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なろうアンチの征く異世界生活  作者: アンチくん
32/47

爺さん⋯⋯良い奴だったよ⋯⋯

本編では(ないです。)

約50年程前、アルマニアン公国と呼ばれる国で歴代最高の剣士、剣聖とまで呼ばれ、国から多大な栄誉と祝福を受けた男がいた。名をスイハと言う。彼は生まれた時から、剣を振るい魔物を打ち倒し、幾度もアルマニアン公国を救ってきた父スイカを見て育ったこともあり、生後3才の頃には既に己の生涯をアルマニアン公国に捧げることを決めていた。そして、その頃から剣を握り、父と打ち合うことで研鑽し、そして、自身も激しい鍛錬を重ね、7才の頃に約80年ぶりの最年少の騎士として、騎士としての人生を始めた。当初は80年ぶりの最年少騎士という肩書きに不満、疑問を持つ者も少なくはなかったが、幼き頃から研鑽を重ねたスイハは実績を積んでいくことで、周囲を納得させた。そうして時を重ね、20歳になった頃、ついにスイハはスイカから『剣聖』の称を継ぐことになる⋯⋯




⋯⋯それは過去の話⋯⋯この世界には、一般に知られない裏がある。無論、普通に生きる一般人には知る機会すらない程の裏だ。その裏を知る者はそれこそ魔王、勇者、神は勿論、その上に居るナニカは言うまでもないだろう。その裏とは⋯⋯《ステータス》の事だ。(うっ、おぇ⋯⋯)


この世界において、例えば、テンション上がりますねぇ!という転生したてホカホカなチ=キュウ=ジンが街の中で思い切り《ステータスオープン》!と言おうものなら、一斉に周りの人達は「何言ってんだこいつ」「ママーあの人なにー「しっ!見ちゃいけません!」」「頭イカれてんのか?」「不審者か?」という様な辛辣ムーブが起こるのだ。


まぁここで言いたいことはこの世界に《ステータス》は一般に知られない秘匿事項だと言う事だ。それはかの『剣聖』にも当てはまる。まぁこの世界には勇者も魔王も神ですら太平洋に浮かんだ西瓜五つ分程の割合居るのだから、かなり少ないだけである。剣聖もその西瓜五つ分に入れなかった一般人にすぎなかったという訳だ。


そう、スイハは知ってしまった。いや、知ったのは、息子の息子、孫から教えられたという事だが、しかし、孫からその《ステータス》について教えられたのだが、ここで言っておくと、この時スイハは30を過ぎており、剣聖を息子に継がせ、スイハ騎士団団長を請け負っていた。何故、自分にも、息子にも現れなかった《ステータス》なるものが孫に?その疑問も孫によって明かされる。《ステータス》は普通の人には見えず、また、知られることもない。故に、生まれつき一定の条件を持った者が知り、見る事が出来るという。そして、自身のステータスを測ったところ、そこには【剣術適正】、【剣鬼】等の他に、【ユニークスキル:子々孫々】というものがあるらしく、詳細を確認したところ、子孫に自身が身につけたスキルを全てLv1に戻した後、継がせるというものらしい。たとえ怠惰を尽くした人生を送ったとしても、子孫さえ残せば、全てのスキルを継がせられる、非常に強力なスキルらしい。しかし、スイハはそのスキルを使って子孫を産み続けることで半永久的に剣聖が生み出され続ける事を危惧したが、孫によれば、このスキルはこのスキルを継いだ人物が再び子孫を残した最初の子にしか継がれないらしい。


そうして《ステータス》を知ったスイハは、10年後、騎士団長の座を降り、アルマニアン公国を去り、一人旅を始めた。道中、様々な発見や戦闘もあり、決してアルマニアン公国を出なければなかったことだろうと思っていた。しかし、かつて『剣聖』と呼ばれ歴代最高の剣士と言われたスイハですら骨を折る出来事があった。それがランドブル帝国と呼ばれる国だった。そこは、字に表すなら『地獄』。暴力が暴力を制し、暴力に暴力が従う。暴力だけで構成された国、物を買うのも暴力。物を作るも暴力。身体を動かせば行われる暴力。口を開けば伝えられる暴力。暴力で暴力が築かれる悪循環の嵐、ここを地獄と呼ばずして、何処に地獄があるだろう?そう疑問を抱かずには居られなかった。此処はまずい。すぐにこの国を出なければ、そう思い、街を出ようとしたところ、ふと路地裏に、打撲まみれの全身でボロ布を纏った少女が目に入った。その瞳は虚ろで、焦点も会わずに小刻みに震えていた。その少女を見た瞬間、何故かスイハは駆け出し、再び街を出ようと路地の出口に向かうと、そこには屈強な肉体の荒くれ者が道を塞いでいた。スイハは少女を担ぎながら片手で大剣を振るい、荒くれ者を蹴散らすと、外に出た。すると、そこらの者全てが一斉に此方を向き、服や胸から凶器を取り出し、こちらに襲いかかってきた⋯⋯



⋯⋯気づけばいつの間にか街を抜け、自分のとも返ってきたものとも分からない夥しい量の血が体についていた。幸い少女はまだ完全に目にできている訳ではなく、まだ目は虚ろで焦点は合っていなかった。スイハはこうして、少女を担ぎ、どこかへ消えていった⋯⋯



これは、『アンチくん』による爺さん改め、スイハの過去を客観的に見た後に、スイハの体験談に元ずいた過去を語りました。


では、次回をお楽しみに。

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