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第104話 ローザリア潜入

 「ん?それって資材が無くても、物が作れるって事?」

 「うん、そうみたい。でも魔力をごっそり持って行かれてさ、気を失っちゃったよ」


 バーゼルの検問所で順番待ちをしている間に、『創造スキル』でバスを作った話をした。

 資材を用意した上で錬金術スキルを使って物を作る場合、消費魔力は100〜200程度。

 しかし、『創造スキル』を使って物を作る場合、持っている魔力の全量と引き換えに、資材を全く用意せずとも思い浮かべた物を創り出す事ができる事がわかった。


 「私達みたいに魔力量が豊富じゃないと出来ない力技ね?」

 「だね〜。でも、これで大抵の物が作れるとわかったから、アレも作りたいんだよね」

 「アレ?」

 「スマホとかタブレットとかPCとか…」

 「ああ、確かに。素早く安全に連絡が取れる手段があったら、バーゼルの事件は防げた事だものね」


 バーゼルの検問所を抜けると道が分かれている。右に道なりに歩けばサント・アンジェの検問所が有り、左に道なりに歩くと、ローザリアの検問所がある。5分程歩いてローザリア王国の検問所に到着した。ギルドカードと云うのは非常に便利な物で、大抵の検問所は何の調べも無く素通り状態だ。入国税や入街税も免除される。だが、ローザリア入国時に「入国税として銀貨3枚」を徴収された。


 「入国税は取られたけど、検問自体はゆるゆるじゃない…」


 だから、盗賊団などが冒険者を騙って往来するのだろう。新しい鑑定具と国境の新砦のおかげでルーキウス王国の安全は確保できそうだ。


 「ローザリア入国!」


 検問所を出て一歩目を踏み出した。ローザリアの首都ノーブルまで乗り合い馬車で約1日かかるらしい。途中に宿はなく、野宿となる事がわかっていた。

 馬車には、背負子を背負った行商人らしき者が二人だけだった。


 「ローザリアに向かう人って、多くは無いのね」

 「西側や他の大陸からルーキウスを目指す人達の通過点でしか無いからですな。入国税も高い」


 目の前に座っていたちょっぴりメタボな行商人が答えた。


 「それ!冒険者ギルドのカードを出しても入国税を取られるとは思わなかったわ!」

 「私達の持つ商業ギルドカードでもとられます。通過点だからこそ、入国税で稼ぐ他無いのでしょう。他の国ではありえません」


 ローザリアは四方を山に囲まれた盆地にある国だ。ほぼ自給自足の生活だった国に、大きな3つの街道が出来たのは50年ほど前の事。その大きな街道は、1つは別の大陸に、1つはサント・アンジェに、最後の1つはルーキウス王国のバーゼルに繋がっていた。国自体を交通の要所とし、宿泊施設やレストランといった繁華街と売春宿や呑み屋といった歓楽街の2つを設ける事で、税収をあげているのである。


 「賭博場もあるらしいですよ」

 「なんだか、ラスベガスとかに似てるわね」


 ベアトリーチェがボソッと言った。

 途中、ウォーウルフの群れに遭遇した。


 「任せて!」


 ベアトリーチェが馬車から飛び出した。

 

 「だ、大丈夫なんですか?女性一人で」


 行商人の一人が震えながら聞いてきた。


 「大丈夫ですよ、ほら」


 ベアトリーチェは氷魔法一発で20体ものウォーウルフを倒し、インベントリに収納し戻って来た。かかった時間は、3分程度だった。

 日が暮れ始め、野営地用に作られた広場に馬車を止め、火を起こす。広場には徒歩で移動中の冒険者達の姿もちらほらあった。ディアナは、インベントリから作り置きしていた野菜たっぷりスープやパン、サイコロ状にカットしたオークステーキを取り出した。


 「どうぞ召し上がって下さい」


 馬車の御者と二人の行商人に手渡した。


 「野宿でこんなに立派な食事がいただけるとは有り難い」


 と受け取ってくれた。

 夜は、結界を張って休みたかったが、他の冒険者の目もあるので、ベアトリーチェと交代で見張りをすることにした。



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