これまでの物語2
記憶喪失である八極拳使いの少女、『呉空』は、探偵の『アレット・ドイル』との出会いを機に、自分の過去と世界中の美食絶景を求める旅に出た。その旅路の中、大倭皇国の元武士の『河上ひまり』、二丁拳銃ショーを開く『ピエリーナ・マルゲリータ』を旅の仲間に迎え、道中で盗賊や悪党、強さを求める戦士、また『カリオストロ協会』の関係者との戦いに身を投じてきた。
カリオストロ協会はパダーノ共和国に本拠地を構えているとされる巨大組織である。その主な事業は、表向きの真っ当な錬金術関係の商売から、違法悪徳錬金術商、戦争商、誘拐拉致および奴隷商、大型詐欺など多岐にわたり、各国の王国/共和国の議会や陸軍にまでスパイを送り込んでいる。しかも協会長『カリオストロ二世フランソワ・バルサモ』は狡猾な女性で、しくじった部下はトカゲの尾のように容赦なく切り捨てる。
そんなカリオストロは社会の裏側から国を侵略するほどの強敵であり、末端とはいえこれを退けた空たちの功績は大きい。レアガルド王国領主『ライノック・レアガルド』は空たちに男爵を経て子爵の位と湖水地方の領地を与えることで、これからも国を守るための力になることを求めた。
さて、空たちは得た湖水地方を『フォーマメント州』と名付け、レイクサイドミニリゾート『イハトヴ』を経営することを決意。落ち着きを求めた冒険者、今は廃業した会社の元社員、強制労働者や奴隷として売られかけた人々を救済して従業員として迎え入れ、その中には叔父の迫害により強さを求める少女『ヴィント・フォン・リヒトホーフェン』もいた。ヴィントは空直属のメイドとして、八極拳を習うようになる。
そんな中、ライノックをひとりとする『カリオストロ抵抗臨時議会』はパダーノ共和国に対する強制行政を執行すべく、各国の長に署名を求めた。その際、空たちがヤマトへの使者に任命され、一同はヤマトへと赴くことに。
だがそのヤマトツートップがとんでもない人物であった。
ひとりはヤマトを統べる大名でありながら自堕落を極める初の女性大名『織田信音』。しかしその実は家臣の暴走による重度なグロッキーであり、本来の彼女は下町散策が好きで多くの城下町の人々から慕われる明るい大名であった。また、ボードゲームの類をすぐに吸収してしまうことから空に「戦争の覇者」であると評される。
もうひとりは律令国の集合であるヤマト全土を領土に持つも神殿で祈りを捧げ続ける巫女=女皇『萌桜院伊織』。彼女はアカシックレコード(世界の記憶)を読めるだけではなく人の心をも見透かしてしまう能力を持っており、周囲から疎んじられたこともあって重度の人間不信に陥ったが、信音また信音が認めた者には友好的に接し、のちに信音や空たちを巻き込むデスゲーム『サイコロの旅』を企画し、しまいには母=先代女皇『萌桜院勇実』に折檻され、空たちにヤマト人の異常性を問われる。
ヤマトでの任務を終えた空たちだが、帰路にとんでもない相手が待ち構えていた。それは、かつて空とアレットが倒したはずの『アーダルベルト海賊団』であった。空たちが倒した兄グスタフの、それは弟ゲオルグであり、兄が重火器フリークなら弟は刃物フリークであり、惨殺を楽しむ残忍そのもの。故郷ヤマトを荒そうとした報復としてひまりが先陣を切り一同は海賊団を駆逐するが、実はアカシックレコードを読む能力を有する伊織と戦術立案に長けた信音による、それはもはや海上のボードゲームであった。
一同は今度こそライノックが待つレアガルドへ。しかしまさか、後日イハトヴのおもてなしを求めて伊織が信音を連れて『アウトドアな手法を使って引きこもりに』訪れ、その後勇実による大折檻が待っていようとは。そしてイハトヴの誰もが思う。ヤマトは非常識だと。
そして始まった、対カリオストロ政策。
空たちの州開拓は続く。だが。
カリオストロとの本格的な戦いは、まだ始まってすらいないのだ。




