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第172話 その後のネイサン王国

 「またしても、ディアナに助けられたな。ゼノンを救出してくれてありがとう。心から礼を言う」

 「いえ、自分に関係した事ですから。それよりも、このあとの司法裁判の方が気がかりで…」

 「あ、それなら開催はされない事が決定した」

 「は?なぜですか?国をひとつ潰したんですよ?罪のない人も巻き込んでるのにですか?」

 「ああ、それなんだがな…」


 あの事件の2週間後、国際司法裁判所のあるスベンに各国の国王が招集されたらしいのだが、メディナやサント・アンジェ、リベラ共和国やキリル王国、他の小国群が揃って今回の件は不問にすべきと言い出したのだと言う。

 それは、あの結界が完全にシャーメンを抑え込んでいることで、侵略戦争を起こせなくなったからというのが最大の理由らしい。

 あの一件以来、度々アーダルベルトが結界の様子を見に行っているらしいのだが、シャーメンには外からも結界内に入れず、内側からも結界の外に出られなくなっているというのだ。


 「更に、ネイサンでは面白い事になっているそうだ」

 「…?」

 

 ネイサンに張られた結界はそのままだが、日々中のブラックホールが小さくなって行き、巻き込まれた罪の無い国民をブラックホールが吐き出しているのだと言う。


 「は?いや、そんな都合のいい話あるわけが…」

 「嘘だと思うなら見てみろ。私や他国の国王はアーダルベルト殿に連れられて、見てきたぞ。だから、ディアナ、お前は罪の無い者を一人として殺していないのだ」


 飛翔魔法を使ってネイサン王国のあった場所に行ってみた。結界はまだ強く残っていた。だが、ブラックホールは宮殿があった場所に、5メートル程の球体で残っていて、丁度中から村人らしき人が一人ポン!と吐き出された。そして吐き出された人は首をひねりながら、「いったいなんだったんだ?」と云う風に歩いて行った。もしかして?と思い鑑定を使ってみると、その辺りにいる人から国王や皇太子に関する記憶が失くなっていた。


 「見たか?」


 声の主はアーダルベルトだった。


 「皆の記憶から、国王達の記憶が抜けています」

 「ああ、どうやら記憶の再編を行ってから吐き出してる様だ」

 「国王やイスラ達が出てくる事もあるのかな?」

 「どうだろう?もし、出てくる事があっても何の記憶も持っていないかもな。メラニアが言っていたが、ディアナが魔法やスキルで作ったものは、ディアナの真意に沿って動き、ディアナの望む形になるそうだ」

 「じゃ、ホストAIの進化も…?」

 「ああ、そういうことらしい」

 「今後、ネイサンはどうなりますか?」

 「司法裁判所では、ルーキウス王国の一部として統治すべきとの声が多かったが、人種的文化的によく似たアスタナ国の管理下に置かれる事になったよ」

 「そうですか」

 「ま、結界が無くなるまでは、どうしようも無いがな」

 

 アスタナ国とは、ネイサン王国の東側にある小国で、かつてネイサン王国の一部だった。

 百年程前に王族の圧政によりクーデターが起こり、ネイサンから独立した国家である。 

 国を覆う結界については、アーダルベルトが一日置きに状況を確認しているというので、合間をディアナが経過観察する事にした。

 それから、ディアナはメディナやサント・アンジェ、ローザリア、それ以外の小国群に出向き、各国の王に大事を起こした謝罪と司法裁判所での不問結果の礼に廻った。


 「驚きはしたが、よくやってくれた!」


 大半の小国群がシャーメンからの侵略の危機に晒されていた為に、諸手を挙げての賛辞を向けられた。

 だが、一方ではディアナに対して恐怖心を抱く国も現れた。それがルーキウス王国と繋がる大きな半島の国家、ヴェッテルン王国だ。ヴェッテルン王国は、ルーキウス王国との国境警備をこれまでより強固なものにした。



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