帰国・後編
やっとプロローグ終わり…?
幻想郷
外の世界と隔離された世界。妖怪や神、忘れられた者たちの楽園。
ついさっき僕はその幻想郷の管理者だと言う妖怪から仕事の依頼をされた。彼女の式の身辺警護と邪魔者の暗殺。
僕はその仕事を受けた。単に金になるからだけじゃない。外と隔離された世界という物に興味が沸いた。いつも通りの仕事。出発は明日らしい。
夢を見た。また、夢を見た。
暗い部屋。何も見えない。何もない。
僕はまたそこにいる。
<あなたは………どうして………………き………るの……?>
女の声が聞こえる。また、聞こえる。
「誰なんだよ…。お前は誰なんだ…?」
<………………わたしは…………………………>
聞こえない。聞き取れない。ダメだ。まただ。
もう一度問おうとした時、風景が変わった。
僕は、どこかの公園のベンチに座っていた。隣にはベンがいる。
「こんにちは、先輩。隣いいですか?」
「もう座ってるだろ…。」
「そうでしたね…。そうだ、先輩夢見が悪いようで。大丈夫ですか?」
「誰のせいだと思ってるんだよ。」
「まぁ、俺と正体不明の声のせいですねぇ、大変ですね。」
「………………。」
「まぁまぁ、そんな怖い顔しないでくださいよぉ。今日はアドバイスしに来たんですよ♪」
「アドバイス…?」
「先輩、あなたはこれから行く場所で変わります。変化する。その時、あなたの知りたいことが分かります。あなたの中に何がいるかがね。」
「ベン…。お前何を知ってる…?」
「俺は何も知りませんよ?それに、ベンじゃない。ベンは死んだ。俺は何者でもない。俺が何か、あなたにはまだ理解出来ない。」
「ベン、どういう…。」
しかしベンはもうそこにはいなかった。
僕は現実に戻った。
目を覚ました僕を待っていたのは幻想郷の管理者…、八雲紫だった。
「何故いる?」
「気にしないで〜。それよりあなた、うなされてたみたいねぇ。大丈夫?汗すごいわよ?」
シーツを見ると汗でぐっしょり濡れていた。
「夢見が悪いだけだ。」
僕はシャワーを浴びて朝食を食べにいった。
朝食を食べた後、幻想郷に出発すべく荷物をまとめたもののどうやって幻想郷まで行くのか疑問に思ってると、
「準備はよろしくて?」
「大丈夫だ。問題ない。」
「あなた、冗談言うのね…。」
「うるさい…。」
「さて、じゃあ行くわよ。ほい♪」
八雲紫が空間を裂いた。
「ここから行くわ。行きましょ。」
八雲紫が裂いた悪趣味で不気味な空間に入る。まさかホテルの部屋から直接行けるとは思ってなかったため少しばかり驚いたが、この不気味な空間はどうにかしてほしい。
不気味な空間をしばらく歩くと光が見えてきた。空間を抜けるとそこには…
「………………。」
久しく見ていなかった風景が広がっていた。美しい山、澄んだ空、人の手が入ってない自然。
僕が見とれていると、隣の八雲紫が言った。
「ようこそ、幻想郷へ…。歓迎しますわ。」
こうして僕の幻想郷での生活がはじまった。




