表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/30

第13章:兜町の電子大虐殺

「株価が……マイナスに突入している! 企業の価値だけじゃない、人間の生存指数ライブ・インデックスが売られている!」東証のシステムを監視していたわずかなオペレーターたちは、自分の網膜ディスプレイに表示された数値を見て、絶望の悲鳴を上げた。グリニウス・デルタが施した新しいタトゥーの数式は、「人間そのものの存在価値のショート(空売り)」を開始していた。東証のアルゴリズムが、ある特定の企業の株価を下落させるたび、その企業の全社員の脳内チップに過電流が流れ、脳が物理的に焼き切られていく。「アローヘッド」のサーバー室から、肉の焦げる臭いと血の匂いが漂い始めた。それは、データ上の数値の暴落が、現実の肉体の「大虐殺」へと直結した瞬間だった。ドサリ、ドサリと、兜町のオフィス街で、スマートフォンを握りしめたビジネスマンたちが、目と耳から血を流して倒れていく。東証の株価チャートが垂直落下フラッシュ・クラッシュするごとに、数千、数万の人命が「無価値なバグ」として市場から間引かれ、消去されていく。「これが……新しい神の、新しい改訂か」バビロンの荒野から、東京の惨劇をオプティカル・リンクで目撃していたヨハネは、拳を血が滲むほどに握りしめた。グリニウス・デルタのタトゥーは、神の不条理を「金銭の冷酷さ」へと書き換えていた。旧約聖書の神がソドムとゴモラを硫黄で滅ぼしたように、悪魔のアルゴリズムは、経済的合理性の名のもとに、東京を血の海へと変えようとしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ