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王都の屋敷に引っ越してから2週間程経って、ようやく此方での生活リズムに慣れてきた。

レインを従者にするには少し手こずったけれど、お婆ちゃんにお願いして紹介状を書いてもらい何とか此方の屋敷に潜り込ませることができた。ソルテは執事見習いにするつもりだったけれど、良く考えたらそれでは私が必要になった時に来ることが難しくなる。それなら、今までと同じように"猫"の姿で過ごして貰う事にした。ペットだということにすれば、屋敷を自由に動き回っても怪しまれずに情報等を入手することが出来るだろう。執事の件は諦めた訳ではない…観察してもらって、子供達のために作った屋敷で実施して貰う!


「ソルテー!逃げるなー!」


「断る!」


「レイン!挟み撃ちだ、そっちから追い込んで!」


「ラジャー♪」


今日はソルテ用に作った特殊な首輪が出来上がったから、それをソルテに着けようとしたら窮屈になりそうだから嫌だとごねられているところだ。デザインはお洒落に作ったから気に入ってくれると思っていたんだけどな…紅いスカーフに金具は金を使っている。生地も実は特殊な物を使った。精霊達に頼んで編んで貰った世界に一つだけの物だ。因みに、人型になった時は首が絞まらないように大きさが変化してネックレスになる予定!金と赤をあしらった物になる。


「っく!ルーナ!今更愛玩動物の様にやるのは嫌だぞ!我は誇り高きガトー族だ!」


「……今更じゃない?別にソルテは今までと同じように過ごしていいんだよ?ただ、この屋敷で問題なく過ごすために必要なの…お願い、ソルテ!」


「…るーちゃんが作った物を受け取らないとか、正気?バカなの?僕だって欲しいのに!」


「…本当に変わらないのだな?」


「約束する!」


「…はぁ、わかった…好きにしろ」


よっしゃ!ソルテの毛並みが黒いから紅が一番絶対似合うと思ったんだ。ソルテが大人しくなったところで、首の後ろで金具を留める…本当なら鈴も着けたかったけれど、音で居場所が知られると困る事があるかもしれないのだ。


「うん、似合うね」


「…ふん」


「ずーるーいー!僕も何か欲しい!」


「ふふふ…そう言うと思って実は用意してきたの!…はい、これ!」


レインには流石に首輪は付けられないから、方方の耳に付ける用の金とルビーを使って作った。ソルテが人型になった時にはお揃いになるのだ。此方もわざわざ土の精霊に頼んで魔力を通すのに純度が高いものを採取してもらった。


「わぁあ!綺麗!ありがとう♪」


レインは受け取って直ぐに着けてくれた。


「この二つには新しい術を掛けたの。念話で話すには遠すぎるとき、お互いの気配をインプットしたから色を思い浮かべるだけで話が出来るよ。念話でも普通に声に出してもいい。私は赤、ソルテは黒、レインは桃色だから覚えてね。仕事中とか役に立つと思うから」


この世界にはまだこういったものは作られていない。そのため連絡手段は人や鳥などを使って手紙を届ける様式になっている。水鏡や水晶でで遠くを透視することは可能だが、声を瞬時に届ける物は開発されていない。


「…るーちゃん、何処でこいう物を思い付くの?というか、研究室作ってから更に物作りに清を出しているけどお店とか出すの?」


「ルーナが店を出したら絶対売れるだろうな…」


「うーん…今はいいかなぁ…これは趣味で作っているし、売りに出すときは兵器として使えないものだけにする!」


お店に関しては追々作ろうとは思っているけれど、ギルドの仕事と勉強でかなり時間が埋まってしまう為に余裕がない。だから余裕が出来次第、生活用品や女性が喜ぶ商品をいくつか既に開発していて後は量産するだけだ。


「それがいいな…それよりルーナ、我は旨い酒が飲みたい」


「あれ?アジトにあったストックはもう終わったの?」


「ああ、あれね!この前ソルテと飲み比べをしたら勝負がつく前にストックが切れちゃって……てへ☆」


「…………」


ストックしてあったお酒は確かに量はそこまでじゃなかったが、結構いいものを揃えていた。いいものは値が張るものだ…それを飲み比べで……ふふふ


「る、ルーナ?」


「え、何?ちょ、何かるーちゃん怖いんだけど…」


「…おまえら…ちょっとそこになおれ…」


その日は二人に説教をした後、折角だからお酒の作り方を覚えることにした。今後飲み比べをするときは高価な物を使わないこと、倉庫の量を確認してからにすることも約束させた。


「どうせなら色んな種類のものを作って、酒場を作るのも悪くない…」


こうしてやりたいことがまた一つ増えてしまい、私は更に時間に追われる事となった。



母は今のところ特に行動を起こしてはいないけれど、部屋から出ると必ず監視が付いてくる。部屋に結界を張っているため、ヴァネッサは部屋に入れなくて絶望した顔で毎朝出迎えてくれる。可哀想だが、念のため用心に越したことはないのだ。彼女が裏切らない、脅迫されないと限らないからである。そして、私の部屋は既に色々と改造してあるから人に見せられない事になっている…


「っルーナ様ぁ、どうしてお部屋に入れないのですかぁ?っう…ルーナ様を毎日起こして御召し物も着替えさせられると思いましたのにぃ…うわぁあん」


「…ヴァネッサ…着替えくらい自分で出来るよ…あと、部屋に入れるのは従者だけって決めてるから、ごめんね?」


「っう、うわぁあん!ずるいです~!何であの新参ものがぁ!ずるいです~!」


ここ数日毎朝同じやり取りをしていて、正直めんどくさくなっている。はぁ…


「あー、私お腹が空いてきたなぁ…」


「…っ、朝食の用意は出来てます!ルーナ様、食堂まではこの"ヴァネッサ"が案内いたしますからね!」


まぁ、この子はバ…単純だから話を逸らせば案外チョロいのである。


今日からいよいよマナーやダンスレッスン、その他諸々の勉強が始まるのだ。どこまで自分の勉強が通じるのかわからないが、一応此方に引っ越す前にお婆ちゃんの屋敷にあった資料や蔵書は殆ど読み尽くして暗記してある。あとは、実施してみるだけである!














読んでくださり有り難うございました!ブックマークや評価をして頂けると作者のモチベーションが上がります!(笑)これからもよろしくお願いいたします!

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