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第一王女を探さないで〜隠された愛と男装王女の誓い〜  作者: 国士無双
第2章:王子様、ぼくを探さないで
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秘密のファッションショー〜第一王女と白いワンピース〜

 あの後、おじさんがおじいちゃんと連絡を取ってくれたようで、急遽、明日会いに行くことになった。


 夕方。おじさんと晩ご飯を食べ終えたところで、キーちゃんと出かけていたオーちゃんが帰ってきた。

 

「ただいま! サラちゃん、トレーニングルームに来てっ!」


 何か嬉しいことがあったのか、オーちゃんは目を輝かせながら、ぼくの両肩にトン……と優しく手を当てる。


 そのまま、ぼくはオーちゃんと一緒にピラティスのトレーニングルームへ向かった。


「オーちゃん、今から何するの?」

「ファッションショーよ!」


 オーちゃんが勢いよくドアを開けると、目の前にいたのはキーちゃんと……。


「えっ、貴女は!?」

「ごきげんよう。お元気そうで何よりです、お嬢さん」


 以前、大変お世話になったドレス屋さんの奥様がいた!

 

 しかも、部屋のあちこちに衣装ケースが置かれている。


 でも、ファッションショーって、どんなことをするの?

 

「あの、どうして……奥様がこちらへ?」

「ふっふっふ! 私が答えようッ!」


 キーちゃんが豪快に笑いながら話を切り出した。


「ケイさんから聞いたんだ! サラちゃんはちゃんとした女性用の下着を持っていないと!」

「うぅっ……!」

「き、キハダさん! デリカシーが無さすぎます! 破廉恥ねッ!」

 

 知られたくない事実を暴露されてしまい、ぼくは顔を真っ赤にして、唸ることしかできなかった。


 頬を染めたオーちゃんも両手で顔を覆い隠しながら、キーちゃんを窘めた。


「ふふっ、すまないね! 二人とも反応が可愛いから、揶揄っただけさ。さて、本題に入ろうか」

 

 キーちゃんは表情を崩すことなく、奥様が来た理由を教えてくれた。


「明日の件だが、レンゲ様のお父様はサラちゃんを第一王女だと認識しているから、女性用のお洋服で会った方がいい。それで今回、外商として連れてきたんだ」

「はい。ウェディングドレスの時と同様に、私がしっかりお洋服をお選びいたします。では、お嬢さん。こちらへ」

「えぇっ!?」


 ドレス屋の奥様は眼鏡をカチッと装着すると、ポケットからメジャーを取り出し、ぼくを連れて、洗面所へ移動した。


「早速ですが、バストを確認させてくださいまし!」

「キャァアアア!」


 いきなり胸周りをメジャーで測るなんて!


 驚いて悲鳴を上げてしまったものの、奥様はにっこり微笑みながら、採寸を続ける。


「あらまぁ、お胸がカップに押し潰されていらっしゃる! もうワンサイズ大きい下着を持ってきますね?」

「そ、そんな……っ!」

 

 ぼくが衝撃を受けている間に、奥様は別サイズの下着を取りに、そそくさとトレーニングルームに向かった。


「お待たせいたしました。サイズを多めにご用意しておいて、大正解でしたわ!」


 奥様が新しく用意してくださった下着を身につける。


 今度はピッタリだ。


 さっきと違って、窮屈さがなかった。


「すみません。ご迷惑をおかけして……」

「いいのよ。謝らないでくださいな。むしろ、王妃様の愛娘であるサラお嬢さんをサポートできて、とても嬉しいのです。それにしても、花柄のレースがお似合いですわ。スタイルも良くて、お花のように美しい」

「ありがとうございます……。でも、まさか、こんなに大きくなっちゃうなんて……。男装して隠さないといけないのに……」


 自分の胸の成長を愚痴っていると、奥様がガウンを肩に掛けてくれた。


「大切なお体、冷えてはいけませぬ。次はお洋服を選びましょうね」


 奥様に勧められて、トレーニングルームに並んでいるお洋服を選ぶことに。


 ぼくは一目惚れした黒いワンピースに触れてみる。


「パフスリーブのチュールワンピース! 大人っぽくて素敵なデザインね、サラちゃん!」


 ずっとぼくの隣で見守っているルルが褒めてくれた。


 それで、ぼくはワンピースに着替えて、オーちゃんとキーちゃんに披露してみた。


「どうかな?」

「可愛い……っ! 綺麗!」

「サラちゃんは非常にセンスが良いね、美しい!」


 二人ともベタ褒めしてくれて、とても嬉しい……。

 

 このワンピースにしようかなと思っていたけれど、奥様が衣装ケースから色違いのワンピースを取り出した。


「今のお嬢さん、とっても上品でお似合いです! しかし! 大切なご家族と久しぶりの再会であれば……こちらの色もおすすめしたいですわ」

「ふむ、一理あるな。黒はサラちゃんが普段着ている制服と同じ色だからね」


 奥様とキーちゃんは顔を見合わせて、ハイタッチを交わした。


 こうして、ぼくは色違いである純白のワンピースを着てみることに。


 ふと鏡を見ると、黒よりも白の方がぼくの雰囲気に合っている気がしたけれど……。


「ルル。可愛くて素敵なワンピースだけど、白色って、汚しそうで心配かも……」

「サラちゃん、気にしすぎよ! せっかくの再会なのよ、好きなお洋服を選びなさい? まぁ……わたしとお揃いの白だと嬉しいわ!」

「ありがと。ぼくはルルが好きだから、お揃いにするね」


 モフモフで真っ白なルルが、ぼくの不安を払拭してくれた。


 勇気を出して、白いワンピースに着替えたぼくは、もう一度オーちゃんたちの前でお披露目することに。


「着てみたよ、どう?」

「あぁっ……! 天使のお姫様みたいだわ……!」

「オウレン、サラちゃんは正真正銘の天使族だよ。本当に似合ってるね」

「サラちゃん、可愛すぎて滅ッ!」


 なぜかおじさんもトレーニングルームに来ていて、人差し指と中指をビシッと立てた、不思議なポーズをドヤ顔で決めていた。


 というか、さっきと違って、いつの間にか、オーちゃんとキーちゃんもオシャレな格好をしている――?


「私たちの服装が気になっているのね?」

「実はね、サラちゃんがお着替えしている間に、オウレンの部屋で着替えていたんだ」


 オーちゃんとキーちゃんのお洋服だけど、二人とも同じ紺色のジャケットにベージュのスキニーパンツ、そしてブーツを履いていた。


「乗馬コーデっぽい! 二人とも、とっても似合ってるね!」

「サラちゃん、よくわかったね。オウレンとキハダさんは明日乗馬体験のレッスンを受けるんだよ」

「へぇ、いいね!」


 ぼくもお馬さんに乗ってみたいかも。

 

 でも、素人だし……。


「そうだ、サラちゃん! 僕から確認したいことがあって、ここにやって来たんだ。レンゲのお父さんがね、明日は川で釣りをしよう、と誘ってくれて。でも、サラちゃんがやりたいことを優先したい。どうかな?」

「……じゃあ、明日は釣りにしようかな?」


 せっかく、おじいちゃんに会うのだから、まずは一緒に過ごしたいと思い、釣りを選んだ。

 

「大丈夫だよ。今回は一泊二日で行くから、明後日、みんなで乗馬体験してみよっか?」

「うん! そうする!」


 明日以降の予定が決まったこともあり、ぼくはワンピースの他に乗馬用のお洋服も試着して、わいわいとみんなでファッションショーを楽しんだ。


 だけど、はしゃぎ過ぎて疲れたのか、自室に戻ったぼくは猛烈な眠気に襲われる。


 明日着ていくお気に入りの白いワンピースと大切な馬蹄ネックレスをクローゼットに飾ってから、ぼくは夢路をたどった……。

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― 新着の感想 ―
おじいちゃんとの再会を前にしたサラちゃんの「ファッションショー」が微笑ましかったです♪(о´∀`о) いきなり下着のサイズまで測られて悲鳴を上げるサラちゃんには笑いました(≧∇≦) 男装して生活して…
 おじいさんに辿りつかずでしたが、とても面白かったです。  サラちゃんの照れとワンピースを着る姿が、想像できましたw  次話も楽しみにしております☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆
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