───────⋯⋯⋯姉ちゃんと七瀬の霊圧が⋯⋯⋯消えた⋯⋯?
真理の読み方はまりです。
次元斬・絶見てから真魔人余裕でした。
『苦戦しているようね、主。』
⋯⋯!?前言撤回だ!意識は手放さんぞ!⋯⋯で、えーっと、おま⋯⋯ん、んん!君が、グレイスなのか?
『無理しなくていいのに⋯⋯ええ、そうよ。とりあえず、この場を切り抜ける為に、少しの間身体を貸して貰えないかしら?』
そ、そんなの、この状況を乗り切る為なら、その程度なんて事ない!是非ともそうしてくれ!
『その際、少し、主には我慢してもらえる?その⋯⋯ジャガーノートを使おうと思ってるんだけど⋯⋯』
その程度、妹を止めてくれるのなら、なんて事はない!お釣りが来る!
『なら、行くわね!』
「【世界之変還】⋯⋯」
シュンシュンシュンシュンシュン⋯⋯
パキィィイン!
攻撃は、当たったかに見えた⋯しかし⋯⋯
「今のを⋯⋯よけるのぉ?それと、あなただれぇ?」
秋野瀬⋯⋯あやや、既に青白く神聖な気を纏った彼女?は消え失せ、赤黒く混沌の不浄を纏った彼女は微笑んだ。
「私の名は、グレイス⋯⋯グレイス・テラ・マリエール。主に代わり、あなたを止める者よ。」
(うぉぉぉ⋯⋯すげえ、次元斬・絶を避けた!)
「ふーん。どこまでその余裕が続くかなぁ?」
言い終えると、1本の真っ黒な剣を飛ばしてきた。
それに続いて真理も高速で空間を移動してきた。しかし、グレイスは微塵も息を乱さず、飛んできた剣を二指真空把して、真理に返した。
真理も真理で、また複数の剣を飛ばしながら、二指真空把している。
それをグレイスはまた二指真空把して⋯⋯
もう、傍から見るとただ遊んでいるだけにしか見えないが、お互い油断は以ての外、手を抜いても、いるかもしれないが、とにかく、ふざけてはいない。と思う。
動き回る攻めの真理。
防御に徹する不動のグレイス。
いつまでも続くと思われた時間を破ったのは、以外にもグレイスだった。
「やめましょう。いつまでもこんな事やってちゃ、終わらないわ。」
「まぁねぇー。でも、ちょっと止めるのが遅かったんじゃなぁい?」
真理の手元に黒い剣が集まっていき、やがて1本のデカすぎんだろ⋯⋯な剣?とも呼びがたい塊が出来ていた。
「幻影剣に微細な魔力を蓄積させながら返して魔力操作やらで暴走させるつもりだったのか知らないけど、そんな小細工私には効かないよぉ?」
なんて事だ⋯⋯!よく分からんが、グレイスが何かしてたみたいだが、真理には効かなかったみたいだぞ!
「ふふ、小細工⋯⋯か。まあそうかもね、でも⋯⋯まだ終わってないよ?
【圧縮】」
真理を起点に空間に歪みが発生した。
「こんなものぉ!!」
だが、すぐに塊で切り裂かれた。
そして、その勢いで塊を大きく振り回し、変形させ、鎖のように絡ませ、此方に飛ばして来た。
「うふふ、【法則変換】」
しかし、グレイスがそう唱えた瞬間、鎖は途端に軌道を変え、ピシッと真っ直ぐに立ったまま停止した。
「ついでに、【剣之刻】。」
そう唱えたかと思うと次の瞬間には、真っ黒だった空間は晴れ、荒れ果てた地に無数の剣や刀が刺さった空間へと変わっていた。
「行くわよ!【刹那之閃剣】!」
そう言うと、1本の剣が此方に飛んできた。
そして、目の前で急停止し、それを満足げにグレイスは手に取る。
「久しぶりね、上手く扱えるかしら?」
そう問いかけると、突如剣が光り⋯⋯
《It's okay. Believe in yourself》
と返答する。⋯⋯いやいや、流石にここまで来ればそう簡単に設定を忘れたりしませんよ。
⋯⋯えーっと確か、この時、な〇はさんを見て、そこでデバイスカッケーってなってー⋯⋯え?別に制作秘話が聞きたい訳じゃないって?
ごめんごめん!でー、この子はね、グレイスの最初に思いついた戦闘特化の魔剣なんだ。
えーっとね、まず、グレイスの【剣之刻】に内包してある魔剣には
・拾ったもの
・造ったもの
・拾ったけど、使えないから改造したもの
があるんよ。
で、モーメントちゃんは完全に造られた魔剣なのね。なのね。ちょっときいて「そろそろ行くわよ?いつまで解説してるの?」
あ、すんません。どうぞどうぞ。また今度ね。
《Adjust to your pace.Please anytime.》
「それじゃ、跳ぶわよ────」
そこからの記憶は曖昧です。だって、光速過ぎて、何がなにかわかんなくなってたんだもん。
気付けば、真理はかなり消耗しており、それに対しグレイスはため息をつきながら服の汚れを払う余裕すら見せていた。
「あり、えないぃ!この私がぁ、知覚出来ない速度なんて⋯⋯ある、筈がないぃ!」
グレイスは、はぁ⋯⋯とため息をつき、
「それがあるから、そうしてあなたは疲弊仕切っていて、私に手も足も出ないんじゃないの?」
「違う!!私に出来ない事なんてない!!お兄ちゃんを守る為なら、なんだってやってみせる!」
「それで?あなたはそれ程の力を持って結局、お兄ちゃんとやらを助けられたのかしら?今程のではないけれど、それでも主の傍にいるぐらいは出来たでしょう?」
真理は、え?と一瞬魂が抜けたように呆けた顔を晒した。
「あなたも、今は眠ってる七瀬とやらも、私から言わせればどちらも不合格。主を任せる事なんて出来ないわ。」
「それはどういう⋯⋯!?」
「【遊戯之永劫安楽心守檻】
【無魂之記録者】⋯⋯ふーん。随分甘やかされて育ったようね、あなた。」
無魂之記録者によってひと通り俺の記憶を読んだグレイスは面白いものを見つけたという顔をして⋯⋯って何ナチュラルに記憶を読んでるのぉぉーー!?
「っ!?そ、それは⋯⋯!」
『⋯⋯⋯⋯す、お⋯⋯ちゃん!私、満⋯⋯た⋯ですよ!』
『すご⋯⋯!?どう⋯⋯⋯⋯こんな⋯⋯もし⋯⋯たら⋯⋯⋯⋯才なのか⋯⋯』
『嬉しい!⋯⋯それで、えっと⋯⋯』
『ん?⋯⋯い?⋯⋯⋯⋯でもやっ⋯⋯ぞ!』
『えーっと⋯⋯撫でて⋯⋯欲しいな⋯⋯』
『そん⋯⋯⋯易い御⋯⋯!待って⋯⋯⋯⋯たらすぐに⋯⋯るから!』
「その後、お兄ちゃんは⋯⋯赤い自動車、さ3593に⋯⋯!」
「何を怒っているの?あなたがやったんじゃないの。」
「ど、どういう意味で!?」
「どういう意味でも何も、あなたが、七瀬をいらないと思ったんでしょ?自分だけを見て欲しい、自分にだけ優しくして欲しい、そんな願い事を。だから、___があなたを叶えた。」
「何?何を言って⋯⋯__が⋯⋯私を叶える?」
「身に覚えがあるんじゃないの?完治は不可能と言われた両足⋯⋯病弱な体質⋯⋯ダメダメな刀術⋯⋯すぐに尽きる体力⋯⋯出来の悪い頭⋯⋯⋯⋯残り僅かな命⋯⋯思い出してきた?」
「あ⋯⋯え?何、コレ?こんなの、知らな、ああ、あ、ああ⋯⋯ああぁぁぁぁぁ⋯⋯」
「あなたは、“全てを奪われて”生きてきた。そして、その“奪われた全てを奪い返して生を手に入れた”のよ。」
「⋯⋯⋯⋯⋯⋯」
「あなたは何かを得る度に他の人の何かを奪って生きてきたのよ。そして⋯⋯最後にお兄ちゃんを殺されて奪ったのは⋯⋯」
「⋯⋯⋯⋯果てしない、憎悪と⋯⋯チカラ。」
「なら、あなたが最後まで奪えず、求めたものは?」
「⋯⋯⋯お兄ちゃん、ですっ⋯⋯!」
「答え合わせは済んだわね。じゃあお眠りなさい。憎悪が1つ、落ち着くまでね。主ももう大丈夫よ。」
「ごめんなさい⋯⋯!お兄ちゃんも、ごめんなさい⋯⋯。ごめんなさい⋯⋯。」
「【無償之就褥】⋯⋯眠りなさい。」
「ごめん⋯⋯な⋯さ⋯⋯⋯⋯」
俺にも、原因があるだろう事は分かってたさ⋯⋯自動車に跳ねられる瞬間、真理の事をどうするか⋯⋯考えなかった訳じゃない。
(後は⋯⋯話し合いなさい。それしか、この溝を上手く埋める方法はないわ。せっかく会えたのだから、もっと良い方向に使わなきゃ、勿体ないでしょ?)
ああ。本当に⋯⋯ありがとう。
(お礼なら、妹さんに言いなさい。世界の壁まで超えてきて、魔剣の領域を破ってまで会いに来た可愛い妹さんよ。前よりも気を使ってあげないと、冗談抜きでとぶかもしれないわよ。どこがとは言わないけど。)
肝に⋯⋯ッ⋯⋯銘じますッ!!!
一話で終わるんすねぇー。あ、因みにあの刀は妹さんの胸られんの肉を丸ごと抉って造ったものらしいッスね。エスパーダみたいッスね!その硬さ⋯⋯分からない⋯⋯らしいッス!勿体ぶっといてわかんないッス!
それと、真理は誰かの何かを奪って生きてきた事をあの瞬間まで理解していませんでした。
真理は死産の可能性が高く、たとえ出産させることが出来ても、生きられる日は短いだろうと言われていました。でも、何故だか生きています。
両足が生まれつき悪かったらしいですが、いつの間にか立てるようになっていました。
目がほとんど見えず、すぐに転んでいましたが、ある日まったく転ばないようになって、どこに何があるかちゃんと分かるようになった!と上を向いて喜んだとき、光が目に入り、目が見えるようになっていたのに気づきました。
声が出ませんでした。耳が聞こえませんでした。病気にすぐかかり憂鬱でした。悪口を言われました。でも、みーんな、ちょっと経つたらすぐに解決していました。
みたいな感じで、本人は何も分からずに何か解決しているな。と、他人事の様に無関心だったのです。次回、それを受け止めた真理。そして話し合う秋野瀬姉弟+α!どうなるのでしょうね。




