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第二十四話 他人の助言、自分の最善

タイトルで勘違いする人が多いので、タイトルを変更しました

 フォルナさんを連れ、更に洞窟の奥を進んで行く僕達。


 今回はマッパーがいないから、迷わないようにしないといけない。なんとなくウィッチは分かっていそうな気もするから大丈夫だと思うけど。



〈おいオル、ここさっきも通ったのではないか?〉


(そ、そんな事ないよ、大丈夫)



 実は僕もそんな気がしていた。同じ場所をグルグル回っているような……しかし引き返す事は出来ない! あたかも分かっていると言う風な態度で進まないと。



〔オ、オルクス様? ここも同じ場所です。引き返しませんか?〕


(そ、そんな事ないよ、大丈夫)



 引き返せるわけがない、都会で道を間違っても引き返せないだろ? アイツ間違ったんだぜ? 田舎者だぶひゃひゃひゃ……なんて思われたくない。



〈引き返せ、取り返しのつかない事になるぞ?〉


(フォルナさんもいるんだぞ!? ここで引き返したら恥をかくだけだ!)



「あの、オルクスさん? ここさっきも通ったのでは……? 引き返しましょう?」



 っく、まさかフォルナさんも気づいていたとは……。勇んで先頭を進んでおきながらこの様、せめて彼女だけには田舎者と思われたくはなかった。



〔……はぁ、オルクス様? 私が脳内で案内致します〕


(あ、ありがとうウィッチ……)



 ついにウィッチにも呆れられてしまった。今までどんな行動しても僕を正当化してくれていたのに……他の女性が絡むと少し和美人ウィッチになるようだね。



 その後ウィッチの案内の元、奥へ奥へと進んだ。


 行き止まりなどにぶつかる事はあったが、同じ道をグルグルしたりする事はなかった。こんな同じような道、よく覚えられると思う。



「――――完全破壊」



 現れる魔者を破壊しながら進む、荷物持ちがいないためこうするしかない。神喰らいが出たら流石に素材を剥ごうとは思うが……あまり汚れ仕事はしたくないな。



「凄い神術ですね。ワンスの神術も強力ですが、オルクスさんのは恐怖すら覚えます」



 僕の破壊の力を見たフォルナさんがそう言った。やはり人間は神力の事を神術と思ってくれるようだ。


 しかし流石は金色なのか、そこまで驚いている様子はない。神喰らいが異常なだけで、通常の魔者は金色神徒にとっては獲物……と言う事か? 下位神を軽く超えているな。



「このくらい出来なきゃ六合窟になんて来れませんよ。……僕なら仲間と逸れるなんて事にはなりませんしね」



 目を伏せてしまったフォルナさん。ち、違うんだよ! 君を責めたとかじゃない! 軽いナンパのつもりで言ったんだけど……僕なら君を守れる的なつもりだったのだが……。



「……仰る通りですね。私達金竜は金色神徒としてやっていますが、実情はワンスのワンマンチーム。他の三人の実力はワンスの足元にも及びません」



 金竜が金色とかワンスワンマンとかややこしいな。ワンスってあの毛が無くなった人だよね? そんなに強いんだ。



『ならなぜお前達は一緒にいるのだ? そのワンスにとったら貴様達は足手まといなのだろう?』


「私達は……幼馴染です。小さい頃から何をやるにも一緒で、神徒になった時も当たり前の様にパーティーを組みました」



 幼馴染か、いいなぁ。僕にはそういう人いないから……家族にすら遠ざけられていたし。


 ……いないよ、僕に幼馴染なんて。


 仲良し四人組か。まぁ一人は幼馴染を違う目で見ていたようだが。



「正直な所、ずっとワンスにはパーティー解散を進言していました。他の強者と組めば、ワンスは黒色神徒にすらなれるかもしれない……私達がそれを邪魔したくないと」



 語りだしたフォルナさん。君の事に興味はあるけど、他の男の事に興味はないな。今履いているパンツの色とかの話にしない?



「しかしワンスは譲らず、パーティーを解散しようとはしませんでした。今までも、これからもずっと一緒だと……」



 なんだ、ワンスっていい人じゃんか。別にフォルナさん達が気にする必要はないんじゃない? 本人がいいと言っているのだから。


 フォルナさんの表情を盗み見るが、彼女は悲痛な表情を浮かべていた。心の底からワンスにとっていい未来を考えているようだ。


 しかしそれは第三者の考え、悪い言い方をすれば押し付け。それが当人にとって最善なのか、良い事なのか、最終的に判断し決めるのは本人。


 フォルナさんの言い方からして、今までに何度も進言したのだろう、しかしワンスはそれを受け入れなかった。


 ワンスにとっての最善、それは幼馴染と共にいる事、強くなるという事なのだろう。



「本人がそれでいいと言っているんだし、いいんじゃないの? 彼の人生なんだ、助言は聞いても判断するのは彼自身……ましてや彼の力があってこそなら、言い方は悪いけど君達に決定権はないよね」



 ……ヤベッ!! つい言ってしまった、弱者の僕が何言っているんだか。どの面下げて決定権がないとか言えるのか……。



「……そうですね、オルクスさんの言う通りだと思います。私達がここまで来れたのはワンスのお陰、彼にはたくさん助けてもらいました……でもだからこそ、これからの彼には幸せになって欲しい、そう思う事はいけない事なのでしょうか?」



 いえ、いけない事ではありません。僕は人生経験が豊富な訳でも、他人に何かを説けるほどの知者でもありません。


 ヤバいぞ……言い返せない、余計な事言わなければよかった。


 ヴァル、ウィッチでもいい! バトンタッチ、神のお考えを彼女に聞かせてやってくれ!!


お読み頂き、ありがとうございます


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