空想魔法
本日4話目です。
猫の名前も決まったし、スキルの説明を見る方法も判ったので、空想魔法を確かめてみる。
ざっと読んだ限り、かなり強力な魔法と言えるだろう。
まず道具生成。
オレの思うままの道具を作り出す魔法のようだ。
消費するMPに応じて性能は変わるらしいけど、自分の使いやすいように作れるのが嬉しいな。
欠点は1時間で消えることと、性能がよすぎる物はMP消費が多くなることか。
性能と消費MPのバランスを考えて使わないとな。
次は神器生成。
神話なんかに登場する道具とか、オレの空想した神懸かった道具を出せるらしい。
名前が判っていて、どんな神器か知らなくても、オレの空想で作れるようだ。
欠点は10分で消えることと、道具生成よりも消費するMPが多いから今は使えないこと。
MPが増えてきても、10分しか使えないなら、頻繁に使えばすぐにMP切れになる。
それに、完全な性能を再現することはできないらしい。人間の限界だな。
3つ目は空想召喚。
神話の生物や、自分の考えた生物を召喚できる魔法だ。
使うMPが多いほど、強力な力で召喚できる。少ないと弱い力で召喚される。
これの強みは戦力が増えることと、特殊な能力を持つ生物を呼び出せること。
欠点は30分で消えることと、MP消費が多いことだ。
それに考えて召喚しないと、オレが魔物を操ってるように思われて、人間と敵対することになりかねない。
オレ自身はとても弱いから、MPがない時に狙われたら死ぬしかない。
4つ目は空想転化。
これは戦闘能力が飛躍的に上がる魔法だ。
神話とかの神や悪魔、そして英雄の力を使えるようになる。
よく知らない神でも、名前さえ知っていたら、能力はオレの空想で補完できるようだ。
例えばゼウスに転化するとしたら、ゼウスの権能である雷を撃ったり、雲や雪や雨を降らして天候を操ったりできる。
雷霆という武器を持ち、万物を切り裂く魔法の刃、アダマスの鎌も使えるようになる。
雷霆を防げるアイギスの肩当てなんかも再現されるようだ。
能力と装備品を借りて戦うことができるので、簡単に負けることはないだろう。
欠点はMP消費が多すぎることだな。なんと1秒ごとにMPを10消費し続ける。今のオレだと5秒しかできない。
それに完全な力を使えるわけじゃないから、ゼウスみたいに全宇宙を焼き尽くしたりできない。やらないけど。
そして1番困る欠点は、転化している間は経験値が入らない。
例えばドラゴンに出会い、ゼウスに転化して倒しても、レベルアップしない。
攻撃が当たる前に戻っても、転化中の能力で倒した場合は経験値0だ。
レベルアップできないなら、大物を狙う理由は高値で売れるかもしれない素材くらいか。
でも大物だと持ち歩けないから意味はないよな。
弱らせてから戦うにしても、MPも切れて武器を生成したりできないから、攻撃してもムダだろう。殺されて終わりだ。
最後の能力は空想魔法の目玉だな。
空想現実化。
全MPを消費して、消えない道具や神器を作り出せる。例えオレが死んでも消えないようだ。
性能はオレが空想したままになる。性能しだいで必要MPが増えしまうが。
欠点は全MPを使うことと、使ったら24時間はMPを回復できなくなる。
使ったら24時間回復せず、24時間後にようやく回復できるようになる。
1度使えば、自然回復なら次に使えるのは30時間後くらいか?
すぐ回復する手段があるなら1日1回使えるな。
だけど、24時間MP回復を受け付けないのは危ないな。
数日間、危険がなさそうな時に使うしかないよな。
上手く使いさえすれば大丈夫だけど、一歩間違うと使ったあとに無力になって死ぬな。
大物が同じ縄張りにいるとは思えないし、部下を使うような魔物を避ければ大丈夫だな。
いざという時まで使わないほうがいいだろう。
まずは水場を探して、レオに飲ませてやろう。
オレはジュースを少しだけ飲んで、レオに出発を告げた。
2人で警戒しながら歩く。
猫の嗅覚や聴覚は人間より遥かに優れているから、索敵はレオに任せるが、オレが気を抜いていい理由はない。
少し歩くと、レオの耳に水の流れる音が聞こえたようだ。
そちらに向かっていると、ゴブリンの匂いがしたらしいので、倒しに行く。
弱いゴブリンは序盤のいい経験値稼ぎになる。ドラ○エで言えばスライムだ。
オレは最初の街の周辺で、店で売ってる最強装備を買うまで戦うからな。
自然とレベル7くらいまで上がるので、序盤は楽勝だ。
でもこれはゲームではないので、出現する魔物は決まってない。
街か村まで到達するまで、道のザコ魔物を倒すだけにして、レベル上げは安全な拠点を手に入れてからだ。
「ごしじんさま。あっちからゴブリンの臭い匂いが」
「助かる。お前が一緒に異世界に来てくれてよかったよ」
「ボクも拾われてよかったにゃ。段ボールは快適だけど、寂しかったのにゃ」
段ボールって快適なんだ……子供の頃に秘密基地として使ったから、快適と言えば快適だな。
暗くなりそうな気分を振り払い、ゴブリンに近付いていく。
オレたちの匂いが届かないように、レオが慎重に誘導してくれた。
そのおかげでゴブリンの集団に気付かれないで背後を取れた。
数は10以上。ちょっと多いな。レオと一緒なら倒せるか?
レオに目配せすると、自信満々に頷いた。レオのスピードならゴブリンなんかの攻撃は当たらないか。
オレなら頭を石で殴れば一撃で殺せるし、棍棒を使えば距離を取れるだろう。やるか。
まずレオが飛び出し、ゴブリンの足下を走り回って注意を引いてくれた。
その隙にオレが飛び出し、レオを殴り付けようと躍起になっているゴブリンの後頭部を殴る。
鈍い音が響き、嫌な感触が手に伝わると、ゴブリンが地面に向かって倒れていく。
そして次のゴブリンに近付いて、全力投球するように叩き付けた。
肉の潰れる音と血飛沫がオレの気分を害す。
しかし、生き残ってみんなと再会しないといけないので、我慢して殺す。
ゴブリンが反撃しようとすると、レオが飛び上がって爪で首を斬る。
レオの力は低いのでかすり傷だが、怯んだゴブリンをオレが殴り殺す。いい感じの連携だな。
倒したあとステータスを見たら、オレが1レベル、レオが2レベル上がっていた。
これでオレとレオのレベルは同じになった。オレは全体的に上がり、レオは体力と敏捷のみ上がりやすいみたいだ。
それからも順調にゴブリンを倒して進み、レベルも5まで上がった。
そして大きな泉? に着いた。
泉の定義は知らないけど、川もあるんだよな。その場合は川の広い部分で泉じゃないのか?
「レオ、待たせたな。水を飲んでいいぞ」
「ありがとうにゃ! ごしじんさま」
機嫌よさそうに水辺に走っていき、小さな舌で一生懸命に水を飲んでいる。
オレはやめといたほうがいいかな? レオに何かあったら、空想転化で治癒神にでも力を借りるか。
お菓子はあるんだけど、猫に人間用のはダメだよな。
絶対に塩分とか糖分が多いし、消化できる物とできない物があるだろう。
生憎とオレは詳しくないので、やめておいたほうがいい。なんか動物でも獲ろう。
「んぐむぐ。……んっ。レオ、お前の食事はなんにする。食べたい動物とかいるか?」
チョコレートを一欠片だけ食べて、レオにリクエストを聞く。
「……そんにゃことより……ごしじんさま逃げて!」
レオが上を向いて逃げるように促す。
オレは上を確認もせず、森に向かって走り出したが、地面が揺れて転んでしまった。
恐る恐る振り返ると、8mくらいのドラゴンが水を飲んでいた。
音を立てないように後ろに下がると、ドラゴンが振り向いた。
視界には入ってただろうから、音を立てなくても意味ないよな。
「仕方ない。空想転化! スサノオノミコト!」
今のオレの魔力は全快してないので、10秒程度だ。
呪文を唱えると、オレの体が眩しい光に包まれた。ドラゴンも眩しそうに顔を背ける。
服装も邪馬台国の人間みたいな服に変わり、手には十拳剣の1つ、天羽々斬が出現した。
次は今夜0時に投稿します。
ついでにステータスです。
レベル3 逢坂想太
HP 42 MP 70
筋力 20 体力 26
敏捷 17 器用 13
魔力 28 魔防 15
レベル5 逢坂想太
HP 59 MP 121
筋力 28 体力 35
敏捷 22 器用 19
魔力 41 魔防 23
レベル3 レオ
HP 7 MP 0
筋力 3 体力 37
敏捷 49 器用 18
魔力 0 魔防 5
レベル5 レオ
HP 12 MP 0
筋力 6 体力 47
敏捷 55 器用 25
魔力 0 魔防 8
HPとMPは怪我をしていなければ、少しずつ回復します。




