空想転化の力
本日1話目。
今日も4話投稿します。
ステータスを見ると、変身中はMPが減らないらしい。
光が消えると、変身が完了する。時間にして8秒くらいだな。
オレは無駄なMPを使わないために、変身が終わってすぐに斬り掛かっていた。
さすがは神速。1秒と掛からずドラゴンの近くに移動できた。
ドラゴンが凄い反応速度で咬み付いてきたが、その首を一刀両断した。
すぐに変身を解いてステータス確認すると、レベルは上がってないが、4秒しか経ってないらしい。
たった40MPを使っただけで、小さいとはいえドラゴンを倒せるなんてな。
これなら生きて森を出られそうだな。あと1回くらいは変身して戦える。
「ごしじんさま強いです! にゃんて速さ! さすがですにゃ!」
レオが興奮してオレの周りを跳ね回る。
「さすがに肝が冷えたよ」
でもさすがはスサノオノミコトの力だ。ヤマタノオロチを退治しただけはある。
ドラゴン退治なら聖ゲオルギウスでもいいかもしれない。神には勝てないだろうけど。
まあ、強いほうが決着が早くてMPの節約になったし、これでよかったな。
「ところで、ここは移動したほうがいいか?」
「このドラゴンの血の匂いで、他の生き物は近寄らにゃいと思いますにゃ」
それならこのドラゴンの背中を拠点にして、果物とかを探してみよう。
レオの食事もいるしな。ネズミでも捕まえようかな。
レベルを上げながら森を散策して出口を探さないと。
とにかくMPさえ高くなれば大丈夫だ。安全に森を出れる。
「とりあえずネズミでも狩に行こう。レオの食料がいる」
「……ボクはキャットフードしか食べたことがにゃいシティーボーイだにゃ~。ネズミにゃんて食べられにゃい」
意外にグルメな奴だな。
「じゃあ木の実でも探すか。木の実なら毒の可能性は低い。なにしろ動物に食べさせて遠くに運ぶためだからな」
食べられるのが基本だろう。食べられないのもあるだろうし、ここは異世界だから常識が通じない可能性があるがな。
「毒をくらったらオレが治してやる」
「ありがとにゃ。ボクがシティーボーイなせいでごめんにゃさいにゃ」
しょんぼりするレオを撫でて、2人で散策に出掛けた。
泉の周りをグルっと回ったら、何種類かの木の実を手に入れた。
おまけに、この近辺には動物も魔物も近寄らないのが判った。
オレを無視して逃げていくオークを、背後から殴り殺した。逃げる敵が1番安全に倒せるな。
オークはゴブリンと違って一撃で倒せなかったけど、攻撃が通じるのが判ってよかった。
ドラゴンの死骸がある場所に戻る。
背中に乗って食事にした。木の実が食べられるようなら、オレもお菓子の節約したいし食べよう。
「ごしじんさま。この木の実は美味しいけど、こっちの大きいのは不味いにゃ! 強くにゃってにゃかったら、危なく気絶するにゃ」
そんなに不味いのか……くり抜いて兜にするのはダメかな?
「他にも木の実はいっぱいあるんだし、無理に食べなくてもいいぞ」
「そうするにゃん。ボクはもうペットじゃにゃく、ごしじんさまに仕える騎士にゃ。ワイルドにいくにゃ」
そういうとレオは大きい木の実を真っ二つにした。
半分になった木の実を見ていると、サ○エさんのオープニングを思い出す。
もう続きが見れない可能性があるから、余計にしんみりするな。
オレはレオを木の実の上半分を持たせて、腰を左右にを振らせる。
「あははははっ! リアルで見れるとは思わなかった」
「この意味不明にゃ動きで、ごしじんさまが喜んでくれるにゃら、頑張るにゃ~」
高速で腰を左右に振るレオが可笑しくて、凄く笑った。
なぜだかツボに入って10分くらい笑ったが、我に返ったら急に醒めた。
「……むなしい」
「にゃんかボク悪いことしたかにゃ?」
「してないぞ。普通の猫にはできない動き、実に楽しませて貰った。ありがとう」
しかし、オレは娯楽なしでは生きていけない性分なんだよな~。
それに、真由たちは無事だろうか? 4人一緒だし、オレみたいに力を与えられてるだろうから大丈夫だとは思うが。
真由のお尻の感触がないと、手持ち無沙汰というか落ち着かない。
木の実や果物を集め終わり、夜になっても魔物が近付く気配はなかった。
それでも交代で見張りをすることになり、退屈な時間を過ごした。
朝になり果物で水分を補給すると、周囲の散策に出掛けた。
どれだけ捜しても、近くに魔物も動物もいなかったので、3時間くらい歩いて拠点から離れたら、ようやく魔物に遭遇した。
それでも、鼻がよさそうな魔物はオレたちに近付くのを嫌がっているので、ドラゴンの匂いに怯えているのかもしれない。
こちらとしては好都合だ。逃げる敵は安全に攻撃できるし、倒せる魔物と倒せない魔物が判っていれば、戦闘の方針を決められる。
何匹もの魔物を倒して拠点に帰ると、ステータスを確認してMPをチェックした。
レベルは9になり、MPがオレの身長と同じ182まで上がった。
1日過ごして安全は確認できたので、武器が欲しい。
もっとラクにレベル上げができれば、早く森から出られるかもしれない。
182もあれば、かなりの剣が作り出せるはずだ。
オレは空想現実化を使うことに決め、集中して考えると、神剣のような物を空想すると頭が少し痛くなった。MPが足りないんだろう。
頭が痛くなくなるまで性能を下げて空想していく。
すると、材質は鋼鉄で名剣に分類される剣を空想できた。
材質のランクを鉄に落とせば、付与効果を付けられるようだし、悩むな。
たいした付与効果でもないし、鋼鉄の名剣にしたほうがいいか。必要なくなったら街で売りやすいかもしれないし。
この世界の事情が判らないし、付与効果がある剣の扱いが判らない。迂闊なことはできない。まさか銃刀法なんかないと思うが。
「とにかく今は武器が欲しい。石で殴り掛かるのは反撃のリスクがあるし」
「それにごしじんさまは、血がついたら嫌がるにゃ」
手を洗ってもなんか気持ち悪いんだよな。石鹸も作ろうかな。
このMPなら、使っても減らない魔法の石鹸とか作れそうだし。
「まずは剣だ。空想現実化、鋼鉄の名剣」
目の前に光が集まり剣の形になっていく。オレの空想通り短めのバスタードソードができあがった。鞘と剣帯も付いている。
「ごしじんさまの力は不思議だにゃ~。何もない所から武器が出るにゃんて」
「オレが1番不思議に思ってるよ。どんな原理なんだろうな?」
刃の長さは70cmくらいで、片手でも両手でも持てる柄。バランスも悪くない。重さはなぜか軽めだな。
オレの筋力が上がったからか、でもペットボトルの重さは以前と変わらないけど。
ひょっとしたら、意識しない限りはパワーを発揮できないのか?
意識して力を込めると、確かに重さはほとんど感じなくなった。
意識しないと日本にいた時、つまりはレベル1の時の力しか使えないようだ。
そりゃそうだよな。筋力が上がっても筋肉が付いているわけじゃないんだから、ステータス通りの力を発揮するには、強く意識しないとダメらしい。
レベル1の時が基本値で、筋トレとかすると基本値が上がるんだろう。
そこにレベル上げによる数値が、意識するとプラスされるんだな。
とりあえず剣の練習をしてみるか。
ドラゴンの背中から飛び降りて、素振りを始める。
オレは剣術の素人だからな。毎日のように練習をしないと、神剣を出したところで使えるとは思えない。
幸い、スサノオノミコトに変身した時に、剣術の知識を少しだけ手に入れたし、感覚的にどう使えばいいかは解ってる。
あとはその感覚を、自分の体で再現できるように練習をすればいい。
オレは見張りの交代時間まで、休みながら剣を振った。
次の話は朝方投稿します。
ステータスです。
レベル9 逢坂想太
HP 95 MP 182
筋力 45 体力 51
敏捷 33 器用 26
魔力 58 魔防 34
レベル8 レオ
HP 21 MP 0
筋力 12 体力 60
敏捷 71 器用 37
魔力 0 魔防 14