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第180話 盗賊団殲滅作戦

 ディアナは、グラディウス領とリンドバーグ領の間にある、グラーツ領のダンジョンに潜る事にした。

 理由は、グラーツ領にもバスを開通させ、グラディウス領の端からリンドバーグ領やストラトス・トルク・ビーツ領の端までを繋いでしまいたいからだ。 

 グラーツ領の領都グラーツは、三方を山に囲まれた盆地にあり、その山には小国群から入り込んだ盗賊団が点在してアジトとしていると云うもっぱらな噂だ。しかも、その小国群がディアナの働きでルーキウス王国の一部となったために、盗賊団が逃げ場を失い領都にまで版図を拡大させつつあるとの噂もあった。


 「ダンジョンに潜る前に、盗賊団をなんとかしないと」


 飛翔魔法で上空からグラーツ領全体を見てマップを作り、探索スキルで盗賊団のアジトらしきものを10個確認した。アジト1個につき、30〜50人の生体反応があった。


 「多いな…」


 周囲を山で囲まれているせいで防衛も難しかったのか、かなりの大所帯な上にアジトの数が多かった。

 しかも、その内のいくつかは身体能力が高い獣人族がいると探索スキルが告げていた。

 一気に殲滅したいところだが、一人だと各個撃破がやっとだ。グラーツ領軍を動かせば、察知される恐れもある。ルイス達を呼ぶか、ベアトリーチェ達を呼ぶか迷った。いっそのこと、結界に閉じ込めてから軍を動かすか。

 一度王都に戻り、宰相を通じて軍務卿に相談する事にした。


 「グラーツ領が、そんな事になっていたとは…」

 「防衛が難しい土地ですものね…」


 軍務卿や魔法師団長を含めた軍務会議が開かれた。その場に、ミハイル達クリエ・グラディウス家の面々とゼノン殿下一行にベアトリーチェと沙織も加えられた。

 だが、肝心のグラーツ領主は呼び出しに応じず、不参加となっていた。


 「まず、私が結界を張って逃亡を阻止します」

 「そこを、10の部隊で一斉に殲滅すると云うわけだな?」

 「そうです。軍務卿には部隊の編成をお願いします」

 「承知致しました。チームを優先しつつ、獣人族相手には強い部隊を当てるように手配致しましょう」


 参加要員総勢300人にも及ぶ人員が、グラーツ領に集まった。その間、ディアナは盗賊団のアジトと周辺5kmの範囲を結界で覆い、中から外に出られなくした。

 各部隊に回復魔法が使える者を3人と捕縛が出来る魔道士を3人入れた30人のチームが10個作られた。


 「では、これより殲滅作戦に入る!」

 

 殲滅作戦開始の合図である花火が打ち上げられた。

 結界に閉じ込められた盗賊達も、何事かと一斉に空を見上げた。盗賊達の多くは、自分達が結界内に閉じ込められているとは気づいていなかった為に、花火に気づいて慌てて逃げ出そうとしても、混乱して右往左往した挙げ句に呆気なく殲滅された。

 最も早く殲滅させたのがクリエ・グラディウス家の者が配属された2部隊で、獣人族すらも相手にならなかった。

 その中で、最も抵抗が激しかった盗賊団アジトがあった。やはり獣人族を頭とする盗賊団で、中には魔族もいるようで強力な魔法で殲滅部隊を圧倒しつつあった。


 「殿下!」


 虎の姿の獣人族に弾き飛ばされたゼノンを、沙織が回復魔法を使い支援した。その一方で、沙織は光魔法で敵を10人程倒す。


 「殿下、結界のバングルをつけて下さい!」

 「そうだな…いつまでもディアナに頼っていてはいけないと思って外していたが、どうやらまだ必要らしい」


 ゼノンの苦笑いを見た沙織は、胸が締め付けられるような感覚を覚えた。


 「頼って何が悪いんです?仕方ないじゃないですか!そんな意地張ってたら、死にますよ!」

 「さ、沙織…結構言うなぁ…」

 

 沙織に尻を叩かれたゼノンはバングルを装着し、また獣人族達に向かっていった。

 約1時間後、全ての部隊が殲滅を終え、怪我人の治療や捕縛できた盗賊達の移送を始めていた。


 「獣人族に魔族もいたようだな」


 ミハイルが軍務卿に駆け寄った。


 「私の采配ミスだな…」

 「だが、殿下は無傷だ」

 「ああ、それだけが救いだ」



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