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異世界筋肉〜筋トレがしたいだけなのに異世界が放っておいてくれない〜  作者: プロテイン長田
第25章「聖統国決戦」前編

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第123話「今こそ悲願をなす時」

## 第123話「今こそ悲願をなす時」


### 【あらすじ】


 グラシオン王国、王都冒険者ギルドの一室。


 ガルデン、セリオ、ギルデス、グラートの四人が集まる。


 聖統国の転生勇者に復讐を誓う彼らは、千載一遇のチャンスを逃すまいと決起する……。


### 【本文】


「ギルデス、確かに彼らは聖統国に入ったのですね?」


「ああ、間違いない。奴に渡した剣、その魔水晶を追跡できるようにしたからな」


「ガッハッハ!やるじゃねえか!」


「我々の正体をバラした失態は消えませんからね?」


「まぁそう言ってやるな。で、このあとはどうするんだったか?」


「おそらく……聖統国は彼らを捕捉した上で殺そうとするでしょう」


「そりゃ間違いねえな。それこそ、今死闘の真っ最中かもしれん」


「……というと?」


「“グラヴィス・ブレイド”の魔水晶に魔力が注がれてやがる。それもとんでもない量」


「なっ……!? ギルデス!そういうことは早く言いなさい!」


「あぁ……? それならそう頼んでくれよ」


「全く……あなたたちは……」


「ってことは、あの兄ちゃんたちと聖統国の戦いが始まったのか?」


「おそらくはな……場所は……聖座宮じゃねえな。聖都からもまだ離れてやがる。だが――注がれたこの魔力量を考えりゃ相当やり合ってるはずだ。下手すりゃ聖都は手薄になってるかもな」


「……行くなら今しかないですね」


 セリオは覚悟を決めるように言う。


「我らが友、伝説となった勇者の仇を討つと決め、トレヴィルで行動を開始してから随分と長い時が過ぎました。それこそ、あんなに小さかった幼き剣士が、立派に新たな勇者の肩書きを背負うほどに」


 セリオのその言葉を、グラートはただ黙って聴く。


「当初の予定とは大きく軌道修正を余儀なくされましたが、彼女はしっかりと我々の役に立ってくれたようですね」


「……行くか」


「ええ。覚悟はいいですか?ギルド長、仕事を放棄して発つんです。もうここには戻れませんよ?」


「わかってる。元々ギルド長なんざガラじゃねぇんだ。せいせいするぐらいだ」


 ガルデンは自慢の斧を担ぐ。


「ギルデスさんも、あの工房には戻れないと思ってくださいね」


「そいつは惜しいな……だが、奴らの命には変えられん」


 ギルデスは大型の槌を持つ。


「グラートさん。あなたは……以前から我々のやり方に否定的なのは理解しています。資金繰りのために奴隷を集め、パンデム商会の目を盗んで売買する。その過程で発見した勇者の素質を幽閉し、我々の切り札として育成するのも……」


「私の願いはただ一つ、転生勇者への仇討でございます」


「……そうですか、どのように考えるのも自由ですが、作戦の邪魔だけはしないようお願いしますよ」


 グラートは黙って立ち上がり、机に置かれた剣を腰にさす。


「ではギルデス、転移門を」


「あぁ……全く、人使いが荒いぜ。一人で国境の山奥まで行かせて転移門設置なんざ……使い所があったからいいが――」


 ギルデスは文句を言いながら転移門を展開する。


 本来であれば大量の魔水晶を消費する大技。個人の魔力でここまでの長距離転移を実現するのは、文字通り離れ技である。


 今こそ悲願をなす時。


 伝説をその名に冠するパーティーが、聖統国に入る。

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