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黒い森 八

夜が明けて来た。テントの入口が少し空いている。その隙間から霧と朝日で森が白んでいる中で体を動かしている男が見える。


「おっ、起きたのか?おはようさん。よく眠れたか?」


私はこくりと頷く。


「そうか、それは良かった」


身体を動かした後、男は荷物をまとめていた。


「俺はそろそろ行かねぇとな・・・お前はどうする?」


どうする?分からない。自分の事だって確かではないのに何処へ行けばいいと言うの?


「行く場所、帰る場所はないのか?」


行く場所は・・・行きたかった場所はあった気がするそれが何処かは分からない。帰る場所は多分ない。だけれども始まりの場所は確かにあった。でもそこは私の帰る場所ではない。


「頷きもしないって事は帰る場所も目的地もないってことか・・・」


そう言うと男は私を急に持ち上げた。


「そうかなら一緒に行こう!一人も飽きてきたところだ。なぁに心配するな一人増えようが関係ねぇ。この戦場を乗り越えて一緒にお前の行く場所そして帰る場所を探そう」


一緒に?


「ソノラ、お前はまだ喋れねぇみたいだが大丈夫だ。心配するな。そんな事はなんとかなる。コツは未来と今を考えるんだ」


この人は一体何を言っているのか全く分からない・・・でも・・・


「さぁ行くぞ!!今日から俺とソノラの二人旅だ!」


男は私の方を向いてにっこりと笑った。


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