...!
「モルセさん待って!!」
私の悲鳴にも聞こえる止めの言葉を聞いてモルセさんは驚きつつ急停止する。
その途端、ギルドマスターの脚が凍った。
「は?」
「え?」
「今何が」
「シャール!ダメよ!!」
今度は私の背後が凍る。
いや、背後だけじゃない。
氷はどんどんと広がってゆき、周りを凍りつかしていく。
そして吹雪が起きる。
その吹雪の中から...シャールは現れた。
「んなぁ!?」
「マスターへの侮辱の数々...許せる一線を貴方は越えました。氷漬けになって、生きたまま反省して下さい」
「ちょ、流石にダメだよシャール!!」
あまりにも突発的すぎたシャールの行動に少しこの先の不安を覚えた。
前書きポエムか!!
次回更新までお楽しみに!!




