女Aの隠れ里開放と男Aの眠気
ようやく女Aが他の人と絡みます
Side:女A
『では客人、王の間に入られよ』
う~緊張する~…
「ほう、本当に緑のエルフだな。改めて、色彩国家カラーズにようこそ。歓迎しよう」
村長、シオン君、村長候補の2人に続いて入っていく…王様イケメン!
「ほっほっ、有り難い。色彩王の寛大さに感謝しますじゃ」
「いや、我が国の服飾都市は100年前はお前達に服用の生地を頼んでいた、いわば俺達とお前達は同胞だったのだ。あの戦争が無ければ、今でも…」
「過ぎた事ですじゃ。当時はこの国だって危機に立たされておったのです。今はただ、古き同胞の再開を喜びましょう」
村長さんから村の歴史を聞いた後、村の皆と相談して村の外と交流を行うコトになった。んで、1番近くて昔は交流もあった色彩国家カラーズに鳥を使って手紙を送ったら見事に返事が来た。とにかく会ってみなければどうしようもないので、日取りを決めて王様に会いに来た。
街の中でかなり注目されて恥ずかしかった…
あと、エルフって全部で3種族いるみたい。光のエルフと闇のエルフ、ラルフとダルフって言い方も有るみたい。多分ライトエルフとダークエルフの略かな?
「何はともあれ時代を超えた再開だ。もてなしはさせて貰う。明日から祭りだ。楽しんでいってくれ。金に関してはこちらで有る程度工面しよう。
それと手紙で伝えた通り、お前達の独自の服等を提供してくれると助かる。この国の芸術は少々息詰まっていてな、皆新しい刺激を欲している」
「芸術にそこまで心血を注げるのは国が豊かな証拠ですじゃ。喜んで提供しましょう」
話は纏まったみたい。それにしても、お祭りかぁ~
「クリス、涎拭け」
これはお見苦しい所を///
次の日、お祭り当日。
村長候補2人と村長さんは親睦イベントに出なきゃならないからってお城に行っちゃった。お祭りは私とシオン君の2人で見て来るコトになった。これってデート?
「ジルー、お祭りだよお祭り♪スッゴイよ~♪」
「ロザリー、待って引っ張らないで…」
中の良い姉妹か、な…あの服って…
「お、お嬢ちゃん達!その服ドコで買ったの!?」
あ、服屋の店員さんが詰め寄ってる…
「ジルが作ってくれたんだよ~♪」
「ええ!このチッコイ嬢ちゃんがっ!」
「俺は男だ…ふあぁ~…眠…」
「も~、昨日は早くに寝たのに~」
「(だってロザリー最近胸が…)」
う~ん…
「クリス、別に止めやしねえよ」
「シオン君…うん!」
やっぱりバレちゃったか~♪
「オジサン、お祭りなんだから仕事はお休みしなくっちゃ!この子達もお祭りに参加出来ないよ?」
「えっ、あぁ、だがなぁ~…」
「この服の作り方なら服飾都市で公開してるからそのうち分かるよ。もしくは…はい、このメモがあれば平気でしょ?」
袖からメモ帳出してサラサラ何か書いて渡してる…用意のイイ子だな~
「あ、ありがとよ嬢ちゃん!最近新商品が思い付かなくて困ってたんだよ~!本当にありがとな―っ!」
走っていっちゃった…速いな~
「だから俺は男だって…お姉さん達、ありがと。あのまま質問されてたら祭りが終わっちゃう所だったよ」
「お、礼儀正しい坊主だな。俺はシオンだ」
あ、シオン君何もしてないじゃん!
「私はクリスって言うの、ヨロシクネ~♪」
「俺はジル。何度も言うけど男!」
「アタシはロザリー、この服はジルが作ってくれたんだ~♪」
ジル君の方は面倒臭がりかな?ロザリーちゃんはマイペースな子?
「2人は姉弟なの?」
両方とも美少女なのよね~♪似てないけど…
「違うよ~」
「俺はロザリーに拾われたんだ。今は2人で暮してる」
あれ?
「何か俺達みたいだな。クリスもジルと同じようなもんだ」
「お仲間だ。それにしても…2人が祭りのメインのシルフ?」
「私達がお祭りのメインの種族なのは当たりだけど…シルフって?」
「緑のエルフのコトなんだって~♪グリフって案もあったんだけど…え~と…」
「風の精霊の名前にあやかってシルフって呼び名に成ったみたい」
ロザリーちゃんのうろ覚えの説明をジル君が引き継いだ。ジル君の方が年下っぽいのにシッカリしてるな~
「へぇ、でも一々光のエルフとか面倒だしその方が良いかも♪」
「だな。帰ったら村の皆にも教えてやろう」
「あ、じゃあ今日は一緒にお祭り周ろう♪」
ロザリーちゃんからお誘い。ジル君は特に何の反応もしてなくてロザリーちゃんに全部任せる気みたい…男の子なら女の子のエスコートくらいしなくちゃダメだよ?
「じゃ、そろそろ行くか」
「「おーっ♪」」
しゅっぱーつ♪
Side:男A
まさか祭りの主役と一緒になるなんて…また何かイベントに巻き込まれるのかな?
…それにしても…
「「おいし~♪」」
この2人姉妹なんじゃないの?屋台で買った揚げパンを同じ表情で頬張っている。
「おいジル坊、あの2人…」
「いいんです、あのままで」
下手に絡むと碌な事にならない。極力自分達だけで楽しんでいてもらわないと…シオンは俺の事を『ジル坊』と呼ぶことで落ち着いた。何故アニキキャラ…まぁアニキな年齢差だけど。ちなみに俺とロザリーが2人を呼ぶ時は『シオ兄』『クリ姉』に成った。
「ジルも食べないの?」
「う~ん、じゃあ何か…ロザリー、口の周り…」
「へ?うわ~…」
「ふぅ…動かないで。今拭くから」
「ん~…」
袖に入れてたハンカチで口の周りの油を拭いてやる。13歳でこれってどうなんだ?
「…シオン君私も~」
「いや自分で拭けよ…」
「え~」
しまった!どう見ても俺達バカップル…って中の良い姉妹にしか見えてないか…さっきからシオンが1人身男からの嫉妬の視線で居心地悪そうだし。
「ロザリーちゃんはジル君とラブラブだ♪浴衣もお揃いだし」
浴衣って言った…この人もしかして…
「ふえっ!ジル、拭くのもうイイから…」
ふむ…これはこれは♪
「まだ拭けてないよ、ほら暴れないで」
つい苛めたく成っちゃったんです…
「アラアラ~♪」
「ジル坊…」
ふむ、拭けたな。抱くようにガッチリ捕まえたからそれほど抵抗されなかったし、させなかった。ロザリーの顔真っ赤だな~。正直俺のダメージも少なくないけど…眠気であんま気にならない。
「ロザリーちゃんは愛されてるわね♪」
「うぅ~…ジルのせいで~…」
ちょっとヤリ過ぎたかな?まぁ、
「嬢ちゃん達、俺らと遊ばな~い?」
「お兄さん達何でも奢っちゃうよ~」
良くなかった…またかよ…数は5人で全員鱗の有る獣人か、多いな。
「シオン君…」
「下がってろ。悪いな、俺の連れなんだ。他を当たってくれ」
おお、シオン漢だ。クリスも満更でもなさそう。
「ウッセエなぁ、引っ込んでろよ!」
ガシッ!
「なっ!」
殴りかかってきた男の拳をシオンが正面から掴んでる。スゲー、眠気覚めちゃった。
殴ってきたしやり返しても良いよな?さっさと片付けよう……
最近、最初のころと比べると文字数が増えてます…
どの話も2000文字前後の予定が今じゃ2500文字が当たり前に!
まぁ、誰も困らないしいいや~