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聖輪奇聞・転生記!~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
神を導きし救世主!
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波乱の展開?あいつが死ぬはずない!!

封印の洞窟から抜け出した三蔵は、座主と邂逅した。


そこで三蔵は座主が女であると知った。


三蔵と座主!その出会いは新たな物語への序章であった。


俺は三蔵だ…


俺は座主と名乗る女の部屋から飛び出した後、

再び俺の目の前に四人の男達が立ちはだかったのだ。


「てめぇ達!」


「何故、お前がここにいるんだよ?どうやって結解の牢屋から抜け出しやがった?」


「誰が教えるかよ!」



俺に突っ掛かる金髪の野郎は中指を立てて挑発する。


「殺すぞ!」


「やれるもんならやってみやがれぇ!」




その瞬間、俺の背後から気配を感じたのだ。


「!?」


油断した。

俺は背後から首根っこを掴まれて吊るされたのだ。

その男は体格のゴッツイ男であった。


「はっ…離せ!こら!」



さらに蛇塚が頭を殴られる?


「いってぇ~!えっ?俺もっすか?」


「お前達!いい加減にしないか!」


「だってぇ!三千院さん!」


「確かに三蔵は問題児だ!しかし我々には勤めがあるだろ?」


「チッ!」



金髪僧侶の蛇塚はどうやらこの中では下っ端のようだ。


「勤めだと?ふざけるなぁ!俺は俺の好きなように生きる!誰にも縛られない!誰にも俺は止められない!」


俺は吊るされたまま真言を唱える。


こいつ達は面倒だ…

一気に片付けてやるぜぇ!



「ナウマク・サマンダ・バザラ・ダン・カン!」



俺の身体から不動明王の業火が噴き出すと、堪らずに俺の首根っこを掴む手を放す大柄の男。

俺は着地するなり振り返ると、


「てめぇら!ムカつくんだよぉー!」



印を構えて警戒する。



「三蔵!俺達は神の魂を宿わせた仲間だ!同志なのだ!」


「同志だぁ~?笑わせるな!俺に仲間などいらん!」



リーダー格の赤髪の男に言い切る俺に、大男が呟く。



「仲間がいらんとは寂しい奴だ」


「だが、少しお灸が必要だな!」



どうやら俺を甘くみているようだな?

だったら痛い目をみせてやる。



「さっきから聞いていれば俺を見下して話すのはやめやがれぇ!」



俺は業火を四人の男達に向けて放ったのである。

しかし四人の男達は念を発気させ俺の炎を打ち消し難無く凌いだのだ。


「くそぉ!こいつらぁー!」




更に俺の右手から炎の剣が出現する。

それは神の力をも打ち消す『降魔の剣』である。

俺の剣から炎が迸りながら渦を巻き上げる、



「凄まじい力だ…」


「それだけに惜しいな?」


「皆!この聞き分けのない者を捕縛するぞ!」



赤髪のリーダー格の男の指示に他の連中が気を合わせたのだ。



『明王陣・神魔捕縛陣!』



奴達の身体から光の柱が放出されていく?

すると光の縄が飛んで来て俺の身体に絡み付いて来たのである。


「何だ?こりゃあ~!ほどけねぇ~!」



さらに光の縄は俺の出した炎を消し去り、俺の身体を巻き上げ吊したのだ。


「くそぉ!くそぉ!くそぉ~!」



奴達の縄が俺の身体を締め付けて、どんなにもがいても身動き出来なく、次第に力を奪われ身体中に電撃のような痺れが走り、再び気を失ったのだ。


くそぉ…

負けてばかりだぁ…


倒れた俺を見下ろす四人の男達。








気絶させられてどれくらい経っただろうか?


俺は…


「俺は…負けてねぇーぞ!」



俺は目覚めるなり飛び起きた。

そこには俺を捕らえた四人の男達と、再び顔を隠した座主が揃っていたのだ。


「くっ!」


俺の身体は縛られて自由が効かないし力も入らない。



「てめぇ達!俺を怒らせる前にこの縄を解きやがれぇ!」


「捕まっておいて、よく吠えるな?」


「お前達…」



やはりあの金髪野郎はムカつく。



「聞け!三蔵。私の名前は三千院!そこの体格の良い男は大徳…金髪の男は蛇塚、銀髪の男はバサラだ!俺達はお前と同じく明王の魂を身に宿す同士だ!」


「!!」



三千院、大徳、蛇塚にバサラ?

それに俺と仲間だと?



「お前と同じだよ!なぁ?不動明王・三蔵」


「うるせー!俺は不動明王なんかじゃねー!」


「まぁ…良い…」



三千院は俺をどうしても巻き込ませるつもりか?

そんな事に俺を勧誘するなよ!

そこに女の声が割って入る。



「三千院、挨拶は終わりましたか?」


「座主様!表に出られたら正体が!」


「構いません!それに、もう三蔵は私の正体を知っております…」




座主は顔を覆っていた被り物を取り、その素顔をあらわにする。



「それは、どういう?」


「へへへ…」



俺の下卑た顔に蛇塚が食って掛かる。


「てめぇ…座主様に何かしたんじゃないだろうな?」


「まぁ~俺とそこの姉ちゃんとの秘密だよな?座主ちゃんよ!」


「…………」



座主の女は無表情でいた。


(チッ!澄ました顔しやがって!なんか、ムカつくぜ!)



「改めて挨拶をさせて戴きます。私はこの総本山の主…座主の地位を与えられし長!『卑弥呼』と言います」



「卑弥呼?えっと…卑弥呼って…確か…邪馬台国の巫女とかいう…お前も転生者か何かか?」


「残念ですが私は転生者ではありません。私の名は先代より長く『卑弥呼』の名を受け継いでいます」



そこに三千院が卑弥呼に忠告する。



「卑弥呼様…あんまり自分の事を話すのは…」


「構いません。三蔵は私達のかけがえのない仲間なのですから」


「仲間だと?ふざけるなぁ!俺はまだお前達の仲間になるなんて言ってねぇぜ!」


「三蔵…お前はある星の下に産まれた…天に、神仏によりその運命を世界を救う救世主として運命付けられた人間なのです。神を導く救世主として」


「あん?何度も言うけど俺には関係ねぇ!世界がどうなろうと!世の中変わろうと、俺には関係ねぇと言っているんだよ!」


「三蔵…貴方は幼少の頃より並外れた力を得て、確かに他の人間達とは違う運命にありました。特別な存在であるの事は気付いているはずです。しかし、それはこの場にいる全ての僧が同じなのです。産まれながら神通力を得て産まれた子供達は親元から離され、この山に連れて来られて妖魔退治を運命付けられます」


「………」


「ただ、貴方はその中でも『特別』な存在なのです」



「だから何だって言うんだよ?特別だ?俺に何をどうしろって言うんだよ!」



「三蔵!貴方にはいずれ…底知れない神々の戦いを左右する運命が待っています。それが今日なのか数年先かは解りません。だから、貴方にはそれまでに力を付けて欲しいのです!救世主としての力を!」


「はっ?何を言っているんだ?神々の戦いだ?馬鹿かあんた!マジで言っているのか?」



「貴方も見たはずです!ネクロノミコン(聖書)の予言の記憶を」





確かに…


ここに連れて来られた時に、この卑弥呼って女から変なビジョンを見せられた。




「だからって!そんな神かなんかの戦いに俺が関係するなんて、ありえんだろ?それに言うけどよ~俺はもう強いぜ!」


「そのザマでよく言うな?」


「さっきは不覚をとっただけだ!見てろ!」



俺は霊気を高める…

神力が高まり、力付くで縛られている縄を引き千切ろうとする。



「馬鹿か!俺達四人で張った捕縛陣だ!貴様一人の力で、どうこうなるか!」


「いや?良く見るのだ!」


「えっ?あっ…あ!」




俺の身体から凄まじい勢いで霊気が高まる。


「ウオオオオ!ウォリャアアアア!」



俺は極限にまで高めた霊気で、俺を拘束していた捕縛縄をぶち切ったのだ。



「ハハハ!どうだ!」


くらっ…


「あれ?あれれ?」



頭がクラクラする?


ヤバい…


縄を破るために力を使い果たしてしまった。


俺は膝を付き息を切らす。



「あの野郎!マジにやりやがった!」


「末恐ろしいな…」


「まったくだ…それだけに期待も持てる」


「あぁ…この男なら…」




蛇塚に大徳、三千院にバサラが俺を見ていた。

俺は奴等を見上げながら、



「さっきから何をコソコソと話してやがるんだよ?何が何だか分からないが俺は俺の好きなように生きる!てめぇら達の思い通りにはならねぇよ!」



俺は立ち上がり、それだけ言って手を振りながら、



「じゃあな!オサラバだ!」



何事もなかったかのように、この場から立ち去ろうとする。

ちゃっかりと…



「行かせて宜しいのですか?」


「………」



その時、隣の部屋より座主を呼ぶ声が聞こえて来たのだ。



「座主様!緊急にご報告があります!」


「何用だ?今は大事な話をしておる!」


「それが…例の遺跡の封印の件で緊急の報告があります!」




すると卑弥呼は再び顔を隠し、男を部屋に呼び込み報告を聞く。

中に入って来た男は、全身傷付いた男を背負いながら入って来た。

俺はその男達とすれ違いながら、部屋を出て行く。


「俺には関係ないし、ここは変な事件に巻き込まれる前に退散しましょうかね~」




俺が早々に部屋を出ようとした時、男達の声が聞こえて来たのだ。


「その身体いかにした?早速報告を述べよ!」



傷付いた男は座主の前に平伏した後、事の全てを話し始める。


「座主様!例の遺跡の件でございます」


「それで?」


「遺跡に出向いた戦闘僧侶…私残して全て…戦死!」


「なっ?何があった!?確か、その任務には阿部晴明氏が出向いていたはずだが?」





ちょ?ちょっと待てよ??


阿部晴明…晴明がどうしたって?


俺は聞こえて来た晴明の名に立ち止まっていた。

そして、傷付いた男の口から衝撃的な言葉を耳にしたのだ。




「晴明氏もまた…私を…私を逃がすために…私の目の前で…」


『戦死…戦死なされました…』





な…なんだとぉ…?


今…何て…?


何て…言ったんだ…?


あの…強い晴明が…戦死だと?ありえねぇー!!






俺は再び部屋の中へ戻ると、その傷付いた男の胸ぐらを掴み上げる。



「どういう事なんだ?てめぇ!何をデマ言ってやがる!ふざけんじゃねぇぞ!!」



周りの連中が俺を抑えつけようと向かって来る。

俺は暴れながら叫んだ。




「俺をそこに連れて行け!今すぐにだぁー!」



俺の運命が動き始める。

次回予告


三蔵「何があった?遺跡?晴明がどうしたって?


まったくもって意味がわかんねーぞ!!


とにかく俺をそこに連れて行きやがれー!!


邪魔する奴は、


ナウマク・サマンダ・バザラ・ダン・カン!


なんぴたりとも俺を止める事は出来ないぜ!!」

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