異星人の2人と地球人の2人。そしてもふもふ。
ドアから誰か入ってきた。
夜遅くだったんだけど、クラスメイトの女の人だ。
「ノート忘れちゃって…とりに戻ってきたんだけど…まだいたの?」
タクヤのほうを見て言う女の人。エリカだ。
エリカはお客さんの方をみて言う。
「あら。こんな夜におきゃくさ… ん? ん? ん?」
男の子の頭に生えているきつねのような耳を見た。
そして女の子の頭に生えているネコミミとお尻の猫のようなしっぽを見た。
エリカが入ってきて、お客さんがエリカのほうを見る。
男の子のきつねのような大きい耳がぴくっと動く。
女の子の猫のような耳がぴくっと動く。
エリカは耳が動いたことを見て。急に…「あ。そうだ。ねえ。あんまんと肉まんとピザまんが食べたくなったから、人数分買ってきて… お金は出すから…さあ…さあ」
と急にタクヤをせかすエリカ。
「なんだよ急に…」強制的にお金を手に握られて、背中を押してドアのほうへとおしやるエリカ。
☆☆☆
ばたん。ドアが閉まる。
ドアが閉まったあと、足音を聞いているエリカ。
行った。
「さーてと」エリカはドアの鍵を内側からかける。
エリカはお客さんのほうへと歩いて行く。
「な。なんですか?」ごくりとつばを飲む男の子。
「本物よね… その耳…ふっふっふ…邪魔者がいないうちじゅうぶん。いやじゅうさんぶんぐらい…
『もふらせて』」とエリカは言い、男の子に近づく…
そして男の子のきつね耳をゆびでつまむ。
「何するの…」涙目になりそうな男の子。
「痛くしないからね…」エリカはお客さんの男の子に抱きついた。そしてエリカはきつね耳に自分の頭を埋めて、自分の鼻をこすりつけた。
「うわぁ。やめて…」すりすりされていやがる男の子。
エリカは…「ああ。いいわね。もふもふ。ふっかふか… ちょっとだけ我慢してね…」
エリカは、きつね耳に顔を埋めてもふもふを続ける。
「ねえ。離しなさい…いやがっているでしょ…」
ネコミミっ子はエリカに言う。
エリカは顔をあげる。ネコミミ娘をじっと見る。
「じゃあ。あなたも… ネコミミ娘げっと」エリカはもう片方の腕でネコミミ娘を抱き寄せる。
「なんなのよ…この人…」ネコミミ娘はエリカの目先に手をやって爪を出して見せる。
「これで切り裂くわよ…」
エリカは目の前に見せられたネコミミの爪を見たが…
「そんなもの… 怖くはないわね…じゃあこれはどう?」
エリカは、ネコミミ娘の頭に、自分の口元を近づけて、ネコミミ娘の耳にターゲットをロックオンする。
「ふー」かるくネコミミ娘に耳ふーふーをした。
「あふぅ…」と変な声を出してネコミミ娘は力が抜けてしまった。
さらに顔がこわばる男の子。
「耳ふーふは絶対やめて…気絶する…」小刻みに震えだすきつね耳の子。
「へーそーなんだ」エリカは男の子の耳をちょんちょんとつっつく。
「やめて…」男の子は体をこわばらせる。
顔を耳に近づけるエリカ。
………
でもエリカは耳ふーふはしなかった。
その代わりに、男の子の頭をなでた。
「へっ?」まだ体をこわばらせている男の子。
まだなでる。
もっとなでる。
あるていどなでてると、男の子の体から力がぬけてきた。
ついでに男の子のしっぽもふかふかする。
「ごめんね。耳ふーふーして…」
エリカはネコミミの子の頭をなでながら言う。
「耳ふーふはダメ。絶対だめ。力が抜けるから…」
「わかった。絶対しないから… それからこっちの子も毛並みいいわね…」
男の子のしっぽをふかふかしながらエリカは言う。
「ありがと…耳ふーふは絶対だめ…だめだから…」
男の子はエリカに言う。
「うん。君にもしないよ…しばらくしっぽなでさせてね…」
エリカは男の子のしっぽを優しくなでている。
おちついたようだ。
「気にしてないよ… もっとなでて…」
男の子はエリカにお腹を見せてきた。
「ねえ。あなた達のお名前は?」エリカが聞く。
「名前? えーとね。じゃあ。コン」男の子が言う。
「だめでしょ。ほんとの名前を言わなきゃ…」女の子が言う。
「…」
「うん。あたしはネ.コ」ネコミミの子がいう。
エリカは「あなたもでしょ。そのまんま…」と言いこつんとネコミミ娘の頭をたたく。
「えー。その子はネルリア・コルン二エ。だからネ.コ。僕はイ.ヌ。イルリア・ヌルファリ」
と言った。
「えー。なんかまぎらわしい。きつね耳の男のコはヌルファね…で、ネコミミの女の子はルリね…」
とエリカは言う。
「うん。そっか…日本語でイヌは…別の生物なんだね… 僕の耳のような子はきつねだっけ…」
ヌルファは言う。
「だからコンって言ったのか… でもこれ、犬っぽいんだけど…」
お腹を見せて、仰向けになって、おなかをなでてと言っているヌルファ。
お腹なでては、犬っぽく見える。でも姿は違う。頭にはきつね耳。きつねに似た耳なんだけど。
エリカはヌルファのお腹をなでていると…
がちゃがちゃ。ドアのところから音がした。
どんどん。
ドアを叩く音。
「おい。鍵をかけたのか。いるんだろう…買ってきたぞ…」
「もう帰ってきたの…いいところなのに…」
エリカはヌルファをどかしてから、頭をぽんとして、耳をなでる。
そのあと、エリカは立ち上がりドアのほうへと歩いて行く。
がちゃりと鍵を開ける。
「なんで鍵をかけてたの? ほら。買ってきたよ…」タクヤが入ってきた。
ほかほかの中華まんが入った袋を見せるタクヤ。
「入ってよろしい」偉そうに言うエリカ。
「なんだよ…」
タクヤは建物の中に入る。
テーブルの上にまずは中華まんの数種を取り出して置く。
そして飲み物も一緒にテーブルの上に並べる。
飲み物と中華まんがみんなに配られた。
はむっと食べる子達。
中華まんをひとくち、エリカが食べる。
それを見てお客さんも真似をしてはむっと食べてみる。
「あったかいねこれ…」
「うん。ふかふか…」
ヌルファとルリは一口食べてから言う。
「おいしい? 口にあうといいんだけど…」
タクヤは飲み物を手に取って口につけたときだった。
「ねえ。この子達どうしたの? まさかあんたの子供? きつねと、猫とやったの?」
エリカは、飲み物を飲んでいるタクヤに聞く。
タクヤは飲み物を出しそうになり、咳こんだ。
[なんなの…それ… 違うよ…]
タクヤは飲み物を置いて、そばにあるティッシュをとり、口をぬぐう。
「じゃあ。いいことしたの? 罠にかかっているきつねを助けてあげたら人型になって恩返しに来てくれたとか?」
エリカは、隣に座っている男の子のきつね耳をちょんちょんさわりながら言う。
エリカはなぜか、お客さんの隣に座っている。
向かいにはタクヤだけ…
「違う。俺も知らない…ねえ…どこから来たの?」
タクヤはヌルファに聞いた。
「たぶんあっちのほうだと思う…」地面のほうを指さす…
「ん? どこ? 地球の裏側? 外人?」タクヤは2人を見る。
外国にはきつね耳とネコミミの子が住んでいるんだ… なんてね…
「ずっと遠くなんだけど…えーとここではなんて呼んでいるんだっけ…
ちょっと待ってね…調べるから…」男の子はデバイスを操作して調べものをする。
「地球では僕たちが住んでいる銀河には名前はついていないみたい…
M77 (NGC 1068)の方角みたいだね。ここからの距離はえーと…2800万光年ぐらい?」
ルリもデバイスを覗き込んで「そうね…」と言う。
その後、2人はタクヤを見る。
「へー遠くからはるばるとたずねて来たのね… あたしに『もふられる』ために?」
エリカが、ヌルファのしっぽを触りながら言う。
「ちょっと。しっぽばかり触ってないで…」ヌルファが体の姿勢をかえて、しっぽをエリカから遠ざける。
「ああ。しっぽが…」手からするりとぬけてしまうヌルファの尻尾。
ルリは首をかしげながら…「あなた達、あまり驚いてないみたいね…… なんで? もしかして異星人とのコンタクトはもうしているの? 私たちの情報だとまだなんだと思うんだけど…」ルリはタクヤに聞く。
あんまんを食べながらタクヤは聞いていたが…
「まだだよ。映画とか、空想の中だったら結構あるんだけど… それにしても…
エリカは重度のけもの耳萌えだな。あの男の子よりひどいかも…」
エリカはヌルファのしっぽをまた手にとる。
エリカは何も言わずに、ヌルファのしっぽを手にとってもふもふする。
「これいいんだもん。一日36時間ぐらいこのまま触っていてもいいよ…」
ふかふかとしっぽを触りながら言うエリカ。
しっぽを触られることになれてきたのかそのままヌルファは言う「ここって一日36時間あるの?」
「そうなの? あたし達の情報が間違っている?」
ルリもデバイスを見て検索する。
首をかしげているルリ。その姿もかわいい。猫が首をかしげているみたい。
タクヤは「違うよ。地球は24時間。さっきのはエリカのたとえだよ…」
「そっか…
あ。そうだ。さっきあの男の子って言ったよね」ヌルファはタクヤに聞いてきた。
「ちょっと待っててタブレットを取ってくるから…」
タクヤは立ち上がってテーブルのほうへと歩いていきタブレットを手にとって戻ってきた。
電源をONにしてから、タブレットを操作して例の動画を再生させた。
「なんでこの世にけもの耳っ子がいないんだぁー。異星人でもいいから来てくれぇ」という動画が再生された。
「ああ。これ? こういう意味だったんだ… 僕てっきり…」ヌルファが思い出し笑いで、笑いをこらえながら言う。
「ぷっ。そうね… あたし達はずっと前にこの映像を受信したんだけど、ところどころ不鮮明になってて。音声も違う風に聞こえていたんだよね。
これが正しいんだね… あたしてっきり…」と言いながらヌルファの肩を押すルリ。
「うん。傑作だよ。あとで教えるね…」肩がまだ上下に動いている。
思い出し笑いを少しこらえているようだ。
☆☆☆
2人は異星人ということがわかった。姿は人そっくり。でも頭にはけもののような耳がある。
人間の耳がある位置にはちょっとだけ小さい耳に似たものがある。
それは音を聞くためのものではなくて、地磁気を感じるアンテナとして使っているということもわかった。尻尾も同様みたいだ。
人間は大きい耳と尻尾は必要ないので尻尾は退化してしまった。耳も最低限の大きさになってしまった。
日本語がわかるのが不思議だったが、テレビ放送から言語を学んで機械翻訳されているらしい。
進んでいるなとタクヤは思った。
それから、2人は宇宙船で「なんでこの世にけもの耳っ子がいないんだぁー。異星人でもいいから来てくれぇ」というメッセージを受信して、信号の送信元を特定してこの地球に来たようだった。
でも…
タクヤは考えた。
「ねえ。君たちの住んでいる星系からはかなり離れているんでしょ。なんで数年で映像を受信できたの?」
タクヤは聞いた。
「それはね。たぶん。間に中継器が入っているからなんだよ… 電波や音波。光の規則的な信号は中継器で遠くまで一瞬で伝わるようになっている」とヌルファは説明してくれた。
宇宙のあちこちに中継器は接地されているらしい。
規則的な信号やあるパターンから始まる光の点滅信号は遠くまで中継される。
聞いてみると、直角2等辺三角形の底辺と高さと斜辺の比についての光信号はちょうど、M型の救難信号の開始パターンと同じになるみたいだった。偶然そういう光信号になることもないらしく、知的生命体が送っている信号ということになっている。
たまにM型の救難信号ではなくて、未知の知的生命体からの信号だったりすることもあるみたい。
2人から聞いてみると、宇宙はかなり広く、銀河や星系も無数にあるため、知的生命体も結構いるらしい。
そして、他の星系と通信を試みている種族もいて、だんだんと双方に認知されて仲間のネットワークが広がりつつあるらしい。
地球は知られていない。
この子達は学生みたいなんだけど長期休暇を利用して宇宙船で来たみたいだ。
そういえば時間がたってしまった。
「あたし帰る」エリカは立ち上がった。
そしてヌルファの両脇に手を入れてよいしょっと持ち上げようとした。
「あ。結構重いわね。抱っこして持って帰ろうと思ったのに…
じゃあ。抱きついてから抱きあげてと…」
エリカはヌルファに抱きついて持ち上げる。
ヌルファは固まって何も言わない。
「だめだよ… 持って帰ろうとしているの?」タクヤはエリカに注意した。
「えー。だってこのきつね耳としっぽ。いいんだもん…
抱き枕にしたいの…だめかな?」エリカは下からの目線でタクヤに訴えかける。
エリカはヌルファを抱っこしたままヌルファの尻尾を見る。
ヌルファのしっぽはびっくりしているからなのか、太くなっている。
「だめ…」タクヤはエリカにきつく言う。
「しょうがない…」
エリカはソファにヌルファを下す。
ヌルファはソファへと下されてから…
「び。びっくりした。急に持ち上げるんだもん… 連れていかれるのかと思ったよ…」
何も言えなかったみたい。
☆☆☆
エリカが帰った後、タクヤは…
「ねえ。君たち。夜遅いんだけど…泊まるところはあるの? ひょっとして宇宙船へ帰るの?」
タクヤは宇宙に興味があるので興味津々だ。
「うん。君はエリカと同じように家へ帰るの? それともここに泊まるとか?」
ヌルファは部屋を見回す。
部屋のすみのほうに、枕と寝袋が置いてあるのを見つける。
「電車ももうすぐで終わりになるし… 良かったらなんだけど…宇宙船に案内してくれる?
そこに寝床とかある? 体験してみたい…」
タクヤはヌルファにお願いをする。
「うん。まあ。いいけど… 君はエリカみたいに…強制的にもふったりしないよね…」
ヌルファが言い、ルリもこっちを見る。
「うん。しない。ちょっとだけ触ってみたいというのはあるんだけど…
昔猫を飼っていてね。なでると喜んだんだよ… 今はもう死んじゃっていないんだけど…」
タクヤは昔を思い出しながら言う。
それを聞いてヌルファはデバイスで猫のことを調べる。
「そうなんだ… 猫ってこういうのなんだよね… ルリの耳とそっくりだね… そしてしっぽも…」
ヌルファはルリのしっぽを手のひらに乗せて言う。
「あたしは猫じゃないわよ…」ルリは、ちょっとお尻を浮かせてから、ヌルファの手の平にしっぽの先を乗せて、尻尾のさきでヌルファの手のひらに圧力をかけて、しっぽに自分の体重をかけるルリ。
「いたい。いたいって… ごめん…」ヌルファはソファに押し付けられている手のひらは動かせなくなる。逆の手でルリのしっぽをにぎる。
「しっぽ握っちゃダメ…」ルリはヌルファの耳をひっぱる。
「耳ひっぱっちゃだめ…」ヌルファはルリのしっぽから手を離す。
タクヤは…「こらこら。喧嘩しないの… やめないと2人に耳ふーふするよ…」という。
ぎくっと2人は体をこわばらせる。
「ごめん」
「ごめんなさい」
2人は急におとなしくなる。
その後。3人は宇宙船へと移動するために立ち上がる。
☆☆☆
「ねえ。宇宙船ってどこにあるの? 不可視にしてここにあるとか?」
入り口に外から鍵をかけてタクヤは2人に聞く。
「こっち…」
建物の横のほうへと回り込むように歩いて行く2人。
タクヤは後ろをついて行く。
建物の横。そばに生垣があり通れないようになっているから、こっちのほうに人が来ることはあまりない。
ヌルファは壁に丸くて平たいデバイスをくっつけた。
そして、丸いデバイスのダイヤルを少しずらす。
すると、壁に長方形の入り口が開く。
「うへぇ。空間をつなげたの? 実物は見たことない…」タクヤは中を覗き込む。
入り口の中央で中に入らず、中を見ているタクヤ。
「ほら。入りなさい…」ルリにより、タクヤの両肩に手をかけて中に入るように押される。
同時にタクヤの背中に、のの字になった棒のような体温があるもので背中が押される。
「おっと」タクヤは後ろを見る。
ルリがしっぽをのの字にして僕の背中を押したようだ。
「結構力あるでしょ。ルリのしっぽ」ヌルファが言う。
「うん。そうだね…」ルリのしっぽを見ながらタクヤは言う。
猫のような細いしっぽ。けれども体のサイズは人間なので、その分力は強い。
聞いたところによると、しっぽに体重をかけてよりかかることもできるし、ドアも普通に閉めたり、開けたりもできる。しっぽでお腹をなぐることもできる。
「へー。これが宇宙船… 普通だね…」タクヤは素直に感想を言う。
「普通なんだ…映画だっけ? 結構空想の中ではテクノロジーが進んでいるんだね…実現していないだけで…」
ヌルファが言う。
「まあね…」宇宙船の中を歩き回りながらタクヤは言う。
ヌルファは…「この宇宙船の動力はわかる? わかんないよねー 地球の科学力だと…」
という。
タクヤは…「たぶん。星系内は磁気帆を使ったフィードバック系の加速システムを使ってて…星系外の近くになると空間転移? 1km先に転移用のホールをあけて、定期的にくぐることで見かけでは光速以上で移動しているように見えるとか?」
とタクヤは言った。
「へー。良く知っているね…なんで?」ヌルファはしっぽをぶんぶんを左右にふる。
「びっくりした」
ルリも目をまるくしてタクヤを見る。
「あはは。最近見た映画でね。やっていたんだ…あたりだったんだ…」
ヌルファは隣にいるルリにしっぽをびたんびたんと当てて「そうだったんだ。そうだよね。君がわかるはずないよね…」びっくりしているようだった。
☆☆☆
「そうだ。明日は暇? 例の男の子に会いに行くのはどうかな? けもの耳の子が所望だからね…」
とタクヤや2人に言う。
けもの子が実際にいるというのを見せてあげたい。
「うん。私もあの男の子に会ってみたい。奇妙な踊りも生で見てみたいし…」
「僕も…」
ヌルファとルリは言う。
テレビ放送の前で頑張っている男の子。
ずいぶん長い間頑張っているから、ぜひ。実物を見てほしい。
タクヤはそう思ったのだ。
でもいいのか?
パニックにならないか?
この世。秋葉原にはけもの耳のコスプレをした子がアルバイトでけもの耳メイド喫茶の客引きをやっているらしいし…
もちろん本物ではない。女の子のアルバイトがけもの耳のカチューシャをかぶってたり、お尻にしっぽを付けていたりする。
尻尾や耳にさわっても体温はないし、動かないんだけど… お客さんは途切れることはなく来るらしい。
「じゃあ。明日…」
タクヤは宇宙船の中の簡易的な睡眠ベッドの場所を案内されて、そこで休むように言われる。
「おやすみ… コンソールはいじらないこと…爆発するから…」
とヌルファに言われる。
「わかった。俺は眠いから…大丈夫…ところでトイレはある? いちおう聞いておきたい」
タクヤはトイレの場所を聞く。
トイレでの用の足し方は、スペースシャトルのクルーがする方法と同じ。
出た水は吸い込む仕掛け。
わかったから、タクヤは睡眠用ベッドへ横になる。