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この世界で願いのために戦う僕の物語  作者: KOKOA
第四章 願い《ホープ》
17/66

16話 夢の続き

 まずは英語一だ。

 一問目、次の文を訳しなさい。 My brother is a college student.

 よし、まずは基本的な問題だ。

 私の兄は大学生です。と……。

 そして二問目、三問目と解いていく。だが五問目、とうとう長文が来てしまった――。




 その後ろくに解けないまま英語は終わってしまった。

 だが次は得意な現代文だ。ここで挽回しなければ。

 そして現代文が終わったら生物、その後に数一だ。それで今日は帰れる。

 まあ、とりあえず今は目の前の現代文に集中しよう。

 え~なになにこの漢字を答えろ……。分からん。文章は読めるが漢字はわからないんだよう。

 まあ、漢字は適当に埋めとこう。適当といっても適切という意味ではないが……。

 とりあえず数問解くと漢字の問題は消えた。

 五問目、「しかし」を使って一文作れ。

 え~と、「兄は運動が好きだ。しかし運動が得意なわけではない。」でいいか。

 



  現代文はそこそこ解けた……と思う。その後生物と数一を終わらせ、やっと放課後になった。

「和真、勉強していこうぜ」

「おう、いいよ」

 席を立つとすぐに士希が近づいてきた。なんだかんだで最近三人でいることが多くなってきている気がする。

「じゃあ、行こう」

 雪が士希後ろから背伸びをしてピョコっと顔を出して言ってくる。]

 テクテクと道を駄弁りながら歩く。ここのところ少し暑くなる日が増えてきている。

 さて、問題です。暑い中勉強するのは嫌だ、さてどこで勉強すればよいでしょう?

 アンサー、ユグドラシルの中。

 そういえばこの前士希に聞いた話だと、グドラシルって建物と魔法でカモフラージュして一般人に見えないようにしてるけど、本当は木の形をしているらしい。で、僕たちが使っている部屋とかは木の根の部分に当たるらしい。どうりで複雑な作りになってるわけだ。

「え~と、とりあえず明日の教科を勉強しようか」

 士希がそう言うと共に勉強を開始する。

 しばらくの間カリカリとシャーペンの音のみが聞こえる。

 そういえば忘れていたけど三〇点以上じゃないと赤点となり追試を受ける羽目になり、追試でもダメなら補習行きらしい。

 補習とか絶対に嫌だ! だってめんどくさいんだもん。だもん。特に大切なことではないけど二回言ってみました。

 しかしあれだ、こうも勉強ばかりしていると飽きてくる。

 雪と士希の方をチラリと伺ってみるとまだ集中力はきれていなかった。本当によく続くよな~。僕ももうひと頑張りするか……。




「ん~。そろそろ一休みするか」

 士希がそう言うと共にペンをストップさせ伸びをする。

 疲れた、本当に疲れた。

「じゃあ、みんなでまたサイザでも行ってお茶しない?」

 お、雪がいいことを言った。

「そうだな、行くか」

 それに士希も同意し行くことになった。

 一五分程度歩くとサイザが見えてくる。

 店に入りまずはドリンクバーを注文し飲み物をとってくる。

「私とってくるけど何がいい?」

「じゃあ、僕はコーラで」

 またコーラか……。

「じゃあ、僕はアイスココアで」

 こういう時はココアだと相場が決まっているのだ。ココアは最強。なぜならば、暑い時はアイスで、寒い時はホットでと飲み分けることが出来、尚且つ甘いのでストレスを緩和する効果もあるのだ。何言ってんだ僕……。いよいよ頭がおかしくなってきたかと疑っていると飲み物が運ばれてきた。

「はい、お待たせー」

「「ありがとう」」

 お礼を言いつつ受け取る。

 




 あの後しばらく駄弁り解散となった。 

「お兄ちゃん、こんな時間まで遊んでまた最下位近くを取るの~?」

 家に帰り扉を開けると咲が嘲るように聞いてくる。なんで、ここにいるんだよ……。

 無視をし自分の部屋に入る。そのままベッドに転がると眠くなってきた。まだ風呂にも入ってないので、一旦体を起こし風呂に入る。

 ハァやっと眠れる。

 すぐに心地よいまどろみが来てそれに身を委ねることとした。




 空と美久。その二人が本当の僕の父と母だ。その二人の夢を見た――。

「空! 避けて!」

 強大な力が空を襲う。空が持っていた剣は半分折れており、未久の持っていた剣もヒビが入っていた。

 空は敵の攻撃をギリギリのところで避ける。

「アイテール!」

 折れてしまった愛剣の名前を呼び剣の形を治す。

「アストルム」

 美久も名前を呼びヒビを消す。

 この二人が戦い始めた理由は単純に子供のいる世界を守るため。でもこの戦いは初めてから二回目だった。なのに敵は余りにも強大すぎた。

「~~~~~~ ウィータ!」

 長い呪文詠唱を二人で行い固く結ばれた手を敵に向ける。すると眩い光が迸り敵の腹に風穴を開けた。

 だが、敵は倒れなかった。

 それどころか殺気を迸らせながら、敵は傷を治し空と美久に向かって突進していった。

 まず空は美久に被害が及ばぬよう美久を突き飛ばした。しかしその間に敵はすぐ目の前まで来ていた。

 敵はまず持っている黒い片刃の剣でアイテールを打ち砕いたのだった。バラバラになった剣をなんとか直そうと空は名前を呼ぼうと口を開く。だがその声が響くことはなかった。その前に敵に胸を刺し貫かれていたからだ……。


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