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フローラVS神官アリア

 神官アリアの前に、紅茶色の髪と翠緑色エメラルドグリーンの瞳をした猫神族が立っていた。


 フローラは戦斧の先端にある槍を地面に突き刺した。

 戦斧を使うと殺傷してしまう可能性があるので、素手で闘う事にしたのだ。


「獣ごときが私に勝てると思わない事ですね~」


 神官アリアが、フローラを見下した視線を送る。


「にゃー! 人の事をそんな風にバカにしちゃダメ! お父さんとお母さんから、『人をバカにしちゃダメ』って教わらなかったの?」


 フローラが、諭すように怒る。


「獣人ごときに礼節を守るようには両親には教わりませんでしたよ~」


 神官アリアが、嘲弄する。


「獣人って……、私は正確には猫神族だにゃー」


 フローラが、指摘する。


「ね、猫神族?」


 神官アリアが、驚愕した。 

 猫神族は猫神という神の末裔と言われている。

 人間よりも遙かに高貴な存在であると、聖教教会で認定されている希少種だ。


「馬鹿な……。猫神族が、こんな所にいる訳がありません~」

「ところがいるんだにゃー」


 フローラは胸を張る。


「ふん。虚言は私には通じませんよ~。さあ、死になさい」


 神官アリアは、


「『浄化ピロフィケーションファイア』」


 と唱えた。


 50人の人間をまとめて焼き尽くすだけの火力を持つ魔法が、フローラめがけて襲い掛かる。


 だが、フローラは一瞬で回避した。


 そして、あっと言う間に距離をつめて、神官アリアの横に出現する。


「ふん!」


 フローラは手加減して、神官アリアにデコピンをしようとした。


 嫌な女の子だけど、女の子は女の子だ。 


(手加減しないといけないにゃー)


 と、フローラは考えていた。

 フローラのデコピンは、並の人間なら気絶するくらいの威力がある。


 だが、フローラのデコピンは弾き返された。

 神官アリアの肉体がいつの間にか、白い魔法光でおおわれていた。

 その光にフローラのデコピンは弾き返されたのだ。


「うにゃ! 弾かれた」


 フローラは警戒して距離を取る。


「無駄ですよ。この『ホーリーなる防壁ガード』は、貴女ごときでは破壊できませんよ~」

「う~ん。どうしようかにゃー? 確かに素手で破壊するのは難しそうだねー」


 フローラは、腕を組んで考えた。


「貴女のようなお馬鹿さんは、考えるだけ無駄ですよ~」


 神官アリアが、笑声をあげる。


「フシャー! 私は確かにお馬鹿さんだけど、本当の事を言われると腹が立つよ!」


(なんて嫌な子だにゃー)


 フローラは憤慨した。

 そして、ふと気付く。

 神官アリアの後ろに大きな岩がある事を。


「やった! すごいアイデアを思いついたにゃー!」


 フローラが明るい声を出し、いきなり走り出した。


 フローラは神官アリアを迂回して、巨岩にむかって走る。


 翠緑色エメラルドグリーンの瞳の猫神族が、巨岩を目指している事に神官アリアが気付く。


「バカな事を! 貴女の考えなどお見通しですよ~!」


 神官アリアは、手をフローラめがけてかざした。


「その巨岩を私に向かって放りなげるつもりでしょう~?」


 神官アリアが呟く。


(あんな巨岩を持ち上げられるわけがない。やはり、愚かな獣です~) 


 神官アリアは、浅はかな考えをもつ獣人を笑った。


そして、『ホーリーなる防壁ガード』を解除して、攻撃魔法を詠唱しようとする。


「引っ掛かったにゃー♪」


 その時、フローラが突如反転して神官アリアにむかって疾走した。


 まるで瞬間移動のように、フローラは神官アリアの背後にまわり、彼女を後ろから羽交い締めにした。


 フローラのあまりの速さに、神官アリアは目で追う事ができなかった。


「やっぱりだにゃー! 貴女のバリアーは、攻撃する時は解除するんでしょ? そうしないと攻撃魔法を撃てないんだにゃー」


 フローラに、後ろから羽交い締めにされた神官アリアは、恐怖で身を凍らせた。


 紅茶色の髪の猫神族の力はあまりに強く、神官アリアは微動だに出来なくなった。


「そして、私が至近距離にいると、バリアーを張れないんでしょ?」

「な、なぜ分かったのですか~?」

「直感♪ 私は直感だけは鋭いんだにゃ~♪ そりゃ!」


 フローラは神官アリアをお姫様抱っこすると、いきなり空中に投げた。


「ぎゃああああああ!」


 神官アリアの身体がボールのように空にむかって飛ぶ。


 20メートル以上も上空に飛んで、当然ながらその後、重力に引かれて落下した。


「ひえええええっ!」


 神官アリアは泣き叫んだ。

 地面に衝突して死ぬ。

 そう確信した。


「よっ♪」


 ボフっ! と音がした。

 フローラが優しく神官アリアを抱き止めたのだ。

 さすがにこれだけやれば、戦意を喪失するだろうとフローラは思った。


「さて、え~とアリアちゃんだっけ? ちゃんとカインに謝ってね?」


 だが、神官アリアは無言だった。

 恐怖のあまり神官アリアは気絶して、白目をむいて舌を出していた。

 口から泡を吹いており、女の子としてアウトな顔をしている。


「うにゃー、やりすぎたかな?」


 フローラはそっと神官アリアを地面に寝かせた。

 まあ、いいか。


「結構悪口も言われちゃったし、どこも怪我をしてないから大丈夫だにゃー」  


 それにカインの悪口を言った子らしいから、良いよね♪


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