総合。
いつも、私より早く出社している大沢さんが、まだ来ていない。
佐々木君に聞いたほうがいいのかな。
あと5分程で朝礼も始まりそうだ。
いつものようにギリギリに谷さんが部屋に入ってきた。
大沢さんがいないのを見て、微かに笑った。
性格が悪すぎる。
私がムッとしているのを見て、なんでもないように聞いてきた
「大沢さんお休みですか?それとも無断欠勤?」
私が言い返す前に佐々木君が現れた。
「大沢さんは今日はお休みさせるから。三上ちゃん課長に言っといてくれる?
彼女、今日声が出ないんだ。」
声が出なくなるほど、ナニしたんでしょうか。
佐々木君。
「今は時間がないから、またお昼に。」
そういうと、颯爽と行ってしまった。
とっても清々しく、さらりと爆弾発言を。
斜め向かいの谷さんは悔しいのか
「なんで、佐々木君が。」
とつぶやいている。
朝礼が終わって佐々木を会議室に呼び出した。
昨日の事が気になったからだ。
「ちゃんと、誤解は解けたのか?」
「はい。正式に付き合う事になりました。」
素晴らしい笑顔で報告してくれた。
「昨日は、ありがとうございました。あのまま誤解したままになっていたらと思うとぞっとしますよ。」
佐々木は腕を組んで顔をしかめている。
「たしかに。谷さんだったけ。」
「はい。率先してるのが谷さんいるのグループみたいです。」
あぁ、あの仕事より合コンの派手軍団か。
「俺の奥さんの時のお礼もかねて、何かしないといけないよねぇ。」
何気なく言えば、
「田端課長もそう思いますか。俺も丁度そう思っていたところです。」
佐々木が同意した。
二人で顔を見合わせとニヤリと笑った。
朝起きたときに好きな人が一緒なのは、すこぶる良い。
大沢さんの寝顔を見ながら、そう思った。
ピクリとも動かず、眠る大沢さんの額に口付け、昨日はかなり無理をさせたなぁ。
今日は仕事は休ませないとね。
正式に付き合う事になったし、結婚するまで一緒に住む約束も取り付けた。
本当は結婚したいが、俺がまだ26歳で甲斐性が無いので仕方が無い。
家を出る前にもう一度寝室をのぞいたら、もぞもぞと布団の塊が動いていた
「おはようございます。大丈夫ですか。」
大沢さんが布団から顔を出すと
「いっ、あぁ」
一生懸命しゃべろうとしてるが、声が出ないようだ。
大沢さんの頭を撫でる。
今日は会社は休む事
食べ物と飲み物は、何でも食べていいから。
俺が帰るまで、ここにいる事。
言い聞かせて家を出た。
今日は家に帰ったら大沢さんがいると思うと、仕事も頑張れた。
谷さんたちへのお返しもしておいた。
それにしても、田端課長は敵に回してはいけないと思う。
次の日会社に行くと微妙な空気が流れてた。
どうしたんだろう。
「おはようございます。大沢さん。」
三上ちゃんがいつも通りに挨拶してくれた。
可愛い笑顔にホッとした
「おはよう。昨日は休んでごめんね。」
「大丈夫です。それより今日は髪の毛下ろしてるんですね。珍しい。」
「あっ、えーと、気分転換?」
「そうですか。似合ってますよ。」
ふふっ。と三上ちゃんが笑ったので、一緒に笑っておいた。
決して、赤い印を隠す為とは言えない。
更衣室を出るときに、いつもはギリギリの谷さんが来た。
目が合うと、ビックと肩を揺らして
視線を逸らされた。
怯えているようだ。
なぜ?
そして、机の上にはボールペン、ハンドクリーム、マグカップなどの新品が置かれてた。
これって。
「良かったですね。」
三上ちゃんはニコニコ笑っている。
彼女の机にもいくつか品物が乗っている。
佐々木君と田端課長の顔が浮かんだ。
ふんわりと心が温かくなった。
あぁ、私も主人公のようになれたのかしら。
思いつきで書き出したので、色々と不出来な作品ですが、
読んで頂いてありがとうございます。
誤字脱字等もたくさんあったと思います。
すみません。




