祝?クレー厶第一号
エスピトラ第二章、開幕です
「ふぅ、ふぅ。はぁ、やっと着いたぁ……」
事務所前に一人の男が来た。息を切らしている。
淡い青色の髪に、氷のような角―――ナルだ。
退院して一番に、放置されているであろう事務所に向かったのだ。
営業再開に向け、掃除でもしようか。
そう考えたのが理由である。
ポケットを漁り、鍵を探す。
その時。
「あんた。ここの人?」
後ろから声をかけられ、振り返る。
一人の男がいた。年は高校生くらいに見える。
「え?はい。そうですけど……」
ナルの答えを聞いた男は、なぜか睨んできた。
「あんたらのせいで困ったことになってんだよ!どうしてくれるんだよ!」
途端に怒号が飛び出した。
「ちょっ、ちょっと待ってください。お話は中で聞きますから」
突然の怒号に驚いたが、なんとか冷静に対応した。
ナルがドアを開け「どうぞ」と招き入れた。
▲ ▲ ▲ ◆ ▲ ▲ ▲
「あの、それで。困ったこととは」
彼をソファに座らせ、お茶を出す。
「なにとぼけてんだよ。あんたらが俺に変な術をかけたせいで、大変なことに―――」
「変な術?」
ナルは首を傾げた。
全く身に覚えがないことだ。
エスピトラの就業規則では『人間に対し妖術を使うことは、緊急時以外は認めない』とある。
自分はもちろんやってないし、他の三人がやるとは思えない。
それに―――
「あの。変な術って、どんな術ですか」
自分は氷を生み出す。オキミは超能力。
オグのは他者に干渉する能力じゃないし、ひなとは【結果術】以外持っていない。
彼の言う“変な術“をかけられる社員などいないはず。
「はあ?“女子にモテる術“だよ。あんたじゃなくて、ガキが俺にかけたはずだ!」
「ガキ……?」
子どもと言われたら、ひなとしか思い浮かばない。
しかし、ひなとは活動記録係である。営業には全く関与しない。
それにそんな術、持っていないし―――
(もしかしたら。この人、勘違いしてるのかも)
その可能性の方が高いと考えた。
「それってどんな子ですか」
「あ?いるだろ、あのガキ!黒髪でおさげで、目になんか、花みたいな模様があるロリが―――」
「いません」
「は……?今なんて言った―――」
「だからいません、そんな子。天然パーマで目が黄色くて丸い、男の子ならいますが」
「は、はあ……?」
男は目を見開いて、信じられないと言わんばかりの顔になった。
「で、でも!あのガキは『エスピトラ』って言って」
「『エスピトラ』は人助けって意味の言葉なんです。彼女、そっちの意味で使ったのかも」
「なっ。なあ……」
口をわなわなと震わせる男。顔がみるみるうちに、赤く染まっていく。
「じゃあ俺は―――」
「勘違い、されたみたいですね」
ゆっくり、彼は手で顔を覆った。
「……ごめんなさい……」
先ほどの気迫は無くなり、弱々しい声で謝ってきた。
「大丈夫ですよ。誰にでもあることですし」
「はい……ありがとうございます……」
少しして、顔から手を放した。
「勘違いで責めたりなんてして、すみません。帰ります」
「あ。待ってください!」
ドアノブに手をかけた男を止める。
「え。何ですか」
「ここは便利屋エスピトラですよ?あなたが術をかけられて困っているのなら、おれ達がその術を解いて解決します」
「え。俺を助けてくれるんですか……?」
「はい。それが仕事ですから」
彼はナルに向き直り、深く頭を下げた。
「ありがとうございます!」
再び、向かい合って座る二人。
「あなたのお名前は?」
「俺は責句 恋望です」
「恋望さん、ですね。おれはナル・アイシスです」
ナルは自己紹介しつつ、持ってきたバインダーにメモを取る。
「それで。その女の子のことなんですけど」
「はい」
「目に模様があったんですよね」
「はい。何というか、花を簡易的に描いた感じの」
「ここに書いてもらえますか」
バインダーを机に置き、彼にペンを手渡す。
「はい。えっと……こんな感じで……」
縦線の上に二本の線がクロスした形―――これは
「アスタリスク?」
「あ!!」
急に恋望が声を上げた。
「ど、どうしました?」
「そうだよ、そうそう!アスタリスク!あの子、そう名乗ってました!」
「アスタリスク……か」
その名前を拾い上げ、考える。
おそらく妖人だろうが、そんな子は知らない。
目にアスタリスクの模様というのも初耳だ。
「頭はどうですか」
「頭?」
「はい。何か付けていませんでしたか」
恋望は、首を横に振った。
「いえ、何も」
「っ―――!」
そんな、まさか。
(角のない妖人―――!?)
角のない妖人は、形式を所持することができない。
しかし、他とは違う特性がある。
それは―――妖力の量が膨大であることだ。
例えば、ナルと同じ年の同じ生活をしてきた、角のない妖人とナルが横に並んだとしよう。
二人の妖力を山に例えるとすると。
ナルが富士山なら、その妖人はエベレスト。
二人の妖力の差はあまりにも大きい。
角のない妖人は稀に産まれる。
一族として存在しているのではなく、普通の家庭に一人生まれるのだ。
人間で例えるなら、アルビノだとか、オッドアイだとか。そういう類と同じ、突然変異の存在なのだ。
ここで疑問になるのは、どうやって術をかけたかということ。
形式を持てないことから、何かしらの道具を使って術をかけたと考えられる。
「その子、何か道具を使ってましたか」
「え〜。なんか、魔法のステッキみたいなのは持ってましたけど」
「魔法のステッキ……」
それに形式が彫られていたのだろうか。
(にしてはピンポイントすぎるでしょ。“女の子にモテる術“だとか)
そんな道具、実在するのだろうか。
「あの。そもそもどうして、そんな術かけられたんですか―――?」
恋望は俯いて、ため息をついた。
「あれはたぶん、一週間くらい前だったと思います―――」
ぽつぽつと、俯きながら話し始めた。
▲ ▲ ▲ ◆ ▲ ▲ ▲
恋望はモテたかった。
年齢=彼女イナイ歴である彼は、デートの経験も告白されたことも無かった。
モテる友達の仕草や言動を真似してみたり、今をときめく若手俳優の髪型に寄せてみたり。
色々な工夫をした。しかし、その努力は実らなかった。
(モテたいぃぃぃ!!彼女ほしいぃぃぃ!!……)
毎日、それが叶う日を願っていた。
そんなある日のこと。
休日で、気まぐれに近所を散歩していた時。
「ん……?何だ、あれ」
生け垣の中に、輝く何かを発見した。
近づき、そっと手を伸ばして触れてみる。
固い感触。表面はガラスのようにつるつるしている。
それに―――
「冷たっ―――!」
とても冷たかった。
あまりの冷たさに、一度手を引っ込めてしまった。
今度はしっかり掴んで、ゆっくり取り出す。
それは歪な形をした結晶だった。
色は群青色。ずしりと重さが伝わってくる。
大きさとしては、片手に収まるくらい。
何かの原石なのだろうか。
じっと、その謎の石を観察する。
そうすると、なぜだか悲しくなってきた。
理由なんてない。その物体を見ていると、悲しみがこみ上げてくるのだ。
(涙が流れているんじゃないか?)
気になって目頭に触れて確認した、その時。
「お兄しゃん」
後ろから声をかけられた。
振り返ると、そこに一人の女の子がいた。
腰に手を当て、仁王立ちする彼女。
胸を張り、堂々としている。年は6歳くらいか。
鮮やかな緑色の瞳には、変わった模様がある。
「なに?」
「今、なんか変な石、拾ったでしょ」
彼女は恋望の持つ石を指さした。
「ああ、これ?今さっき拾ったとこだけど―――」
答えると、彼女はこちらに手を伸ばしてきた。
「それ、あちきにちょうだい」
「は……?」
女の子は首を傾げ、顔を近づけてきた。
「聞こえなかった?だから、それをあちきにちょうだいって」
「は……?これ、欲しいのか……?」
「うん」
一度、その石に目を落とす。
自分の物ではない。今さっき拾っただけ。
何か特別な事情があるわけでもないが―――
(渡していいのかなぁ……)
その石をじっと見ていると、やはり悲しくなってくる。
“見つめると悲しくなる石“
危険物というわけでもないが、奇妙な効果を持っている。
そんな物を6歳の女の子に渡して良いのだろうか。
「もちろん、タダでとは言わないの」
「え?」
女の子はリュックから、ステッキを取り出した。
百円均一で売っているような、チープな物だ。
「渡してくれたら、お兄さんの願いを1個、叶えてあげる!あ。“願い事を増やして“はダメだから!」
「はい……?」
彼女の言うことが想定外すぎて、唖然としてしまう。
「えっと、つまり。これを渡したら願いを叶えてくれんの?」
「そう。あ。あちきの名前はアスタリスクなの!」
「あす……うん。分かった」
長い名前だ。覚えにくい。
「この《魔法のステッキ》はすごいんだから!これを使えば何でも―――大抵のことは叶うんだから!」
(あ。今、言い直した)
信用性が少し薄れた。
まあ、そもそも魔法なんてもの、信じていないが。
話していて分かったことだが。
この子はどうしても石が欲しいらしい。
(俺は別にこの石いらないし、渡そうかな)
こんなにも欲しがっているのだ。
奇妙な効果があっても、あげたくなってしまった。
「ほら。これ、あげる」
恋望はアスタリスクに石を手渡した。
「ありがとう!それで、願いは?」
「え?あ、ああ―――」
どうやら願いを叶えるつもりらしい。
少し戸惑ったが。
(まあ、この後も予定なんて無いし。魔法ごっこに付き合ってあげてもいいかな)
気まぐれで、遊びに付き合ってあげることにした。
「ん〜。じゃあ、女子にモテたいかな」
「分かったの!」
アスタリスクは杖を振り、恋望に先を向ける。
「【ジルエテ・オエ・ダユイス】女子にモテますよ〜に!」
謎の呪文を唱えた。
すると、杖の先からピンクの光が出てきた。
「え……」
その光は恋望の体を包み込み、中に入っていった。
「は……。なに、これ―――」
現実離れした光景に、開いた口が塞がらない。
「はい!これで完了!明日からモテモテまちがいなしなの!」
「本当にかけた……のか?」
「うん!お礼はいらないの。“エスピトラ“精神に沿ってやったまでだから。何より、ほしい物が手に入ったし―――」
アスタリスクはニヤリと不適な笑みを浮かべた。
「それじゃ、バイバ〜イ!」
上機嫌で鼻歌を歌いながら、去って行った。
一人残された恋望。
しばらくして。
(はっ……!)
現実に戻ってきた。
(一体何だったんだ、あれ。いや、まさか―――)
自分の手の平を見つめる。そこに謎の石は無い。
もしかしたら、全部夢だったのではないだろうか。
謎の石も、アスタリスクも、彼女のステッキも。
(そう、そうだよ。全部、夢だったんだ―――)
そう考え、落ち着きを取り戻す。
そうして落ち着いたら―――どっと疲れた。
(帰ろう……)
恋望はとぼとぼと、帰路についた。
▲ ▲ ▲ ◆ ▲ ▲ ▲
「と、まあ。そんな感じで術をかけられたんですよ」
「そうなんですね―――」
ナルは話の内容をメモする。そして考える。
(アスタリスクちゃんの持つステッキ。あれは“モテる術“専用じゃなくて、任意で術を入力する道具なのか―――)
冷静に分析したが、これは信じ難い事実だ。
(そんなにも高度な技術が詰まった道具、一体誰が造ったんだ)
そのような道具を造れるだなんて、その者はきっと熟練の研究者であり、開発者なのだろう。
明らかに現代の開発者達の遥か上をいっている。
そんな妖怪が、現代に存在しているのか―――
寒気がして、肩を抱く。少し身震いもした。
「ナルさん、どうかしました?」
「あ。いえ、何でも……」
平然を装う。顧客を不安にさせるわけにはいかない。
「それで。術をかけられた後は」
恋望は再び俯いて話し始めた。
「翌日からクラスの女子達が一気に押し寄せてきたんです。全員に告白されましたよ。その時はとても良い気分で、嬉しかったんですけど―――」
恋望は口を固く引き結び、一拍置いてから続けた。
「なんか―――全員重くて。誰か一人と話すと嫉妬して、責められるんです。昼食の時には作ったおかずをいくつも食べさせられたり、休日に無理やり予定を組み込まれたりしました。あ。それと!」
顔を上げる。
「どうやらこの術は、人間以外にも効果があるみたいで!歩いてる時に、野良の猫とか犬とか、カラスとか。昨日なんてヘビに追われたんですよ!?」
話している途中から、恋望は前のめりになっていた。
「あ。わ、分かりました……」
勢いにたじろき、少し下がる。
「あ……す、すみません……」
恋望は姿勢を戻し、再び俯いてしまった。
「その。モテたは良いけれど。女性達の向ける愛が重くて困っている、ということですか」
「はい……」
「なるほど―――」
ナルはメモを取り終えると、腕を組んだ。
「ん〜……経緯は分かりました」
「それで。解いてくれますよね……!?」
恋望が再び前のめりになる。
「そのことなんですけど。実は、おれには解けないと言うか―――」
「え……」
恋望の顔から色が消え失せ、動揺が見て取れた。
「そ、そんな……じゃあどうすれば―――」
「落ち着いてください」
ナルが恋望の両肩を軽く叩く。
「解ける人を呼びますから」
ナルがスマホで電話をかけてから、30分後。
誰かがドアをノックした。
「どうぞ」
入ってきたのは
「久しぶりだねぇ、ナルくん」
細い木で体が構成され、深い皺が体に刻まれている木精―――桜寿だ。
「突然の頼みを聞いてくださって、本当にありがとうございます。桜寿様」
「いやいや、別に良いんだよ。それよりも。術を解いてほしいお客様とは、彼のことかね?」
「はい」
桜寿は恋望の方を向く。
恋望も桜寿のことを見ている。ぽかんと呆気に取られた表情をしながら。
「初めまして。このエスピトラの、オーナー兼社長をさせていただいております、桜寿と申します」
「あ。は、はい……初めまして……」
桜寿が深く頭を下げる。釣られるように、恋望も頭を下げる。
桜寿は【取消】の術を習得している。
能力は“何かしらの能力の効果を消失させる“ものだ。
この術の対象は、妖怪の造った道具に限定される。
しかし、全ての道具が対象ではない。
今回のステッキのように、“対象に術を付与する“といった効果は取り消せる。
例えば、場所を移動するだとか、時を跨ぐだとか。
そういった、“効果が一瞬で満たされ、残らない能力“は取り消せない。
それと、道具によって命を絶たれた者を蘇らせることも不可能だ。
特例なのは天突。かの道具は“蘇生能力を付与する道具“なのだが、生ける屍を人間に戻すことはできない。
「さて。それじゃあ、失礼しますねぇ……」
桜寿は恋望の頭に触れた。
すると、その手から青白い光が出てきた。
恋望の頭を包み込む。
「うわっ……!」
「動いてはいけませんよ」
桜寿は恋望の頭を掴み、動くのを制止する。
「は、はい……」
5分ほど、その状態が続いた。
「はい。もう大丈夫ですよ」
桜寿が手を離し、恋望は己の全身を見渡した。
「目に見える形ではありませんが、術は解けました」
「ほ、本当に……?」
恋望はまだ心配しているように見える。
ピロン
すると、スマホの通知音が鳴った。
一つ鳴ったかと思えば。
ピロン、ピロン、ピロン、ピロン
二つ三つ、四つ五つ。
ピロン、ピロン、ピロ、ピロピロピロピロピロ―――
音は連なり、止まることを知らない。
全ての音は恋望のスマホから鳴っているようだ。
「ちょっとすみません」
恋望がスマホを確認する。
少し操作して画面を見た瞬間。
彼の顔は驚きに満ちていた。
「これ―――」
こちらに画面を向けてきた。
それは、よくあるメッセージアプリの画面。
内容は―――
『ごめん、別れてほしい』
『私、恋望のこと好きじゃない』
と、破局を望むメッセージだった。
「告白してきた女子、全員から来てます……!」
「全員『別れたい』って?」
「はい―――」
恋望は画面を自分の方に向き直した。
唖然とした表情で画面に見入っている。
「彼にかかっていたのは“異性にモテる術“だったのかね?通りで初めて触れた感触だったわけだ」
「え―――!?」
桜寿様が知らない―――!?
「桜寿様、ご存知じゃなかったんですか」
「ああ。そんな術、初めて聞いたよ。それで。彼はどんな道具で、どのように術をかけられたのかね」
(あ。そういえば言ってなかった……)
『緊急の用件』と伝えただけで、まだ詳しい話をしていなかった。
「あ。はい。えっとですね―――」
なぜ恋望はそんな術をかけられたのか。事のあらましを話した。
「任意の術を入力する、【叶】の術か」
「知ってるんですか」
「まあ。しかし、簡単な術ではない」
「そう、ですよね」
「むう。それに―――」
桜寿はそれ以上続けず、黙り込んでしまった。
「あのぅ……」
ずっと画面に見入っていた恋望が、遠慮がちに話しかけてきた。
二人が真剣な顔で話していたため、入ってもいいのか不安なのだろう。
「あ、はい。どうかしましたか」
「その。とにかく、術を解いてくださり、ありがとうございました」
深く頭を下げてきた。
「そんな。これが仕事ですから」
「本当にありがとうございます。ちょっと寂しいけど……これで日常に戻れます」
「恋望さんが満足したなら良かったです」
ナルと恋望は互いに笑った。
「あ。それで代金は」
「え。ああ、そうですね―――」
ナルはちらっと桜寿の方を見る。
「今回は妖怪が少し絡んでいるからレベル3。代金は1,800円です」
「え!?」
恋望が口元を押さえ、驚愕の表情を見せる。
「いいんですか、そんなに安くして!?」
「ええ。構いませんよ。弊社は、利益よりもお客様の確実な満足を優先しておりますから」
「そうなんですね。じゃあ1,800円」
恋望が代金をナルに手渡す。
「確かにいただきました。またのご利用、お待ちしております」
▲ ▲ ▲ ◆ ▲ ▲ ▲
エスピトラ事務所から自宅に戻った桜寿。
座椅子に座り、湯呑をぼんやり見つめている。
「どうかされましたか」
茶菓子を机に置きながら、オグが聞いた。
「ナルくんに緊急の用件で呼ばれただろう?そのことについて、少し考えていて」
「何があったんです?」
桜寿は事務所での出来事を話した。
「角のない妖人の少女。【叶】の術が彫られたステッキ。“見つめると悲しくなる石“―――」
オグは神妙な面持ちで顎に手を当てた。
「まさか奴が―――」
「ああ。動き出したのかもしれない。その、アスタリスクという子は奴の協力者なんだろうね」
二人は何も言葉を発さなくなった。
重苦しい、沈黙が訪れる。
何かが始まっているのを、二人は感じた―――
今回のお客さんの名前は、最後まで決められなかったです。
愛望か恋望か。どちらにしようか迷いました。




