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カール・ヴォン・テイラー
奴隷商人であり情報屋でもある彼はとても厄介な存在だ。奴隷商人であった父親はそれなりの手腕だったが、息子のカールが継いで以来、情報を集めたり拐う人種を幅広くしたりと商会を拡大していって、僅か6年で裏の世界で怒らせてはいけない相手として恐れられるようになった。道理で証拠が見つかりにくい…恐らく彼が巧妙に隠しているのだろう。見た目は優男なのに、やっていることは悪魔のごとくだ。それだけに留まらず優秀なものは調教して自分の手足として使う。お金には困っている筈がないのに、今度は表世界で何を企んでいるんだか…
「ソルテ、この男について詳しく調べてくれ。レインはこの後私と一緒に盗聴機を回収に行った後、テイラーを尾行するよ」
「わかった」
「ラジャー♪」
急いでアルカータ商会に向かったら、丁度屋敷からテイラーが出ていくところだった。
《作戦変更!魔法具の回収はあと、とりあえずこのまま尾行しよう》
《りょうかーい♪》
とは言っても…彼の商会がいくら恐れられていようが関係ない。何故なら一番恐れられているのは"夜の黒蝶"だ…それに死神姫の名も中々負けていない。多くの人々に知れ渡っている為、彼らより広範囲で恐れられている。全くもって不本意だが!
そんなことを思いながらテイラーが乗った馬車を尾行していたら、馬車は貴族街に入っていった。そして、びっくりすることに我が屋敷にの前で停車した……
とはいえ、正面玄関からではなく使用人が使う入り口の方に馬車を止めたかと思ったら馬車はさっさと出発して、残ったのはカール・ヴォン・テイラーだけだ。彼を出迎えたのは昔から母のメイドをしているマリーだった。
「はぁ、最悪だ……」
「う~ん?るーちゃん、これどいう事?」
「嫌な予感がする…」
「嫌な予感って良く当たるからねぇ…」
《ソルテ、ターゲットが家の中に入った。恐らく母上の所にいる…気配も消して、猫の姿で監視してくれる?終わったら全部見せて》
《先程見覚えがあったと思ったらこいうことか…この男は何度かこの屋敷に来ているぞ。ほら、最近よく昼間に貴女の母君に荷物を届けに来た商人が居ただろう?》
……いや、母の買い物に興味がなかったから全く覚えていないわ!ということは白昼堂々と屋敷に入り、母と何か企んでいるのか…
《とにかく頼んだ!魔法具の方を先に回収してくる》
というか、ここに来るってわかっていたらさっさと回収してくる帰ったのに…
「レインは部屋で待ってて…あ、保管箱の中にある赤いファイルと緑のファイルの中身を確認してくれる?」
「わかったぁ、何を確認したらいい?」
「母が使ったお金とその宛先をリストにしてくれ」
「ラジャー…って!僕はデスクワークは苦手なのに!」
「頼んだ!」
「あっ!…行っちゃった」
レインは確かに落ち着きがないけど、実はやろうと思えば出来る子だって知っている。ただ、自分の興味があることにしか力を発揮したがらないけれど…
「…はぁ…まぁ、るーちゃんの頼みなら仕方ないかぁ…ソルテには負けられないしね♪」
同じ家に住んでいるのに、私は母の事をあまりにも知らない…好きな色、好きな食べ物や趣味すら知らない…否、興味がなかった。嫌いなモノだけは知っていたから他には特に問題視していなかった。今更悔やんでも時間は取り戻せないのだ。今回の調査が空きしだい、何かしら彼女と接触をすることにした。
ずっと関わらないで生きるのは不可能だ。たとえ彼女が私を疎んでいても、私はいい仲間と出会い、今では遠くに追いやったことに感謝すらしている。
読んでくださり有り難うございました!ブックマークや評価をして頂けると作者のモチベーションが上がります!(笑)これからもよろしくお願いいたします!




