表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神が創りしこの世界  作者: 小林マコト
苦しい一週間
5/45

4月15日 月曜日


 昨日飲んだ薬が効いたのだろう。足はまだ動かないけれど、腕は動くようになった。

 多分、腕はまだ治りやすかったのだと思う。足は一昨日から動かなかったから、まだ時間がかかるのだと思う。


 今日は平日で、普段ならば大学へ行っているはずなのだが、足が動かない状態では行くに行けない。

 ミサイドがくれた薬は、これから毎日飲まないといけないらしい。

 一日でも欠かせば、薬は効かなくなってしまい、昨日のような事態に陥るという。


 昨日から、ある感覚が私を襲う。

 私の体が私のものではなくなっていく感覚が。

 自分の体であるはずなのに、自分で動かすことができないのは、とてももどかしい。

 それに加え、このだるさ。


 気分が悪い。

 吐き気がする。


 この眼で見ているはずのものが、ぐるぐると脳内でまわる。


 ぐるぐると。

 くるくると。

 それに酔って、私は体の感覚を手放すのだ。


 これは私の体ではないと。

 これは私の感覚ではないと。

 私の中の誰かが――私の中の、何かの記憶が、そう言っている。


 それに対して私という自我は、これは私の体だ、これは私の感覚だ、と叫び続けるのだ。

 そんな証拠、あるわけないのに。


 きっとそれを証明できるのは、創造主だけなのだろうし、私のような愚かな人間如きには、分からないのだ。

 分かってはいけないのだ。


 まわり続ける頭の中で、今日はミサイドに会っていないな、とのんきに考えてみる。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ