第一章(1)
第一章 非日常と転校生は突然現れるもの…?
高校一年の二学期始業式、私、夕霧亜璃笥の通う学校に転校生がやってきた…
「神宮聖です。これからよろしくお願いします。」
人間とは思えないきれいな顔。声も驚くほどに綺麗…女にもてるだろうなぁ…まあ私には関係ない。本を読んでばかりの地味な私には…
休み時間、思ったとおり彼―――神宮聖の周りには人だかりができる。ちなみに大半が女子だ。好青年そうな笑みを浮かべた彼は、少しずつ私の席に近付いて…近づいて?
「難しそうな本を読んでるんだね。」
…………はっ!
「え、あ、はい…そーですね?」
驚きのあまりかなりボーっとしていた…そして頓珍漢な答えを返してしまった!見ると、彼はくすくすと笑っている。
「きみ、名前はなんていうの?」
「え、ああ…夕霧亜璃笥です。夕方の夕、天気の霧、亜細亜の亜、瑠璃の璃、箪笥の笥…これで夕霧亜璃笥です。」
「綺麗な名前だね。」
「ありがとうございます。では私はこれで。」
そそくさとその場から逃げようとする。こういう「いい人」は苦手だ。
「何か用事があるの?ないならもう少し話していたいんだけど…主にその本について。」
逃げようとしていたけれど、「主にその本について」という部分に反応する。
「この本、読めるんですか?」
これは、日本語で書かれていない。英語でもない…ドイツ語だ。
「うん。」
驚く。高校一年生に…読めるようなものじゃない…はずだけど…
本になると人格が変わるといわれる私だ。ついつい楽しくてその日のすべての休み時間を、この本について彼と語ることになった…彼はこの本を読んでいたらしく、とても楽しくて…だからだろう。彼と一緒に帰ることになってしまった。
そして、スクールバスに乗っている間に何がどうなったのか、彼の家に行くことになってしまった……




