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定休日

日曜日。今日は定休日だ。金曜と土曜日のプレオープンはなんとか乗り切った。


ここはバイキングレストラン「カレー大好き」。わたしはシェフのカレーマスター(料理人)のマイ。店長の神人かみとこよりくんに拾ってもらったカレーが大好きな十九歳。


この世界の女は、結婚も出産もほとんどが十五歳で経験する。それでも中には自分のやりたいこと、生きがいや目標を優先し、この年齢になる女もいた。わたしもその一人。


もちろん女にも性欲はある。男性に興味がないわけでもない。健康な女子だもの。結婚は無理でも子供は欲しかったな。わたしのカレー知識と技術を残したい。


いまはたぶん店長に恋してる。あの人はカレーにも造詣が深い。尊敬できる人。カレー狂いと呼ばれるわたしでさえ知らなかった「東洋のウドン」や「トンカツ」を教えてくれた。あの人との子供ならきっとカレーの天才になる。


今日は店の二階の自室で明日のメニューを考えていた。今週いっぱいはオープンと同じメニューで行く。まだ食べていないお客様も多いから。


実はまだ試していないカレーを美味しくする方法があった。それはカレーにお酒を入れること。アルコールの力なのか、一晩寝かせたようにまろやかなコクがでる。


あ、アルコールは飛ぶから子供が食べても大丈夫。


同僚のミコトさんとメイさん姉妹から東洋のお酒「日本酒」をいただいた。お休みなので味見をしてみよう。


くぴ。一口飲んでみた。あら美味しい。これは飲みやすいわ。くぴくぴ。あらあら。くぴくぴくぴ。あらあらあらどうしよう。止まらないわ。


■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


コンコン


「マイ。明日のメニューについて相談にきた」

「ろうぞー」


なんか呂律ろれつが回ってないぞ。大丈夫か。


ガチャ


「う、酒くさい」


日本酒の一升瓶が転がっていた。これが原因か。マイが床に倒れている。ドアを閉めて、マイを抱きおこす。


「大丈夫か、マイ」

「あ、店長らぁ」


だめだこいつ。早くなんとかしないと。


「そうか、夢なんすね」

「おーい、現実だぞー」

「それなら好き勝手やるっす」

「口調まで変わってるぞー」


ぶちゅううううう


マイがキスをしてきた。この酔っぱらい。酔うとキス魔になる系か。


「しっかりしろマイ」

「好きっす」

「!!」

「こよりさんの子供がほしいです」

「お前は酔ってる!」

「まあまあ、天井のシミでも数えていてください。すぐ終わるっすから」

「それ襲う男のセリフ!!」


ァーーーーーーー


今日は定休日だ。このあたりは冒険者ギルドをはじめとしたお役所が集中している。だから日曜日は極端に人の姿が減る。


客が少ないのに店を開けても食材や人員の無駄になる。そのためバイキングレストランの一号店も二号店も定休日になった。休みがあるのはいい。


わたしはメイ。姉のミコトとこのカレー大好きで案内係をしている。ようはウェイトレスだ。東にある忍の里からでてきて、強い男の種をもらうために旅をしてきた。


「メイ」

「ミコトお姉ちゃん」

「どこに行くの」

「マイに頼まれた日本酒を買ってきた」

「カレーに入れるのね」

「みたい」


マイはカレーの天才だ。いや努力家と言っていい。カレーが好きでカレーに恋をしている。きっと男なんて興味がないんだろうな。


コンコン


「マイ。日本酒を持ってきたよー」


ガチャ


「クッ!!!!」


していた。こより様とマイがいたしていた。マイが達したのだろう。こより様の上に倒れて折り重なる。馬にまたがる姿勢だった。


「騎乗位だよ、お姉ちゃん」

「あ!ミコト、メイ。これは」

「ちょっとエミリアさんに報告してきます」

「わたしもレミリアさんに伝えないと」

「ちょ、待って!!」


焦っているこより様にくるりと振り返る。


「「旦那様」」

「はい」

「毒を食らわば皿までをご存じですか」

「はい」

一蓮托生いちれんたくしょうも知ってますよね」

「はい」


ニコリと笑って後ろ手にドアを閉める。


シュル


これからする行為に服は邪魔だった。


はい異世界シニアです。


定休日なのにまったく休めない定休日をお届けしました。


次回、異世界バイキング。三号店の鼓動。


キミは刻の涙をみる。


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