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20 フェアリーテイル

お疲れさまでした。


[称号【ドラゴンキラー】を取得しました]


 笑顔で起き上がるたぬき。


「やった!リベンジ……」

 しかし、急に石像のように転がり動くなくなる。

「たぬき?」

 異常を感じたぬきの側にしゃがむむらさき。


 赤いエラーの警告ポップアップと緊急切断の表示が出現する。

「これは!?」驚く羅刹


 たぬきは薄れる意識で叫びながら自分を揺するむらさきを見ていた。



 ▽▽▽


 私はたぬきが消えたあの日からギルド【フェアリーテイル】のマスターとなり、攻略もせずに世界を歩いていた。


 羅刹さんはカトリーヌさんと攻略のトップを走っている。


 夏休みも終わり、学校の友達とptを組んで冒険を楽しんでいる。

 ふと杖から揺れているラビのしっぽを見るとたぬきのことを思い出す。


 フレンドの一番最後、たぬきの名前は常に光っている。

 いつかまた会えると信じて。



 ▽▽▽



 どうやら自分は死んでしまったようだ。

 おぉ、あらまきよ!しんでしまうとはなさけない!

 病院のベッドだろう、微かな脳波がこちらに来たがすぐに弱くなって消えた。


 アンドロイドはパソコンのデータをちゃんと消してくれただろうか?確認できないのが心残りだ。


 真っ暗な世界。

 何故死んで意識があるのかと思ったのだが、たぬきの意識でいることに気がついた。しっぽの感覚がある。

「感覚緩衝システム」もしかしてたぬき側に人格コピーを作り操作した感覚をフィードバックしていたのだろうか。

 緊急切断で動かないはずのたぬきが活動状態で残った、となればNew Life Phantasy の世界に行けるのではないだろうか。


 あの世界をイメージする、落ちていく感覚がする。



 ▽▽▽


 青臭い、周りは草だらけだ。

 初期の出現位置みたいだ。


 状態は切断時のステータス。

 本当に新しい人生となるとは。

 苦笑いし、ライオンのベルフェゴールを出す。

 空に飛び立つたぬき。



 たぬきの冒険は続く

 この世界がある限り

 すべきことなど無い

 やりたいことをやる

 怠惰のベルフェゴールと共に




 空の風に揺れるしっぽを添えて



海馬氏に感謝を込めて。

ネコ耳は許さん。

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