男Aは職業が決まる
またしても説明回。
作者泣かせなキャラです…
Side:男A
「じゃ、さっきの続き♪スキルについて話すね」
お茶を淹れてくれたので一息入れたらロザリーが説明の続きを促してきた。
スキルって…取得経験値が上がるとか攻撃力が上がるとかのアレか?
「スキルはね、大まかに職業、受動、強化、特殊があるんだ。これがスキルタイプ。それとA,B,Cその上にSってランク付けがされてるんだ。図にするとこんな感じかな」
…黒板に板書中…終了
職業 受動 強化 特殊
S
A
B
C
「これに<魔法使い>ってスキルを当て嵌めると、職業スキルのCランクって表されるの。わかった?」
成程、スキルタイプを見る限り攻撃力が上がるは本当にありそうだ。受動ってのは…パッシブのことかな?まぁ聞けばわかるよな。
「各スキルタイプは職業なら剣士とか魔法使いとか騎士とか盗賊とかで、A~Cランクに職業名が変わったりするんだ。スキルは使い込むとランクが上がったり出来ることが増えたりするからジャンジャン使っていくんだよ?一部の職業スキルにはSランクもあるみたいなんだけどよっぽど極めた人が何か条件を満たして初めてSランクに成るんだって。
ちなみに私はBランクの魔法使い<魔術師>とAランクの製作者<アルケミスト>だよ」
職業スキルは複数持てるのか。面白いな。
「それと同じ魔法使いのスキルでも<魔術師>に成る人もいれば<魔導師>、剣使いのスキルと一緒に使って<魔法剣士>ってスキルになる人もいるんだよ。だから人によって持ってるスキルはバラバラなんだ。製作者なら錬金術師とか鍛冶師、付与師になるの♪」
何か男としてかなり心躍る話しだったような…これは色々試す価値ありだな!
「次に受動と強化なんだけど、言葉の通り受動は何かされると発動するんだ。例えば魔法を防ぐ効果が本人の意思とは関係無く発動したり、怪我をするとすぐ直ったり、ね。強化は速く動けるようになったり、遠くを見えるようになったり出来るんだよ。意識しないと使えないのが普通かな。人のスキルを見れる<観察眼>は強化スキルに入ってるんだ。最後に特殊。これは種族や血筋、あと吸血鬼に眷族にされたり竜の血を飲んだ、とかで身に着くスキルで、このスキルは受動だったり職業だったりどれにも属してなかったりイロイロでわからないことだらけなの。でも大体スゴイ効果を持ってて、Aランク以下はないんじゃないかって言われてるんだ」
凄いな特殊スキル。あまりお目に掛かりたくないな。あ、そうだ。
「ロザリーは<観察眼>を持ってるの?」
「うん、魔法使いには必須だからね。無いとスゴク困るんだよ。魔獣の弱点属性を見たりもできるから」
「じゃあさ、俺って今何かスキル持ってる?」
「あ、イイネ♪じゃあさっそく。え~と…特殊Sランク<悪運>にAランク<グラップラー>…………辛い経験をしてきたのね…」
いきなり同情されて抱きしめられた。しかも若干嬉しそう…人に触れるの好きなのか?
「とりあえず離してくれ…あと<悪運>とか嫌な予感しかしないんだけど」
名残惜しそうな顔しない!俺は逆に人に触れるの苦手なんだから。
「ああ、うん…<悪運>持ってるってことは、その…運がかなり無いってことなんだ…てへっ♪」
「シクシクシクシク…」
運無い宣言入りました~。もういいや、<グラップラー>のこと聞こう。
「もういいです…<グラップラー>について説明ください…」
「あぁ、うん。<喧嘩屋>ってスキルを上げるとなるんだ。でも生身じゃなきゃいけないから他の職業スキルと比べるとスゴク難しくて、上げてる最中に死んじゃうことが多いスキルなの…それこそ娯楽用の奴隷さんが偶々長生きして手に入れるような…」
なんちゅう重いスキルにしてくれてんだよ女神様~!
「あ、でも魔獣と素手で殴り合いしても勝てるくらい体が頑丈になるし足はオオカミより速くなるしイロイロ便利な職業で、え~と…元気出して!ね?」
女神様に恨み辛み吐いてたら勘違いされて慰められた…真正面に来てしゃがんで手を握って上目使い…俺がロリコンなら落ちてるぞ……アレ?今の説明だと俺って化物じゃね?
「大丈夫大丈夫。ちょっと考え込んでただけだから。そういえば職業スキルって具体的にどんな効果が有るの?」
「あ、うん。それぞれ別なんだけど、魔法使いなら杖を持ってれば魔力制御が上手くできるようになったり、剣士なら剣を握ってるとちょっと筋力が上がったりするの。それとスキルはよっぽど特殊な効果がない限り併用できるよ」
「<グラップラー>は何必要なの?」
「…何も要らない…」
「…完全に化物ですね…」
「そんなことないよ!ああ、ゴメンってば~、謝るから許して、ね?ね?ジル~(泣)」
ヤバい、からかい過ぎた!潤んだ目でこっち見ないで!S心が刺激されちゃうからっ!
「大丈夫だよ、そんなに気にしてないって」
「ホントに?」
「うん!」
安心させるためにもフォローせねば!
「それにこのスキルがあれば怪我なんて滅多にしないからラッキーって感じだし大人に絡まれても魔獣に襲われてもどうにかできるってことでしょ?それにロザリーに迷惑掛けずに1人で何だかんだやっていけるっぽいから平気だし…それから…」
「…1りで…」
何だ!?ロザリーが小さく何か呟いたけど自分の声で聞き逃した。何かロザリーがメッチャ悲しそうにしてるし…
「…そっかジル、1人で全部頑張っちゃうんだ…」
…マジかよ…そうゆう理由なのかよ………仕方ないよな?
「う~ん、でもまだ記憶も知識も無いから不安だな~。誰か頼れる人が近くにいてくれたら安心なんだけど~」
わざとらし過ぎたかな…
「じゃあじゃあ!ここにいればいいよ♪ね!そうしよう、ね♪」
凄いパァッとした笑顔を向けられて同居を進められた…若過ぎる男女だし問題は…3年も経ったらアウトだよっ!そんなに長いかは不明だけどな…
とりあえずロザリーは1人が嫌みたいだし暫くはココで今度の身の振りを考えようかね…他に出来ることもなさそうだし…
同居決定しました