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ヌルファ達の星でのタクミの奇妙な踊り

「おいっ。どうなっているんだ?」タクヤはヌルファに言った。


「えー。えーとね。緊急時の脱出プログラムが動いちゃった。てへっ」尻尾を左右にふって可愛さをアピールするヌルファ。


「なんで動いたの? 地球人に動かせないでしょ?」

 ルリはヌルファに言う…


「そんなこと言われても。もう動いちゃっているし…あとこのまま僕たちの星系まで帰るだけだよ…」

 ヌルファはタクヤのほうを見てから、気になっているタクミのほうを見た。


 タクミはじっとヌルファのしっぽを見ている。

 両手をわきわき動かしていて、そろりそろりとヌルファのほうへと近づいてきている。


「あの…」ヌルファは少し警戒しながらタクミのほうを見る。


「ふっふっふ。しっぽ…」タクミはゆっくりヌルファに近づく…

 そして… タクミはヌルファの後ろへ回り込みしゃがむ。

 そのまましっぽをさわられるヌルファ。

 さらにタクミは、ほっぺたにヌルファのしっぽをつけてすりすりする。

「うわぁ。助けて…」ヌルファはルリに言う。


「えー。やだ。近づいたらあたしまでもふられるじゃない…て。ぎゃー」

 ルリは後ろから抱きしめられた。耳をすりすりされる。

 すりすりしているのはエリカだった。


「ねっこみみ。ねっこみみ…」

 エリカは気をまぎらわすためにもふもふしているみたい。


「あのさ。そんなことしてないで…地球に返してよ…」俺はヌルファに言った。


「あ。そこ。だめ…しっぽにぎっちゃだめ…力ぬける…」

 タクミにしっぽをもふられて、さらにしっぽを手で握られて助けを求めてる。


さらにタクミは…「耳おっきいね。耳ふーふ」タクミはヌルファに耳ふーふをした。

 耳ふーふされてびくっとなってヌルファは白目になりぐったりとする。

 タクミはそのままヌルファを抱きしめている。すりすり。白目をむいたことをタクミは知らない。


 俺はルリとエリカのところに行って、エリカをルリから引きはがす。

「ああー。いいところなのにー」エリカが文句を言う。


「あのね。もう地球を離れて…土星より遠くまで来たの…そしてさっき、また加速して土星すらも見えなくなったんだからね… ねえ。ルリ。どうしよう…」

 俺はルリに言う。ヌルファは気絶中…


「だから、もうあたしたちの星系まで行くしかないの。そしてあなた達が危険な人達、あるいは種族か判定されて…危険だと判定されたら隔離されて一生死ぬまで出られない…」


「なっ。それ…どうしよう…なあ。俺たち危険性はないよなって…あ。

あるかも…エリカとタクミ…」

 気絶しちゃったヌルファを気が付かずもふもふしているタクミ。

 ルリをとられて、あーとなっているエリカ。

 この2人は危険かも…


「あれ? なんで抵抗しないのかな? ヌルファ? あ。あれ?」

 タクミはやっと気絶しているヌルファに気が付いた。


 そして…やっとのことでヌルファを持ち上げて、椅子のところまでひっぱっていく。

 そしてヌルファを持ち上げて抱っこした。


 ぎゅうとして、そのままの姿勢でしばらく座っているタクミ。

 ぬいぐるみのかわりにしているタクミ。


「タクミ。気が付くまできちんと介抱するんだぞ… それまでもふるの禁止な。それと…」

 俺はタクミへさらに言う「それより聞いていた? もうすでに太陽系すら離れているんだぞと…」


 タクミはヌルファを抱っこしたまま言う「ん? それが何か問題?」タクミはヌルファのしっぽを見る。


「地球には帰れないかもしれないんだぞ…」


「地球に? それが何か問題?」タクミは言う。


「は? だって…いいのか?」


「うん。ヌルファたちの星系へ行くんだろ? そうしたら君たちみたいなけもの耳の人に囲まれて一生暮らせる…ぐふふっ」

 タクミはにやける。


「あのね。ひょっとしたらエリカとタクミは危険と判定されて一生刑務所よ…

独房の中、外のけもの耳の子を見ながら…一生もふれないで暮らして死ぬのよ…」

 エリカが言う。


「えっ」

「えっそれは困る…ものすごく困ったぞ…」

 タクミが険しい顔になる。


 俺は考えた。とばっちりを食ってみんなつかまったらどうしよう。

「なあ。船内にカメラとか映像を記録していないのか?」


「あるけど…いいの? タクミがヌルファを耳ふーふして気絶させたところとか見せて…」

 ルリが言う。

「あ。それも見せないとだめなのか?」


「そう…」


「あーあ。やっちゃった。あんたが悪いんだからね…私はなんとか助からないかな…耳ふーふしてないし…」エリカはルリのネコミミを触りながら言う。

 いつのまに…

 エリカがルリの耳をさわるとぴくぴくルリの耳が動く。


 俺はエリカとルリを引き離し…かわりに俺がルリを後ろから抱きしめてみた。

「ああ。なにするのよ…あたしが耳で癒されていたのに…」

 怒るエリカ。


「だめ。もふりすぎ…」

 ルリの頭をなでる。ネコが気持ちよくなるようになでる。

 あごの下もなでてあげる。

 まるでねこのようだ。

 ルリをなでながら「ところで…あと何日ぐらいで到着するんだ?」


「えーとね。3日…」


「3日…」それまでどうするかを考えないといけないのか…


☆☆☆


 船内で数日過ごし…3日たった。


「あれが僕たちの住んでいる星系…もうすぐで見えてくるよ…」

 ヌルファは、エリカとタクミから遠くはなれて過ごしていた。

 間にかならず俺をはさんでいた。

 そして近づいてきそうになったら、俺の後ろに隠れた。

「そんなに警戒しなくてもいいのに…悪かったよ…」

 タクミはもふらせてくれないのでしょぼんとしている。


 宇宙船は自動的に最寄りの空港へ着陸するはずだった。


 けれども惑星へは下りず、最寄りの宇宙ステーションへと誘導されていく…


☆☆☆


 出迎えはロボットだった。

 武装されていた。

「こい…」みんなばらばらに廊下を歩かされて、僕とエリカ、そしてタクミは別々の部屋へと連れていかれる。

 ヌルファとルリは、連れられて別々の部屋へと連れていかれて部屋へ入るのを見た。


 そして…

 部屋のはじからしゅーと白い気体が噴出されてきた。


「ごほっ。ごほっ。なんだこれ…」やばい。毒?


 僕は床に倒れこみ、せきこんだ。


 そして…


☆☆☆


 目がさめた。


 台の上に横になっていた。

 手足はしばられている。


 横を見た。


 見たことがない人達。防護マスク。防護服を着ている。

 手には物騒なもの。金属に光る、のこぎりの歯。回転しだした…


 おい。これって…まさか。

 良く考える、地球に宇宙人が来たときのシチュエーション。

 解剖される。だ。


 生きたままかよ。


「おい。なあ。ちょっと待ってくれよ…」

 ぎゅいーんと音を立てて、歯が近づいてくる。


 そして…歯が俺のお腹にあたる…そして切り裂いた?

 あ?

 切り裂いてない…


 見た感じでは切り裂いているはず…


 見た感じでは俺の上半身と下半身が2つに分解したように見えた。

 防護服を着た人は、足を持ってひっぱる。


 上半身と下半身は完全にはなれた。


 そして…

 字がうかんできた。


『どっきり大成功!』


「は?」


 いきなり。目の前の映像が消えた。


 まばたきをすると…ベッドの上。

 防護服は着ていなかったが人がいた。大人の人。


 ヌルファのようなきつね耳を頭に生やした人。しっぽもある。

 しっぽは左右に動いている。


 俺はその人に聞いた「あのさっきのは? 死んだはず? 」

 ここは部屋の中。煙が出てきた部屋とは違うようだ。


 男の人はしっぽを左右にふりながら言う。

「さっきのはテストだ…

いちおう何種類かの映像を見せて…最後に恐怖映像を見せたんだが…」


「な。なあんだ。リアルだったぞ…」

 俺はベッドから起き上がろうとした…

 自分の脚がなかった。


「は?」僕はじっと見た。


そして…

「ぷっ。ごめん。からかっただけだ…」そばにいた人はボタンを押した。

 すると、俺の足は元にもどった。


「映像による錯覚だ…さて…君たちは友好的な民族かね…同じ種族たちで殺しあったりはしてないかね…」


「えっ」どうしよう。日本人は大丈夫かと思うけど…他の国だとまだ戦争している人もいる。なんて答えよう…


「さてはあるな…まあ…いい。たまにあるしな…君は悪人かね…」


「い。いや…」


 じっとこっちを見ている…


「じー」


 俺はふいた。

「口で『じー』って言っているじゃないですか…どこにいるんですか…そんな人。大人でしょう…」

 僕はため息をついた。なんなのこの人。


「お。すまん。君の反応が見たくて…」

 男の人はデバイスに何かを書き込んでから机の上に置いた。


「ところでここはどこですか?」


「ここは座標1227,447,556,32557だ」


「は? そんなこと言われてもわかるわけないよ…きちんと言って。惑星の地上の何々の都市とか…」


「あ。なんだ。そんなことか。ここは衛星軌道上の研究施設。異星人対策の施設だ。

僕は科学者。異星人の反応を主に研究している。危険な人種ならあるていど同じ行動を示す。

あ。そうだ…これをあげよう…」

 手渡されたのはナイフだった。


 じっとみている…


 俺はわきにそれを置いた。


「ふむ…じゃあこれはどうかな?」

 男の人は金属でできたずっしりするものを渡してくる。

 銃だった。撃鉄をひけば弾がでるやつだ。


 俺は手渡されたものを見て、マガジンを取り出した。

 弾は入っている。

 マガジンを取り出したまま、テーブルの上に置いた。


「なんですか?」


「いや。君の反応と脳波を見ていてね…殺意はないようだ…ふむ…

じゃあこれはどうかな…」


 ふっさふさしたものを取り出した…


 そして…


 わきの下とかをふっさふさしたものでくすぐる。

「ちょっ。やめ。やめて…はっはっは。くすぐったい…やめ…」

 腕を振り回す。


「ほれほれ…」両手+しっぽを使って俺の体をくすぐり続ける。


「いいかげんにしてください…なんなんですか?」

 俺は男の人の体を後ろへおいやって言う。

 俺はベッドの上でさらに後ろへと下がる。


「ああ。ごめん。君の反応が見たくて…」

 なんかきりがない。

「もうやめましょう…危険はないですよ…地球へと帰してください…」


「それはできんな…一生刑務所で隔離される…」


「えー。それって? 俺たち何もしてないのに…」

 必死になる。


「冗談だ。でもわからない…まだ未決定だから…それにタクミやエリカだったな。そっちの反応により、どうなるかわからん。では。私はもう行く…」


「おいっ。ちょっと待て…」

 男の人はすたすたと歩いていき、ドアを開けて廊下へと出る。

 俺はすぐにベッドから降りてドアを開ける。


 ドアを開けるが、男の人はいなかった。

 なんで?


 これ。ひょっとして…

 僕は隣にあるドアを見た。


 そろりと開ける。


 そこにはエリカがいた。

「どうしよう…目の前にしっぽがあったから触ったら…警報が鳴って…消えてしまったの…

ねえ。どうしよう…」エリカは真剣な顔をしている。


「やっちまったのか? あれはテストだったんだ…俺のほうはいろいろ質問されたが…

やばいかも…」


 俺はくるりと振り返り、元来たドアから出る。

 そしてさらに隣の部屋へと入る。


「どうしよう…目の前に耳としっぽが生えている人がいたから…耳に触ってからしっぽをふかふかしようとしたら…警報が鳴って…消えてしまった。ねえどうしよう…」タクミも青ざめた顔をしている。


「やっちまったのか? あれはテストだったんだ…俺のほうはいろいろ質問されたが…

やばいかも…」

 俺は元の部屋へと戻ることにした。


☆☆☆


 ロボットが部屋の中に入ってきた。

 やっぱり武装している。


「コッチヘコイ」ロボットが言う。


 僕はおとなしく歩く。


 みんな部屋から出て来てロボットの後について歩く。


「ちっなんでロボット…もふれないじゃん」タクミ。


 こんなことになっても言う。


 広いところへ通される。


 真ん中に絨毯。両端に人。

 体つきは僕たちの大人と同じぐらい。

 でも、頭やお尻に動物みたいな耳とかしっぽがついている。

 ある人はヌルファのようなきつね耳としっぽ。

 ある人はルリのようなネコミミをつけている。

 ある人は見たことがない形の耳と2又になっているしっぽをつけている。


「前へ」偉そうな女児が言う。

 ちなみにネコミミだ。


 タクミとエリカが歩き出した。

「おい。変な行動するなよ…変なことしたら処刑されるかも…」

 僕は2人に小声で言う。

 

「大丈夫だって」エリカが言う。


 それぞれ幼女の前へと出る。


 偉いのか?

 豪華な椅子に座ってこっちを見下ろしている。


 それぞれ横並びに1列になり、幼女の前へ立って並ぶ。


 俺は「なあ。あの子偉いのか?」ヌルファに聞く。


「僕は会った事ないけど…たぶん偉いんじゃない?

 あ…ああ」

 しゃべっている途中でいきなりびっくりした表情になる。


 まさか。


 僕はタクミとエリカのほうを見る。

「あ。何やっているんだお前…」


 タクミは幼女の右どなり。エリカは左どなりにいて、なでなでしている。

 タクミはさらにネコミミをつっついている。

 そして幼女のネコミミをこりこりしだしたタクミ。


 ぷるぷるしてうつむいている幼女。

 やばい。


「これ。何をやっておる」

 幼女が腕をあげて、エリカの手をはらう。


「あれ? あたし…ナニやっているんだろう…あ。ごめんなさい…無意識にもふってた」


 タクミも…「あれ? 無意識に耳をつっついていた…」


 何事もなかったかのようにそそっと段を下りて僕たちと同じ位置に並ぶ。


「おぬし… 死刑じゃ…連れていけ…」幼女は部下に命じる。


 あー。やっちまった。


 僕は後ろから来た警備の人に腕をつかまれて、強制的につれていかれる。


 さっきまでいた部屋とは違い。金属とコンクリートでできたような冷たい部屋へとぶちこまれた。


 あー。どうしよう。


☆☆☆


 冷たい部屋へとぶちこまれてから2日後。


 部屋を出るように言われる。


 それぞれ警備の人に腕をつかまれて、例の幼女の前へと連れていかれる。


 そして…幼女は言った。


「最後に10分だけ時間をやろう…言い訳とか死刑になりたくないアピールはあるか?」

 3段高い位置から言う幼女。


 最初はおれだ。


「あの。聞いてください。あのエリカとタクミは病気を持っていて、かわいいものを見ると無意識に耳をさわったりしっぽをさわったりしたくなるんです。悪気はないのです。だから…どうかお慈悲を」

 僕は土下座して頭を床につけた。


「そうか。お前自身の言い訳はないのか?」

 足をくんで幼女は言う。

 

 俺は頭をあげた。


 ぶ。

 足を組んでいる幼女の足の間から奥が見えた。

 つまりパンツ。柄物のパンツが見えた。

 ネコのガラが書いてあるように見える。


「えー。えーとそれは…その…ぱんつなんか見てません」

 あ。変なことをなぜか言ってしまった。

 言うつもりはなかったのに…


「ほう…」幼女は組んでいた足をもどし立ち上がった。


 そして俺の前へと降りてくる。


 僕は下からみあげた。


 幼女は足を僕のあたまのてっぺんに置いた。

 そしてぎゅっとする。


 俺は頭が床についてしまった。

「あ。あの…」


 そういうと、幼女は足を下した。


「ふむ…」それだけ言って俺のとなりにいるエリカの前へと行く。


 エリカは…腕をプルプルしていた。

 そして…

「ああ。我慢できない…もふらせて…」幼女を抱きしめる。

 かなり下にある幼女の頭を自分の頭ですりすりする。


「やばっ」俺はつぶやいた。


「ええい。そんなにもふるな…」手ではらう。


 そして… 幼女はその隣のタクミの前へと移動する。


 タクミはどうするんだ? エリカと同じようにもふるのか?


 タクミはポケットからもこもこの物をだして頭につけた。そして長いものを自分のお尻につけた。

 ネコミミとネコのしっぽをタクミは装備した。


「ねっこみみ。ねっこみみ。ねこのしっぽもくーねくね。かわいい恰好で僕の前に現れたら一生一緒に暮らそうよ。そーれねっこみみ。ねっこみみ。おいしいお魚。まぐろも食べ放題。マタタビの実も食べ放題。ねっこみみ。ねこみみ最高」

 タクミは腰をくねくねさせてなぞの踊りを始めた。

 さらに腰をくねくねさせて踊るタクミ。


 幼女は…それをじっとみていて…

「ぷっ」ふいた。


 そして3段上の台座のところへ戻り椅子へ座る。


 そして…

「そなたたち。判決を言い渡す。そなたたちに悪気はないようだ。自由とする…それと…

そなたたちの星系との国交を限定的に許可しよう…」


 幼女は言う。


「やったー。けもの耳。ネコミミ。犬耳。きつね耳。やった。みんな地球へ一度はおいで…

油揚げも、フリスビーでのお遊びも。ネコが好きなこたつも全部あるよ…

そーれそれ。ねっこみみ。いぬみみ。きつねっこ。みんなおいでそーれそれ」

 さらに腰をくねくねさせて踊るタクミ。


 すげえな。あの踊り。腰のくねらせかた。真似できない。


 それに大好きでないとできないな。


 俺はそう思った。


 幼女から言いわたされ、豪華な部屋へと通される。


 そしてノック。

「はい」

 僕はドアをあける。


「私はあなたのファンです。いいですか?」

 わんこの耳のかわいい子。年はちょっと下にみえる。


「いいよ」僕はドアを開けて通す。


 その後ろからも人。

「エリカ様はいらっしゃるかしら」

 別の子。


「いるよ… さあ入って」僕は別の子も部屋へと入れる。

 きつね耳の美人の女の人だった。ちょっと年上。


そして10名ぐらいの小さい子達「ねえ。あの踊り。生でみたいの」

 いっぱい来た。


「ああ。いいよ。入って」


 豪華な部屋は広かったがすぐにいっぱいになってしまった。


 うわぁ。あたり一面けもの耳の子でいっぱいだ。


「ねえ。あなたにほれちゃったみたい。仲間のことを一番に言うんだもん。すばらしいわ」

 わんこの耳の子。俺の隣へとこしかけてくっついてくる。


「そう? ねえ。君やたらと人懐っこくない?」俺は聞く。


 くっついてくるわんこの人。


「ねえ。あたしのおなかなでてくださるかしら?」

「えー」僕は女の子をみる。しっぽは体の下から横に出している。

 女の子は僕の膝の上にあおむけに横になり足を延ばす。  

 すっかり俺とわんこの子しか座っていないソファの上にあおむけに横になってしまう子。

 手をのばせばお腹をさわることができる位置。

「さあ。やってくださいまし」 


 俺は言われたまま、お腹をなでる。

 お腹は出しているが、体毛があるのでなでごこちがいい。


 女の子のしっぽが左右に動き出した。


 俺はちょうしこいて言う「ほーれほれ。よーしよし」

 犬のお腹をなでるようにする。


「もっとなでて…」


 なんでこんなに人懐っこいんだろう。


 俺はエリカのほうをみた。


 エリカはもみくちゃにされていた。

「お姉さま」

「異星のお姉さま」

「頭におおきいミミがないのよ…頭をさわりたい」

「あたしも…」

「あたしもさわりたい…」

 十名以上の子がエリカにせまり、体をさわろうとする。


「ちょっとあなたたち…待って…」

 いつもと逆だ。ネコミミ、いぬみみ、きつねミミ、そのほか見たことがない動物のような大きい耳をつけている女の子達。ここからは女の子のたくさんのしっぽが見える。


 とうとうエリカはけもの耳の女の子に押し倒されたしまう。


「ちょっと助けて…」エリカはこっちのほうを見てくる。


「今いそがしい」


「えー。このままだと押しつぶされちゃう。ねえ。あなた達降りて…重いから…」


 けもの耳の子にもみくちゃにされているエリカ。


 俺はタクミのほうをみた。


 タクミのほうはもっと人に囲まれている。

「ねえ。あの踊り生でみたい」

「あたし達も一緒におどりたい…どうやるの?」

「僕もぼくも」


「じゃあ。ポーズはこうだ」タクミは手をぐーにして、にゃんのポーズをする。

 そして腰をくねくねと動かす。


「すごーい。その腰の動きどうやるの?」


「こうだ」タクミが教える。


「どうやるの?」


 列にならんでタクミに見てもらう。


 タクミはニヤニヤしている。


 腰をくねっと動かして踊るけもの耳の子達。


「にゃん」


 うわぁ。かわいい。本物だ。俺は思った。人間の体形と同じ子供。

 けれども頭には本物のネコミミとお尻には本物のネコのしっぽがついている。


 これ。破壊力すごいな。

 CMとかでネコグッツの物の宣伝をしたら売れるんだろうな。

 それにネコミミアイドルとかでもやってけそうだな。


「にゃんにゃんにゃーん。だ」

「師匠。じゃあやってみます。

にゃんにゃんにゃーん」

「にゃんにゃんにゃーん」

「にゃんにゃんにゃーん」

「にゃんにゃんにゃーん」

 十数名の幼いネコミミの子がにゃんにゃんする。


 僕はタクミとネコミミの子達をみていた。


「ねえ。お腹。なでて。手がとまっているの」女の子に言われる。


「お。はいはい」俺はよーしよしとお腹をなではじめる。


 聞くところによるとしばらく数日はこのまま過ごし。準備ができたら数名の人と共に地球へと帰る。


 地球の要人たちと会い、国交の交流を進める準備を始める。


 ここにいる人達も連れて行き。世界の主要な人物から紹介する手はずにすることを聞いた。


 忙しくなるかも。俺はそう思った。


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