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職業Ⅲ・⑬ 服を買おう

 何とか食事も終わって俺の泊まっている部屋に戻ってきた。

 と、まだ風呂も入ってなかったな。隣に銭湯がある。いつもはそこに行って入るのだ。

 道具は部屋に置いて、着替えを持って……と思ったのだが、よく考えればこの狼少女は今着ている一着しか服を持っていないのだった。


 夜といってもまだそんなに遅い時間じゃないし、宿を出て店で買ってきてもいいか。

「服、それしか持ってないだろ?」

「ハ、ハイ」

「今から買いに行くか」

「エ……ワタシ、フク、コレダケ、イイデス」

「でもそれだけだと困るだろ? 着替えも必要だし」

「ハ、ハイ!」


 宿を出て服を買いに行く。俺は武具に関する場所とポーションなどの道具屋ぐらいしか使ってないのだが、住んでいればさすがに服飾店の場所くらい知っている。


 幸い店はまだ開いていた。女性用の服が並んでいる。


「どれがいい?」

 狼少女の趣味は知らないし、そのあたりには詳しくないので本人に聞く。


「ワタシ、ナンデモ、イイデス……」

「そう言われてもな。奥さん、適当に見繕ってくれないか?」


 餅は餅屋って言ってな。こういうときは詳しい人に聞くのがいい。


「ん、その狼の子かい。獣人用の服はこっちだね……」

 そう言って店の奥に入っていく。


 獣人用とはどういうことだ? 何着か持って出て来た奥さんに聞いてみる。


「普通の服じゃ駄目なんですか」

「ああ、獣人は尻尾がある人が多いし、変身するからね。尻尾用の穴があって、獣型に変身したときは小さくなって首に付くように魔法をかけてあるからね」


 変身するたびに買いなおしていたらそりゃ困るよな。


「こんなのはどうだい?」


 一着を選んで出してくれた。俺は狼少女に合わせてみる。

「コノフク、キレイ……」

 気に入ってくれたのか。結構可愛い。


「これにするか?」

「デモ、オカネ、ダイジョブ?」

 値札を見る。奴隷購入の費用と食費はかかったが、ここ何日かで貯金してある。そんなに痛い出費ではない。


「ああ、大丈夫だ」

「ナラ、ソレ、ホシイデス」

「わかった」

 料金を払って商品を受け取り、店を出て行った。


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