底辺のおっさんは、懐かしい踊りを見た
解放したシャルローネ王女はまず、俺に頭を下げてきた。
「ヤマモト殿、この度の非礼、実に申し訳ありませんでした」
「謝罪も礼も竹井君にしてくれ。彼が助け様としなけりゃ放り出していたしな。
俺達の事はジャンのおっちゃんから何か聞いてるかい?」
シャルローネ王女は首を左右に振り「はぁ」と溜め息を吐く。
「何も、ヤマモト殿のお仲間のユウ嬢とイチャイチャとまぁ」
「家の朝丘が申し訳ありませんでした」
俺が頭を下げるとシャルローネ王女も再び頭を下げる。
「いえ、こちらも繰り返しエルスタルが非礼を働きまして申し訳ない」
「いえ、いえ、こちらこそ申し訳ない」
「いえ、いえ、こちらの方こそ申し訳ありません」
謝り合うのが楽しくなってきた俺とシャルローネ王女はお互いに笑顔を浮かべて何度となく頭を下げ合う。
「むー、仲良く遊んでー、あたしとも遊んでよ相棒」
「まぁ、まぁ2人とも遊ぶのは其ぐらいにして、話を進めましょう、一度に人数が増えましたし」
「今日は朝のミーティングせんの? モッさん」
「いえ、いえ、やりますよ、下井さん」
俺はノリを変えずに下井に答えた。
俺達とシャルローネ王女が自己紹介を終えて、下井に仕切りを任せた朝のミーティングを行う。
「そいじゃ、竹ちゃん達、外回り組はベルギアの騎士さん達を探す事も追加されるけど余り気にしなくて良いからね。転移者と同じく生け捕りだし」
下井が竹井君の他にイットゥーとシブに伝える。
「んで、外回り組のメンバーだけど、うーちゃんが居残りで代わりに鶏頭のブロゥに入って貰うけど、どう?」
下井が外回り組のリーダー格のシブ、イットゥー、竹井君に尋ねるが3人は苦笑いを浮かべる。
「オレ達は問題無いけど、他の子達がね」
竹井君の視線の先にはホルダーを手にするトイと一緒に腕を上下に振り踊る卯実、シン、シロリがいる。
「だぁー!! キンキン、踊るなやボケー! うーちゃん! 今はミーティングの時間でしょ! チミの配置について話をしてるんだよチミ! 聞いてるのかなもし!! シン坊も踊らない!!」
下井がキレて怒鳴るが、トイと卯実はメタルなA合衆国前大頭領なロボットアニメのOPをキレッキレに踊り続けていた。
「こうか?」
シャルローネ王女が腕を振って踊り出す。
「そうそう、そんな感じです。上手ですね、シャルローネさん」
「ふふ、ありがとうシロリ殿」
シャルローネ王女とシロリは微笑みを交わして踊る。
「シャルローネはイイっスか?」
シンが踊りながら下井に尋ねると「ま゛ーーーー!!」いきなり下井が叫び出した。
出っ歯の大物芸人の付き人芸人だった画家のネタか? 下井。
「シャルルんも踊らないの!! あーたは回復に専念するの!!」
下井がシャルローネ王女を指差し怒鳴り、俺を睨む。
シャルルんってのが、とある胃薬と同じ名前の大物声優さんが演じた皇帝陛下の様だと思ったのがバレたか?
「モッさん、口に出てる!! てーかもーチェンジ!! モッさん、ウチ、チェンジで!!」
うん、まだダメ、俺の代わりに頑張れ下井。
俺がそんな風に考えていると下井は再び『ま゛ーーーー』と叫び出した。




