表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
46/58

職業Ⅳ・② 呼び寄せて

 ここは海に浮く船の上。

 そして、敵モンスターの八本の足と二本の手が次々と襲い掛かってくる。

 慣れた船員の腕をもってしても、船への攻撃を避けるのは困難だった。



 ドーファンさんが持ってきた依頼は、船の航路に現れたカラマロの狩猟だった。

 カラマロ。白い体を持ち、八本の足、二本の腕を持つモンスターだ。現実の生物に喩えるなら、巨大イカだな、烏賊(イカ)

 水棲生物のくせに、水属性攻撃は使わない。雷属性の攻撃と、腕や足での攻撃をメインに使ってくる。水中で水属性攻撃を使っても無意味だからなのか。


 狩猟用の船を借りて、カラマロのいるポイントまでやってきた。船の操縦は船員に任せてるけどな。

 ドーファンさんはメアテクスに置いてきた。いくら威勢がいいからといって、武器を持たない人に手伝ってもらうことはない。



 俺は身をかわして攻撃を避ける。


 狼少女も攻撃を避けつつ、獣型に変化している。獣型に変化すると彼女の服は消えたように見える。実際には小さく畳まれて奴隷の首輪に吸い付いている。

 そして、襲い掛かってくるカラマロの足に噛み付いていた。太いカラマロの足は噛み切ることができず、牙を突き立てるだけに終わる。

 それでも諦めず、彼女は手当たり次第に噛み付きを繰り出していた。


 俺は虫/獣/鳥/魚の奏者、の使い方がまだわからなかった。

 仕方なく初期装備の短剣を久しぶりに取り出し、カラマロの足を斬りつけていた。だがカラマロの足はかなり太く、短剣一本、しかも初期装備の、で立ち向かったところでぜんぜん効いていないだろう。


 奏者の使い方――。いつだったか、高校のときの友人に推されて読んだ本に、獣と通じる話が書いてあったような気がする。何だったか――。奏者。つまり奏でる者。


 楽器を使わずに奏でるならば――。


 俺は右手の人差し指と中指を口に当て、吹いた。

「ヒュッ」


 狼少女が、その時噛み付いていた足を、噛み切った。

 海の上を飛んでいた鳥が俺の周りに集まり、カラマロに襲い掛かる。

 そして、カラマロが怯んだ。

 海を覗けば、魚たちが集まりカラマロに噛み付いたり、突進を繰り出している。


 俺の口笛に、鳥を、魚を呼び寄せ、狼少女を強化する能力があったのか。

 これが、奏者の武器。




おかげさまでPVアクセス数10000を達成しました!

これからもよろしくお願いします。


尚、学校のテスト期間のため、月末まで更新をお休みさせていただきます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ