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第43話:永遠の亀裂と嘘つきの子守唄

場所:フロンティエラ国 シニスの空洞迷宮、五十階層


第三周回:募る恐怖


巨大な青銅の扉が激しく閉まった。人工の朝日が翠玉の天蓋を嘲笑うような牧歌的な輝きで包んだ。


聖女イヴリンは即座に膝をつき、その聖杖が石の敷居にガチャンと音を立てた。彼女の両手は自身の喉に飛び、その美しい顔は絶対的な内臓に訴える恐怖の表情に歪んだ。彼女は口を開け、その声帯は恐ろしい真実を叫ぼうと張り詰めた――私は死んだ! 頭を肩から引きちぎられた!――しかし迷宮の絶対法則は鉄の万力のように彼女を締め付けた。一つの音も出なかった。彼女は空気を吐き出せず、その目は恐慌で見開かれた。


彼女が完全な取り乱しに陥る前に、二人の姿が彼女の隣の土に落ちた。詩織はイヴリンの左肩を、ガレス『鉄皮』は右肩を掴んだ。


詩織の目は、虚ろで疲れ果てた強烈さで燃え、聖女に固定された。詩織はゆっくりと自身の喉を指さし、次にガレスの喉を指さし、そして首を振った。私たちは知っている。私たちは覚えている。あなたはそれについて話せない。


イヴリンは傷跡のある歴戦の前衛と異世界の召喚された英雄を見た。彼らの目に、彼女は複数の死の紛れもない押しつぶすような絶望を見た。聖女の息は詰まったが、彼女はゆっくりとうなずき、純粋な恐怖の涙が彼女の頬を溢れ落ちる中で彼らを信じた。


「詩織様? ガレス卿? 大丈夫ですか?」エララが尋ね、その妖精の耳をピクピクさせながら前に出た。翔太も短剣をしっかりと握りしめ、深い心配そうに彼らを見た。「どうしたんですか? なぜ聖女様が泣いているのですか?」


詩織は立ち上がり、震える脚を無理やり固定した。彼女は額の冷や汗を拭った。「私たちは…作戦を練っているところだ」詩織は滑らかに嘘をついたが、その声は明らかに緊張していた。「ここの周囲の魔力は非常に不規則だ。陣形が整ったら説明する。少し時間をくれ」


詩織はガレスとイヴリンを引き寄せ、密かに静かに集まった。


「よく聞け」詩織はささやいた。他の者に聞こえないように声を信じられないほど低く保って。「死の心の傷が迷宮の記憶濾過を劣化させている。すぐに他の者たちも思い出すだろう。しかし私たちにははるかに大きな問題がある。死ぬたびに、私は自分の魔力回路――魂そのものが――端から擦り切れていくのを感じる。この時間の繰り返しは無限ではない」


ガレスはごくりと飲み込んだ。「あと何回だ?」


「劣化率に基づくと…十回だ」詩織は推測し、その目を暗くした。「もし十回の繰り返しを超えれば、私たちの肉体は砕ける。戻れなくなる。真の永久的な死を経験する。今ここで解決しなければならない」


第四周回:絶望と分断


「新作戦だ!」詩織は困惑した隊に向かって叫び、大剣を抜いた。「この部屋は巨大な空間の異常だ。しかし全ての部屋には端がある! 境界の壁だ! 首領に正面から挑むわけにはいかない。散開しろ! 異なる方向に走れ! 周囲を見つけろ、幻覚の弱点を見つけろ、出口を見つけろ! 動け!」


それは純粋な絶望の行為だった。


隊は分裂し、怯えた獲物のように密な日差しの森の中へと飛び込んだ。詩織は真北へと全力疾走し、そのブーツは下草を引き裂き、その呼吸は肺の中で燃えた。彼女は長い距離を走ったように感じ、小川を飛び越え、松の茂みをかき分けた。しかし森は無限に広がっているようで、進めば進むほど新しい地形を生成した。


そして、空は暗い薄暮の炭色に傷ついた。


チン。


彼女がどれだけ遠くまで走っても、ピアノの水晶のような音符はまるで耳のすぐ隣にあるかのように聞こえた。孤独の魔女は彼らを追いかけなかった。追いかける必要がなかった。彼女はただ世界の中心に座って演奏した。


ボン。


東のどこかで、ガレスの巨大な生命の気配が即座に消えた。嫌な鈍い音が森に反響した。チン。西では、エララとボランの存在が同時に消された。


次々と、遠くの音符が反響し、続いて音圧によって首をきれいに切断された死体が草の中に崩れ落ちる不気味で目に見えない音が続いた。詩織は小さな孤立した空き地に飛び出し、完全に一人で、その胸は上下していた。


暗い天蓋の上から、漆黒の黒曜石のピアノがゆっくりと浮かび降りてきた。


ぼろぼろのビクトリア朝の喪服を着た小さな少女は、ビロードの椅子に完全に動かずに座っていた。その死んだ銀色の目を詩織に固定して。


「なぜ逃げるの、お姉さん?」魔女はささやいた。その重層的な声は悪意を欠き、深い古代の悲しみだけを運んでいた。「私はただあなたに聴いてほしいだけ」


「私たちはここに属していない!」詩織は叫び、剣を下ろして異常存在に理性を訴えようとした。「私たちはあなたを傷つけたいわけじゃない! ただ通してほしい!」


魔女は青白い頭を傾げた。その繊細な指が鍵盤を撫でた。彼女は重い和音を演奏しなかった。ただ一つの、不可能なほど柔らかく、高い音の鍵盤を押しただけだった。


その音は詩織の耳を迂回し、彼女の脳の水の中で直接振動した。詩織は剣を落とし、両手で頭を覆いながら、耐え難い不可能な圧力が彼女の目の後ろに蓄積された。彼女は自分の脳が文字通り頭蓋骨の内側で膨張するのを感じ、視界は赤い海にぼやけた。彼女は血も凍るような叫び声を上げた――


第五周回:不安定な決断


青銅の扉が激しく閉まった。


詩織は叫びながら目を覚まし、その手は自身の髪を引き裂き、その肺は燃えながら草の中に崩れ落ちた。


「いや! いやだ! 頭から追い出せ!」彼女は金切り声を上げ、膨張する脳の幻の痛みが彼女を狂気の瀬戸際に追いやった。


彼女の隣で、金属の擦れる音が彼女の注意を引いた。ガレスは盾を落としていなかった。彼は戦斧を抜いていた。歴戦の上級冒険者の目は完全に死んでいた。何も言わずに、彼は重い刃を掲げ、剃刀のように鋭い刃を自身の喉に直接押し当て、音楽が始まる前に自分の頚動脈を切ろうとしていた。


「ガレス、止めて!」イヴリンは金切り声を上げ、その体全体を巨大な男の腕にぶつけ、必死に斧を彼の肉から引き離した。「女神が禁じている! 負けるな!」


少し離れて、翔太は完全に無反応だった。彼は短剣を落とし、膝を胸に抱えて前後に揺れ、森を茫然と見つめていた。彼の心の中の障壁は壊れていた。彼は死を覚えていた。隊は積極的に粉々に砕けていた。


「端を見つけたのか?」詩織は息を切らし、無理やり立ち上がり、ガレスの襟を掴んで自殺的な恍惚状態から彼を揺り起こした。「イヴリン? ガレス? 何か見つけたのか?」


「何もない!」ガレスはむせながら言い、斧を落とした。「無限だ! 壁がない! 出口がない! 俺たちは檻の中の鼠だ!」


詩織は壊れた隊を見た。戦闘は死刑宣告だった。逃走も死刑宣告だった。彼らには奇跡が必要だった。共感が必要だった。


「私の言うことを聞け」詩織は命令した。その声は危険で不安定な決意で震えた。「全てを組み合わせる。交渉する」


三十分後、ピアノがついに森の中心に降りてきたとき、隊は攻撃しなかった。彼らは密な陣形で立ち、武器は鞘に収め、その体は震えていた。


孤独の魔女が演奏のために手を上げたとき、詩織は前に出た。彼女の目は強烈な魔力で燃え上がった。彼女の魔力の絶対的な限界を使用して、詩織は高位の【幻影】の呪文を唱えた。


魔女の正反対に、きらめく半透明の幻影が実体化した。それは別のピアノであり、椅子に座っていたのは無垢な白い服を着た小さな少年の幻影で、温かく微笑んでいた。


魔女は凍りついた。彼女の繊細な指は象牙の鍵盤から数ミリのところで停止した。初めて、本物の好奇心の火花が彼女の死んだ銀色の空虚な目を突き破った。彼女は幻の少年を見つめ、別の魂の幻影に魅了された。


「あなたは…」魔女はささやいた。その声は信じられないほど小さかった。「一緒に遊んでくれるの?」


詩織はさらに一歩前に出た。その心臓は肋骨に激しく打ちつけていた。「遊ぶわ」彼女は優しく言い、幻影を維持した。「でもここじゃない。この檻の中じゃない。私たちをこの森から出して。この階層を通過させて。そして誓う、あなたが望むどこでも一緒に遊ぶと。あなたはもう孤独じゃない」


魔女は幻の少年から詩織へと視線を移した。沈黙は耐え難い永遠のように伸びた。


そして、少女の目の好奇心は死に、裏切りの暗い深淵の嵐に取って代わられた。


「あなたは嘘つき」魔女は言った。その声は一音階下がり、大地そのものを揺るがした。「みんな嘘つき。みんな去っていく」


魔女は両手を鍵盤に叩きつけた。それは斬首の和音ではなかった。それは濃密で、息苦しく、調性のない音符の塊だった。


瞬時に、隊全体が凍りついた。詩織の肺は呼吸の途中でロックされた。ガレスは歩行の途中で麻痺した。幻影は無用な光の粒に砕け散った。彼らは時間の中で停止されたのではなく、完全に意識があり、その神経系が完全に乗っ取られ麻痺していた。


小さな少女はゆっくりと椅子から立ち上がった。彼女は草の上に浮かび降り、冒険者たちの凍りついた彫像の間を歩き始めた。彼女は手を伸ばし、その凍るような磁器の指で優しく翔太の頬に触れ、次にイヴリンの髪を撫でた。


「皆をずっとそばに置く」魔女はささやいた。その声は彼らの閉じ込められた心に反響した。「永遠に。決して離れない。永遠に私の音楽を聴くのよ」


少女は椅子に戻った。彼女はゆっくりと、耐え難いほど美しい子守唄を演奏し始めた。


時間の繰り返しは初期化されなかった。


時間は前へ進み続けた。時間は日々に変わった。隊は森の中で完全に動かずに立っていた。その目は乾き、瞬きができないために苦痛で燃えた。その胃は極度の飢餓で痙攣したが、体力はゼロに落ちることを拒否した。魔法が彼らの苦しみを維持した。彼らは眠れなかった。話せなかった。ただそこに立ち、自分自身の頭蓋骨の中に閉じ込められ、魔女の悲しみの終わりのない繰り返される旋律を聴くことを強制された。


それは死よりもはるかに悪い心理的拷問だった。それは永遠の絶対的な残酷さだった。


自身の体の牢獄の奥深くで、詩織の精神は砕けつつあった。闇が彼女を完全に飲み込もうとしていた。しかし彼女は水準二百一の意志力の全ての一片を集めた。彼女は全ての魔力、全ての意図を、麻痺した声帯に集中させた。純粋な身体的な負担から涙管から血が漏れ始めた。


ゆっくりと、耐え難いほどに、彼女の唇は一ミリ開いた。


「お願い」詩織はささやいた。


その一つの掠れた言葉は、雷鳴のように音楽を切り裂いた。


魔女は演奏を止めた。彼女はゆっくりと頭を向け、麻痺し、出血し、絶対的な支配に逆らって慈悲を請うために自分自身を奮い立たせた壊れた少女を見た。


少女は詩織を長い間見つめた。そして、一つの水晶のように澄んだ涙が魔女の青白い陶器のような頬を伝った。


彼女はピアノに戻った。彼女は嬰ニの音を叩いた。


第六周回:砕けた心


青銅の扉が激しく閉まった。


詩織は今回、ただ叫んだだけではなかった。彼女は痙攣した。彼女は草の中で暴れ、自身の喉を引き裂き、その精神は終わりのない麻痺と飢餓の主観的な日々によって砕けた。彼女が瞬きできること、呼吸できることに気づくまでに数分かかった。


しかしゆっくりと起き上がり、息を求めてあえぐと、隊の周囲の音が彼女の耳に届いた。


彼女だけが叫んでいるわけではなかった。


ガレスは制御不能に泣き叫び、その顔を土に埋めていた。エララは過呼吸になり、その妖精の耳を掻きむしっていた。ボランは激しく吐いていた。ゆあ、めい、和良、佳志は互いに抱き合い、純粋無垢な恐怖で泣き叫んでいた。


『永遠の罠』の心の傷はあまりに巨大だった。それは迷宮の記憶濾過を完全に粉砕していた。部屋の中の全員が今、時間の繰り返しを覚えていた。彼らは斬首を覚えていた。彼らは終わりのない麻痺の日々を覚えていた。


残り五回の周回があった。彼らの精神は完全に壊れていた。しかし恐怖の中でも、詩織の震える手は拳を握りしめた。


彼女は魔女が泣くのを見た。


異常者の鎧にひび割れがあった。そして詩織はそれを粉砕するか、死ぬまで挑戦するつもりだった。


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