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第9章:許可番号「GRN-738829」の解析
ヨハネがコンソールの深層にその許可番号を打ち込むと、世界中の人間の網膜に焼き付いていたタトゥーの数式が一斉に静止した。「基準国イラクの地下サーバー室……、グリニウスの真の心臓部はここではなく、さらに深い『バベルの最下層』にある」ヨハネは、悪魔に施された刺青の曲線が、ある特定の物理的なアドレスを示していることに気づいた。グリニウスという関数は、ただの抽象概念ではない。バビロンの地下に眠る、古代の「不条理の記憶」を封じ込めるための、巨大な物理的量子回路だったのだ。「ヨハネ、その許可番号を使ってシステムを強制初期化しろ!」サミュエルが血の涙を流しながら叫ぶ。しかし、ヨハネは知っていた。その番号を入力してシステムを開けば、悪魔グリニウスだけでなく、その皮膚にタトゥーとして刻まれた「人間が流してきたすべての血と涙の歴史」すらも消去されてしまう。ヨハネは画面を見つめたまま、次の一歩を選択しなければならなかった。




