No.00
何処までも,死が付きまとうこの話は
生きている物には、禁句以外の何者でもあるまい
されど、何処まで行こうとも
この話には終わりはない
なぜなら始まりなど存在しないからな
今の言葉お分かり
誰でもそんなことは言っていないに違いない
されど誰でも言えたかと言えばそうでもないような気がしてやまない
なぜなら文字が破綻しようが
屋根のトタンが吹き飛ぼうが
この物語は終わりがない
なぜなら始まってさえいないのだから
始まりを決めた奴はいないだろう
なぜなら始まりなんて物はふとした瞬間から始まり、決して気づいて、始めるなんて限らないのだから
毎度ながら暑さには自信のある
飯田山盆地がやって参りました
そんなことを言いながら私の前に現れる奴に
「やあ」
その二文字に今世紀最大級の嫌みを込めて口を垂れる
「今年の最高気温三十九度八分の気温を記録した」
何やらラジオで妙ちくりんな言い回しのアナウンサーが妙ちくりんな温度を告げた
「何だよ三十九度八分って、体温化よ」
私はその繊細な温度計を見てみたい気を起こしながら、部屋を出た
最悪なことに今日は友達と揃って、補習授業がある
干からびる思いで、戸狩第三市立中学校に足を延ばした、
数年前に廃校した後に造られたその中学校は
元は高校だったせいか、校内に田舎では珍しく
自動販売機が設置されているが
何の意地悪なのか
現在使用不可
もっぱらその恨めしい視線を集めることになった
そんな悲しい物体の横を通り過ぎれば私たちのクラス「三年A組」そのクラスである
「やあやあ」
それはチャイムが空しく予定通りに鳴り響き30分ほど遅れて、職務怠慢がやってきた
理科教師「出川 楓」(デガワ カエデ)である
いつもヨレた白衣着用し、頭と言えば誰にも言い訳できないほどボサボサ+α天パーのせいもあり
まるで嘘みたいなほど怪しさを巻き散らかしていた、そんな人間なのだが何の因果なのか今年に入り三ヶ月ぐらいした七月の始め
担任の女の人が産休をとることになった因果で
この変人が現れたというわけだ
全く教頭校長その他諸々の指示が納得いかないにもほどがある
どちらにしろ、その職務を全うしない姿は
ほんのに三週間で否応無くその無能さが沸き立ち
そのせいで,おんぶに抱っこ状態からいやおう無く、実質的に一人一人が動かなくてはならず
まるであぶり出された幼虫のようであった
「で、どうすればいいの」
それは生徒ではなく教師の蛙が言った
「はー」そんなため息がちらほらと、そこら辺から聞こえる
「・・・無視はよくないぞ無視は」
そういうと少しむくれて机に付いた
「・・ミーンミンミンミン・・・ミーンー」
同じ音がエンドレスに流れる
まるで時間まで止まっているようだがそんな時
隣の席の擬似餌 ホノカ (ギジエ ホノカ)
が私をコツく
姿形はそれ相応の平均より幾らか背が低いが決して最下位ではない、顔は平均的でどことなく意地悪な妹を思わせるが、それでもそれ相応でしか言えない、最後に言うなれば、短めの、結構短めのツインテールを髪にしているが、正直それをほどいたところを見たことこそ無いが、ショートカットの可愛らしい感じになるのではと予想しているが、今のところ変更の兆しはまだ無い
そんな彼女がこちらを見た
正直逆に放任すぐ手練れも言わないかと言えばそうではない
その逆で、何も教えないし、質問には答え無いどころか、挙げ句の果てには、うるさいと怒鳴り散らし、教室内を混沌とさせた経緯がある
正直欲分からないが
自分に困ることは起こさないが
それ以外なら、目標さえ達成すれば大目に見るような人間というのが大方の私たちの意見であった
「この蛙知っている」
そのどこか片言というか文法のおかしな言い回しで携帯の画面を私にこっそり見せる
正直起こられるのは嫌らしい
怒られるかどうかは知らんが
有るという可能性が有る以上何も要わないのが、得策だろうと踏んだらしく
実にちょうどよく前の席の背中に隠れ
これはもう死角と言うしかなかった
「なにそれ」
私はその小さな画面に視線を落とす
もちろんこのときも絶え間なくその手は空にペンでノートをひっかくフリを実施している
さしていよいよ見てみることにしたのだが
そこに移っていたのは
「カエル」だった
金色のカエル
ただし「アフリカツノガエル」アルビノ個体ではなく、普通の「雨蛙」だった
どうせ白い容器にでも入れられてこんな色に
擬態したんだろうと思っていた矢先
「でっこれが何なの」
その答えに
「いや、見て分かると思うけどこれ
ただの「雨蛙」じゃん」
うむうむ、と頷く私、しかしそれが分かっているのならわざわざ、いくら中学といえどもカエルに興奮するのは乙女として、、などと考えていたら
「いや違うのよ、果たして雨蛙なんかに私たちみたいな女子高校生が、そんなにキャーキャー言うほどの物なのかってとこ:」
私はその話を聞いても、いまいち理解できない
「どうゆうこと」私は素直に聞いてみる
「いやだからさー」真顔で言うと
今時スマホではないガラケーなるパソコンを小型化したような物を高速でテキパキト打ち込む
「おいっ静かにしとけよ 擬似餌とNO」
「先生、いくら言えば分かるんですか
彼女は」
「もおいいよ、ヨネ、もお良いから」
私の名前は 飯家 米 「イイイエ ヨネ」
先生はみよじをもじり、
「飯家 いいいえ いいえ = NO」
と言う実に詰まらん発想で
名前を聞いて開口一番「今日からNOだ」
トクラスの中に言い放った
その被害者は驚異の三十人中三十人であり
もしも教育委員会に訴えれば
私のような否定的なことを付けた心的暴力で
訴えて教師権を剥奪して欲しいところだが
今のところ受験に忙しくそんなことをしている暇は、実に実に残念なことにない
誠に遺憾であるが、まさしく一言
これ位にしておいてやるとでも
言いたいところであるが
「でも、みよじ改竄って、教師としてどうなんだよ全く」
「ねっそんなことより」
果たして彼女にとってそんなことなのだろうか
いや確かにそういわれてしまえばそんな気もして来る
「これなんだけどさ」
そういっていつの間にか打ち終え検索し終わった
画面を見せる
しかられていきなりというのは中々
度胸があるというか、図太いというか
少し頬が上気しているのは
余程それが変な映像なのだろうか
私は仕方なく、引っ張られるままに席に着く
「ここ見て」
つきだしてきた文字の書き込まれたニュースチャンネルのような掲示板には
大量の文字があるがその中で真ん中にその特集記事があるらしく、他よりも場所が大きめに取られ
俺が主役だとでも言っていた
「ねーと何々」そういいながら目を走らせると
「全世界で今、黄金のカエルがすごいブーム」
そんな嘘のようなよく分からないそれこそどうだって良いような記事だが
果たして、ホノは、この記事の何処に目を付けたのだろうか、まさか
「まさかあんたこれを捕まえて売ろってんじゃないいでしょうね」
「ばれたって、そんなわけ無いで生姜」
と可愛く切り返した
「奈良どう言うことですねん」
「いやなぜに大仏の所に」
実に細かい言葉のニアンスに返してくれた隣の人のために、もう少し話に付き合うことにした
「でつまり何が言いたいわけさ」
うむ、少し唸ってから
「本当にこんなに流行ると思う、この金色のは虫類が」
「どういうことさ、現に流行ってるからこうやって」
そう言うと可愛らしくこぎみ首を振って
「いやだからそれはすなわち」
「その言葉と同時に彼女と私の頭に軽い衝撃と
間の抜けた音が響く
「これは誰かがわざと大勢のなりまたは人を使って、流行らしてんだよきっと」
「ポーーーーン ポーーーーン」
その二つが同時に鳴り
「黙れ貴様等、退学にすんぞ」
と言う博士ずらした蛙が鳴いた
鴟尾てに握られた競馬新聞なる新聞にも幸運の蛙なるものが載っていたが、それはまた別の物だろう




