第36話 秘蔵書庫
『ピロロリン!』
ん?今の音は新しくスキルが解放した音である。なんのスキルが解放したというのだろうか。
「スキル:魔法解析Lv1・・・?あー隠蔽魔法がある所に手をついたからからか。つまりもう一度やれば・・・。」
ピロリン!ピロリン!
私が思った通りである。Lv1のスキルは使うとLv5になるはずだ。上手く言ったようだ。
「スキル:魔法解析とスキル:魔法消去を手に入れたから、もしかしたら消せるかもしれない。」
魔法解析だけかと思ったが、追加でもう一つ。魔法消去というスキルを手に入れた。名前の通り魔法を除去してくれるスキルのようだが。私はあまり信用してはいない。
「魔法解析をしたら、確かに隠蔽魔法しか施されてはいない。条件魔法はないみたいだ。そしてこの魔法は今から約15年前に施された魔法らしい。」
「15年ですか?!15年前ですか。。。戦争が始まる10年も前の事など。。。栄えていた全盛期と言うべきでしょうか。。。?」
カイズは驚きながらそう答えた。当時のカイズはまだ団体長ではなく、普通の魔導師団団員だったそうだ。であればこの隠蔽魔法について知らなくても無理もない。
「じゃぁぁ。。。魔法消去を使って消せるか試してみる。」
私は恐る恐る壁に触れて、魔法消去スキルを行使した。なんともアニメや漫画らしい音が領主邸内を響き渡る。あまりの音に少々怯みかけたが、耳を塞ぐほどの音でもない。
「どうやら除去に成功したみたいだ。。。扉が出てきたぞ。」
私のスキルの魔法消去。どの程度の力なのか不安があったが、隠蔽魔法程度であれば除去可能らしい。除去出来なければ意味がなく困ったところであったため、なんとかなって助かった。
「なんだか物騒な扉ですね。まるで山奥の山小屋みたいな木造な扉です。」
メイドさんはまた普段の様子に戻っていた。だが、メイドさんが物騒だと感じる扉。確かに山にひっそりと佇む廃屋の扉のようであった。木造で、扉の上部は半円を描く形をしている。扉の取手は在り来りな錆びれた鉄の円である。
「とても男心をくすぐる素晴らしい扉じゃないですか!!!ささ!行きましょう!早く行きましょう!!」
いきなりらしくないテンションになったのは魔導師カイズである。私よ心をそのまま表に出したかのようにはしゃいでいる。怖がるよりも何倍も良いが、それはそれで面倒になりそうだから辞めてもらいたい。
「静かにしてくれ。言われんでも行くわ。」
「申し訳ございません。取り乱しました。」
一言で落ち着いてくれるカイズも大人である。そういう私も実はとても心踊らされている。この扉を見てワクワクしない男が居るのだろうか。
「階段は上に行ってるようだ。まぁ。探知した時に上に本が沢山あることは確認済みだ。恐らく書庫があるはずだ。」
私はそう言いながら、木造の軋む扉を開けて、階段を1段ずつ登っていた。階段はところどころ柔くなっている。階段の保善も必要そうだ。そう感じていたら、気がつくと既に階段は登り終え、目の前にはこれまたらしい扉があった。
「こりゃすげぇな。でもちゃんと"秘蔵書庫"って書いてある。」
目の前の扉は、入口の扉ほど汚くはなかった。しっかりとした木造の長方形の扉である。その扉の札には"秘蔵書庫"と明記してあった。
「秘蔵書庫なんてあったんですか。私、全く知りませんでした。」
カイズですら知らない書庫。それもそうだろう。隠蔽魔法が施されていたのだから。それも条件魔法無しのだ。つまり、二度と開けないか、もしくは余程の時にしか開けないようなそんなとこだろう。それほど隠したい書物があると考えられる訳だ。
「早速入りましょう。私も気になります。」
メイドさんが意外にも乗り気である。メイドさんも自分の知らない物を知れる好奇心に駆られているのだろうか。それに便上したのか、カイズも目を輝かせながら、早く行こうと言わんばかりに私を見つめてくる。
「気持ちが悪いからその目辞めてくれ。」
私が辛辣な一言を放つと、カイズは少々しょんぼりとしたかのように思えた。ちょっと言いすぎてしまったようだ。
悪いとは思うが、カイズもカイズだ。私は知らない。
「では、行くか。」
私は秘蔵書庫と書かれている扉を思い切って開け放った。開け放たれた扉の奥には、書庫という言葉に相応しいほどの大量の本が本棚にびっしりと詰まっていた。本の種類は様々であるが、見るもの全てが相当古いようだ。
「こ、これは。。。。」
私とメイドさんとカイズの3人で手分けしてどういう本があるのかを探し回っている最中。私が最も探し求めていた本を見つけ出した。
「魔導書だ!」
私は一気に感情が高まった。正しく魔導書。古の本である。現代にはない新たな魔法を手に入れられるのではと心踊らされた。私はその場の勢いで魔導書を開いた。
テレッテレーー!!!!
「え。。。?スキル。。。?なんのスキルだ?」
【今回獲得スキル】
★魔法解析Lv5・・・魔法が施されている場所に触れると、その場所にある魔法の種類・いつ・誰・強さを解析する。
(※このスキルをLv5にした場合、魔法解読Lv1を解放する。)
★魔法消去Lv5・・・ある程度の強さの設置型魔法を消去できる。ただし、攻撃魔法・防御魔法は消去できない。
(※このスキルをLv5にした場合、魔法削除Lv1・魔法除去Lv1を解放する。)




