男勇者と男Aの接近
やっと他の人との絡みです
あ、
PVが10000、ユニークが2000を超えました
次は、目指せPV20000!
Side:男勇者
「パレード?」
「パレードです」
「パレードだよ」
剣の練習を始めてから数日経った夜。自室にていきなりフレイヤさんとメイドさんにパレードに出ろと言われた。
ちなみにこの2人、毎日俺の部屋に来て俺をからかっていく……もうヤダこの人達…グズッ…
「一応勇人の事は民には発表してあるけど顔見せはしてないだろ?だから民の間で『本当は勇者なんていないんじゃないか』って噂が広まっちゃっててね。だから大々的に勇人の宣伝をしようって話なんだ」
「1ヶ月程かけて、首都付近の主要都市を幾つか廻り、最後に此処、首都・ユビキタスに帰ってくる予定です。ですので明日からはパレードの準備に入って頂きます。御稽古の御時間は多少減る事に成りますね」
「うわ、マジかよ。ようやくフレイヤさんの動き見え始めたのに…」
「そうだね。最近は速さだけじゃ対処される。まだまだ甘いけど」
「剣の割に魔法の方は成果がないようですが…プッ」
ぐはっ!効いたぜ…
そう。剣は上達している。最初は全く見えなかったフレイヤさんの棒術が今ではどうにか追えるようには成った。しかし、魔法の方はメイドさん直伝なのに全然ダメだ。洞窟で使う証明くらいのなら出来るが、攻撃魔法は本当にダメ。接近戦で使うなんて論外、遠距離でも相当発動まで時間がかかる。
これじゃ意味無いな。その変わり魔力の形を変えるのは得意だから、魔法は使わないで魔力刀を剣に纏わせたりを練習してる。
…勇者は普通万能らしい。…俺ってダメ勇者?
「全く、メイドさんに教わっていてその程度とは嘆かわしいね」
「フレイヤ様、勇人様も精一杯なのですよ。それであの程度ですが」
もうホントにこの人達イヤ…
「じゃ、最初は貿易都市・コールスだよ。ユビキタス以外の人も多いからしっかりね」
「わかった」
こうしてパレードの準備が始まった
Side:男A
「雷槍!」
「きぃぃぃぃぃ……」
ドスン…
「おつかれさま~♪」
この世界に来てから数日。狩にも慣れて来て、今日はラピッドホースと呼ばれる鹿みたいな動物を仕留めた所だ。ちなみに雷槍は電気を打ち出す掌底技。射程は10センチ無いくらいだが魔力使用量が少なくて使い易い。ルーン刻む候補筆頭だ。
「じゃあ魔獣に見つからないうちに帰ろっか?」
「そうだな。魔獣は…面倒だし…ふあぁ~」
欠伸してしまった。ここの所毎晩女神様に勝負を挑まれてる…もう手加減してワザと負けようかな?気付かれたら大変だし無理だな…
「ふふふ~♪はい、問題です!」
「嫌です」
抜き打ちテストとは卑怯な!
ロザリーにこの世界の説明をしてもらって以来、こうして度々問題を出されるようになっている…もしかして教師志望?
ちなみに、ロザリーは魔法の実験をよくやるのだがしょっちゅう爆発(失敗)する。ついでに飯も忘れるので最近の俺はヘルパーのように成っている。
「ダメです。魔獣と動物の違いは何?」
あ、意外と簡単なのが来たな。
「魔獣は魔力を貯めておける角を持っていて魔法耐性が高い。動物は魔力を貯めておくモノが無いから魔力体制が低い。だけど魔獣より硬い」
基本はこうだったはず。
「正解~。アタシたちじゃ魔法耐性の強い魔獣の方が大変だからね~♪」
魔獣でも倒せるけど、俺は魔法無し、ロザリーは大火力、で殺らなければいけなく面倒なので動物狙いにしている。カバは魔法使ったら結構楽に倒せた。…しっかし、何か…スゴク嬉しそうだけど何かあったのかな?それともこれからあるのか?
「あ、ジル。明日街に出るから帰ったら準備手伝ってね♪」
「街って…ドコの?」
「森の外だよ。アタシが頼まれてる量が出来たから届けに行くの♪」
街好きなのかな?
「ジルきっとビックリするよ~。場所はユビキタス公国最大の貿易都市・コールス。スッゴク賑やかな街なんだ~♪」
ちょっと嫌な予感を覚えつつ、楽しみな自分がいた。
Side:男勇者
あれからさらに数日、衣装やら立ち振る舞いやらの練習をして、今はパレードの真っ最中で豪華な馬車の上。しかし…
「「「「キャーッ!勇者様~!」」」」
何か黄色い声が…もはや金切り声にしか…
「モテるじゃないか、勇人。流石勇者は女を落とすのが速いね」
「フレイヤ様、人の事は言えないかと」
「何?」
「「「「フレイヤ様――――っ!」」」」
「「バカ野郎っ!声が小さい!!!」」
野太い声援だな~。女の人の声も混じってるみたいだけど。
「ははは。フレイヤさん、モテモテじゃないですか…ぷっ」
「勇人、後で話がある。パレードが終わったら隊舎裏に来な」
「御2人とも、それぞれ同性の方々から睨まれておりますよ?」
「「いや、メイドさんは怯えられてるから」」
そう、何を隠そうメイドさんを睨み付けようとしている人達は例外無く顔を見た瞬間、怯えたように目を逸らすのだ。あんた何したんだよ…
「ジル~、速く速く!」
「そんなに急がなくても…ロザリー前見ないと危ないよ!」
お、中の良い姉妹かな?下の子の方が落ち着いてるみたいだけど。
上の子が魔法使いみたいな黒い服と杖、下の子が黒いジャケットにジーパンと何か付いた手袋。この世界では前の勇者の影響でジャケットやジーパンが普通にあるから不思議じゃない。しかしあんな10歳くらいの子が着てるのは変だな。本人の落ち着いた雰囲気のせいで違和感無いけど。
「勇人、まさか…あれくらいの年の娘がいいのかい?いくらなんでも犯罪だよ?」
「フレイヤ様に欲情する素振りが無いのは年齢が対象外だったからですか。想像以上のゲス野郎ですね」
「違ーーーうっ!ただ微笑ましくて見てただけだ!」
「そんなこと言って、あの幼女達を視姦してたんだろう?」
「今ならまだ真人間に戻れますよ?考え直しましょう?」
「だーーーーっ!」
パレード中なのにいつもと同じになってしまった…