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88.キラくんの行動を観察する その18

 

 

 目の前にいたキラくん――――目を隠すように前髪を垂らし、腰まで伸びる紫がかった銀髪を三つ編みにして後ろに流している。

 尖った笹葉のような耳を見て確信する。キラくんだっ!

 あたしは声を上げてジャンピング。驚いた顔をしたキラくん目掛けてダイブっ!!


 次の瞬間、見えない壁にぶつかって弾き飛ばされ転がり動けなくなってしまう。あれ?何でぇ?

 身体は動かず目も何故か眩暈のようにくらくらしているが、耳だけは聴こえる。

 なので、倒れた次の瞬間にドスドスドカンという衝撃音とボフッという叫び声とドタタンと何かが倒れる音が響いてくる。

 あ、これ状態異常の気絶?だったか。


 あぅ〜、身体が動かず目玉がクラクラするのは何とも気分が悪い。そういやゲームやってて状態異常って罹ったことなかったわ、あたし。

 すると誰かがあたしの側にやって来て、あたしをひょいと担ぎ上げ移動を始める。

 歩く動きで身体が揺さぶられるので、気持ち悪くなってくる。うぇ。


 ようやく動きが止まり何かに寄りかかる感触をうけ、水の様なものをバシャリと掛けられるとさっき迄の気持ち悪さがすっかり無くなり、周囲の様子がはっきり認識できるようになる。

 ここはさっき迄いた雑木林みたいだ。

 心配そうにこちらを見ているエルフの青年。


 あ、キラくん発見!!


 あたしはキラくんに抱き付こうと動いた瞬間、顔面にズバシと衝撃が来る。てか叩かれたぁ?

 そして落ち着けと声が掛かる。

 痛みに顔を顰めながら声の方を見ると、ハリセンを持ったラミィがまったくぅと言った顔でこっちを見ていた。

 あたしが文句を言おうとすると、ウリスちゃんも同様に声を上げる。あんたも叩かれたのね。


 ラミィの説明せっきょうを受けて、PC同士の無用な接触を避けるために安全壁セーフティーウォールが設定されてたのを思い出す。忘れてたよ。

 フレンド登録をすればそれは解除されるので、あたしはキラくんにすぐにフレンド登録の申請をする様に頼むけど、何かあたしのことを見て戸惑ってるみたいだ。はて?

 あ、そうだ!あたしがキラくんへ申請すればいいんだ!さっそくあたしはメニューを開きフレンド申請をキラくんに送る。

 ウリスちゃんと挨拶をしてるキラくんに申請を送ると、認証のリプライが返って来た。


 あたしは久方振りの感触を味わおうとキラくんに抱きつく。

 キラくんの身体の感触を全身で味わいながら、匂いを嗅ぐ。キラくんのにほい〜〜〜っ!っ!?むっ、違う。いつものキラくんの匂いじゃないっ!!

 つい呟きが漏れはするが、抱き締める感覚は紛うことなきキラくんなので、しばらく堪能してるとラミィにお尻をスパンスパンスパンと叩かれる。痛っ!それ地味に痛いんだけどっ!!

 あまりの痛みにキラくんから離れてラミィに文句を言うけど、キラくんを指差し困ってる事を告げられると、戸惑いながらこちらを窺い見るような仕種に、あたしが思わず口を滑らすとハリセンが頭に飛んでくる。痛っ。


 さすがにバツが悪いと思いあざとく謝る。

 キラくんがちょっと怒った時にするあたしの仕種だ。

 いつもならしょーがないなーって顔で許してくれるのだけど、なんかいつもと反応が違う感じだ。

 でもすぐに表情を戻し、いつもの感じで話をしてくる。

 

 だけどあたしと分かっててこの態度はやはりおかしい。ってそうだ!あたしPC(キャラ)いじってたんだ(またかよ!)。

 だからキラくんはいつもと違うあたしに戸惑っていたのかも知れない。

 んー普段と違うキラくんを見るのは、ある意味格別かも。いや、リアルのあたしじゃなくゲーム(こっち)のあたしに動揺するのって問題じゃない?………これはおいおい考えていこう。たぶん慣れるでしょ。


 ラミィがキラくんに挨拶してると、秘書ちゃんがツッコミを入れてる。何を言ったんだろ。うぬぬ聞いてなかった。

 そんな感じでみんなが挨拶を交わしてるので、あたしもそれに倣いキラくんに挨拶をする。

 あたしの名前を聞いてちょっと首を傾げる。ん?変かな。


 そしてキラくんとヤマトが対面する。


 1人はPC(ヤマト)を操作していた人間。

 今一人は人間(キラくん)に操作されていたAI。


 どんな邂逅となるかとあたしはコクリと喉を鳴らす。そもそもの発端はあたしなのだ。巻き込んだ人間としては見届けなければならないと、そんな思いが胸をよぎる。

 けどあたしのそんな思いとは裏腹に、それはあっさりと終わってしまう。


 ヤマトが拳を前に差し出すと、キラくんもそれに合わせるようにコンと拳を当てる。

 トン、トン、ガツン!

 拳をぶつけ合いそれでお終い。そして互いに自己紹介をし笑い合う。

 それだけ。まるで人間同士みたいに。

 あたしはついと口を緩める。


 ただの数字の羅列が組み合わされ意味を持ち、時を経て研鑽と計算と演算を、人が認識し得ない途方もない程の数を繰り返し人と同じ意志を得るまでに辿り着く。

 人とは違う進化を進む肉体を保たぬ知性(AI)はどこに行き着くのか。

 まぁ、あたしが考えることではないか。あたしが出来るのは身近にいる人達を守ることぐらいだ。もちろんキラくんが1番だ。


 キラくんがしゃがみウリスちゃんへ挨拶をしている。

 ウリスちゃんもボフボフ言って前足て地面を叩いて応えている。

 そこへキラくんが何故かウリスちゃんの頭を撫で始める。

 なでなでなでなで。

 感触が気持ちいーのか口元に笑みを浮かべながら撫で廻している。


 さらに撫でまくっていると、ウリスちゃんが感極まったようにひと鳴きしてバタリと四肢を投げ出して腹這いになってしまう。

 キラくんはどうしたのかとあたふたウリスちゃんを見ている。

 あたしとラミィと秘書ちゃんはお互い顔を見合わせ、くすりと笑い合う。


「たらしだな」「だらしだねっ」「たらしですね」「たらし?」


 みんなで同じ事を言ってしまった。ヤマトだけは別か。

 キラくんはがっくり肩を落とすと、その時ピゥとキラくんの頭の上で何かが鳴く。

 そこには青色のヒヨコのような姿をした杖を持ち三角帽子をかぶった鳥がいた。

 そしてあたしたちを見回した後、杖を上へと掲げて挨拶してきた。


「アトリ、よろ」


 キラくんばかりに見ていたので、全く気づかなかった。どうやらキラくんはアテスピのシークレットイベントをクリアして取得したようだ。

 何ともかわゆいアテスピだ。しっかしあたしが言うもの何だけど、どんだけ種類がいるんだ?アテスピは。

 アトリちゃんの姿を見て皆がほっこりしてる。まるで【魅了】スキルでも持ってるかのようだ。

 でもこんな時でもしっかりイベントをクリアする辺り、さすがキラくんである。


 あたしがキラくんを褒めると、ラミィも感心したようにその事を口にする。

 レリィの時もそうだが、かなり嫌らしい難易度にしてるのだろう。ちっ。

 それにタイムトライアルがあれば自ずと注意は逸れていく。

 ま、大概のPCはナビスピ取得す()るだろうし、気にもしないか。いや、ネトゲユーザーは妬むのは得意だから、逆恨みもあるか(若干偏見含む)。


 キラくんにジト目で見られ、ラミィは弁解するようにフォローしてクリアできなかった場合はナビスピを渡してると告げる。

 おそらくキラくんはララちゃんのことを思い出して、アテスピのことを考えてしまったんだろう。

 あたしは安心させるようにキラくんの肩をポンポン叩く。大丈夫だよ。失敗したアテスピのAIもちゃんと別のNPCへ生まれるようにしてるから。


 これはララちゃんの事があったので不確定要素ではあったけど、もしアテスピのイベントがあった時はフォロー出来るようにシステムを組んであったのだ。せめて何がしかの救いがあればと思ったのだ。

 あたしの自己満足ではあるけど、出来る事があればとこっそり組み上げていた。


 キラくんはあたしの笑顔にどぎまぎしながらこちらを見やる。

 んー新鮮であるけど、いつもの調子じゃないとちょっと寂しい感じだ。う〜ん。

 そう言えば、さっきからララちゃんがキラくんの後ろに回り込む様に動いている。何やってんだろなぁ―と思い見ているとピタリとキラくんお背中に張り付いてから声をかける。


 その声にキラくんが後ろを見ようと右往左往している。何気に面白い。アトリちゃんに注意されてピタリと動きを止める。

 ララちゃんが甘えてるのを見てるとあたしもウズウズしてくる。いいよね、いいよね?

 ウリスちゃんもボフボフ言って前足で地面を掻いている。


 だけど頭の上にいたアトリちゃんがパタタと飛んで、キラくんに貼り付いてるララちゃんに杖で頭をパコパコ叩き始める。

 片翼で羽ばたきながら杖で叩いてる姿は何とも器用なものだ。

 あまりに叩かれてララちゃんは降参して背中から離れ正面に現れてキラくんを驚かせている。


 そりゃあ驚くわな。小っちゃかったララちゃんが幼稚園児並みの大きさになっていればあたしもビックリしたし。

 クラスアップとは従魔モンスターのレベルがある程度上がった時に起きるものだ。

 とは言え従魔自体パーティーメンバーの1枠を食う為、スキルを持ってるPC(プレイヤー)もそう多くないので知ってる人間もそれ程いない。

 掲示板で報告があるくらいかな。(主にモフモフ好きとか)


 ヤマトと2人の話はラミィから聞いてはいたし、現在は第3サークルエリアまで行っているというので、クラスアップも当然という訳だ。

 ただキラくんが、アテンダントスピリットのララちゃんがレベルが上がっていることを不思議に思っていた様なので、ララちゃんが自分が従魔モンスターになったことを力説している。


 そもそもは、あのキラくんが起こしたグランドクエストに端を発する。

 ララちゃんはヤマトがキラくんの元を去るかのような物言いで、グランドクエスト参加を理由にアテンダントスピリットから従魔モンスターへのシフトを望んだのだ。

 あの時はただグランドクエストに参加したかっただけなのかと思ってたけど、結局はララちゃんの予測通りとなった。


 きっとキラくんがこのゲーム(せかい)にやってくるのを見越して、或いはそう信じて(これは穿ちすぎか)。まぁ、結果論だけどね。

 ララちゃんが拳をふりふり熱弁してるのを見て、アトリちゃんが舌鋒鋭くひと言を発する。この子も何気に黒い気がする。

 おっそうだ。ララちゃんのこともあるから、さっそく渡しとかないと。


「というわけで、これ渡しとくねラギくん!」


 おっと危うく名前を呼び違うとこだった。ゲーム内ではPN(プレイヤーネーム)じゃないと。

 そしてラミィに買ってもらったスキルをキラくんへと送る。

 ホロウィンドウを見て目を丸くした後、少しジト目であたしを見る。

 渡したスキルを見ればあたしの目的が透けるように垣間見えるのは自明の理だけど、あたしが自重することはない。


 ララちゃんのアシストがありながらでも、モニター上から作り上げた料理があれだけ美味しかったのだ。

 VR(なまみ)の身体を持ったPCキラくんなら、ここでも美味しいご飯を作ってくれるに違いないのだ。

 もちろんキラくんが嫌なら無理強いはしない………と思う。

 でもあたしのお願いならキラくんはしょーがないなぁと言いつつ作ってくれるだろう。うん。


 すぐにスキルをセットするようにキラくんを促し、セットしてのを見て取るとヤマトと視線を交わす。

 ヤマトがホロウィンドウを操作してキラくんへメッセージを送る。

 キラくんがそれを見て言葉少なに驚きを声にする。


 従魔譲渡申請。


 【従魔】スキルを持つ者同士、従魔モンスターの交換トレードもしくは譲渡が可能になる。

 これは、【従魔】スキルセットしたてのPCに先輩プレイヤーが融通したり、モンスターをコレクションしてるPCが互いに気になったモンスターを交換トレード出来るシステムだ。


 モンスターをテイムする確率があまりにも低いのでPC(プレイヤー)からの苦情、要望により作られたシステムになる。

 上限は特に無くただパーティーの上限数を超えると、【従魔》スキルの項目に名前だけが表示されることになる。(テイム数が少なすぎてそこまで行ってないのが実情)

 だったら確率上げろって話だけど、それはやらないらしい。(主にゲームバランスの問題で)


 キラくんがヤマトとララちゃんとウリスちゃんに問い掛ける。

 ヤマトは無言のまま笑顔を見せ、ララちゃんが皆を代表するようにキラくんに答える。


 一緒に冒険し(あそび)たい。


 うん、まさにMMORPGの原点であり、本道。一緒に遊び一緒に楽しむ、そんな当たり前の原理。

 ララちゃんの言葉に、ラミィも秘書ちゃんももちろんあたしも。

 胸の真ん中がポワンと暖かくなってくる。


 数多あるゲームの多くは点数ポイントを稼ぎ高順位ハイランクを目指すもの、もしくは相手に勝利すること。要は誰かと競い争うことだ。

 だけどMMORPGには別の1面もある。確かに誰かより先に進む、レアアイテムを手に入れる等、競い争うことももちろんある。


 でも仲間と一緒に遊ぶ。喜びを苦しみをわかちあう。互いに笑い合い楽しむ。キレイ事かも知れない。戯言たわごとだろう。でもあたしとミラが求めるのはそんなゲーム(もの)だ。そうでありたいと思う。


 キラくんが了承すると、ララちゃんが小妖精の姿に、ウリスちゃんの姿は以前のウリ坊の姿へと変化した。

 これで2人はキラくんと新たな冒険を始めるのだろう。うん。

 ラミィがからかう様に今の様子を話しだすと、あたしもそれに乗っかる様にそれに倣う。止めは秘書ちゃんがしてくる。

 キラくんがテレテレしてると、ヤマトがひと言告げて手を挙げこの場から立ち去る。


 ララちゃんとウリスちゃんがその背に万感の想いを込めるようにありがとうと声を上げる。ウリスちゃんもそれに続くようにひと鳴きする。

 ヤマトは片手を上げてそれに応える。そしてヤマトの周りにPC(プレイヤー)が集まり、笑い合いながら行ってしまった。

 ヤマトには彼の進む道(ストーリー)があるのだ。


 ヤマトが去った後キラくんが他に用があるのか聞いてきたけど、あたしは本当にスキルを渡したかっただけので、そう答えようとしたら、ラミィがあたしの口を抑えてキラくんにパーティー組んで遊ばないかと提案してくる。おお、ナイス。

 キラくんはしばらく逡巡していてから、ラちゃん達に相談してからお願いしますと言ってくる。


 あたしもラミィの言葉に割り込むように返事し(睨まれた)、再度挨拶を交わすと、ラミィと秘書ちゃんがアトリちゃんのかわゆさに心を鷲掴みされ悶え、2人のアテスピに白い目で見られてそれを宥めたりしていた。

 その後アテスピを紹介しあってからキラくんをリーダーにしたて上げ、これからの目標?みたいなのを聞くと、ラビタンズネストに行ってみたいと言ってきた。


 っ!!!


 そっ、そうだ!忘れてた。くうっ、何であたしは忘れてたんだ!!

 ラビタンズネスト。ウサたんの楽園があったことを!!

 ラミィも呻くように言葉を漏らす。

 彼女にもスクショを何枚も見せて悶えさせたことがあったのだ。それを思い出して地団駄を踏んでいるのだ。


 ヤマトが攻略したものなので、ヤマトのパーティーメンバーしかハーミィテイジゾーンに入ることが出来ない。

 ヤマトのログはレイちゃんが管理することになったので、おいそれと覗くことが出来ない今、1から攻略するしかないのだ。

 ぐおおっと2人で悶えてるのを余所にキラくんと秘書ちゃんで今日の方針を決めて行っていた。

 そこで秘書ちゃんが名前をそう呼ぶように繰り返している。威圧が半端ない。うん、あたしもそう呼ぶよ。うん。

 アトリちゃんも威圧に負けてるし、しょーがない。うん。

 スキルを買いに行く前にアテスピの紹介をしあう。レリィを始めみんなのアテスピを紹介し終わった後、スキルショップへ行くため移動を始める。


 キラくんが街の中をきょろきょろ見回しながら歩いてるのを見ると、何ともぽやや〜んとした気持ちになる。

 ラミィもおんなじ気持ちなのか、あたしにその事を話し掛けてくる。ひ……アンリがそれに追随する。 それを聞いていたキラくんがうろたえながら前を見て歩いていく。

 ララちゃん達がフォローしてるけど、ちょっとだけへこみ気味だ。


 スキルショップに入ると今度は店の女の子をまじまじと見つめる。

 ヤマトの時にモニター越しで見た事がある故の行動なんだろうけど、NPCとは言え、こういうのはいただけない。

 案の定、店の娘はキラくんに不審気に聞いて来る。それにあたふたし始めるキラくんの後ろから、茶化す様にあたしが答える。そこへ乗っかる様にラミィも言葉を重ねる。


 それを聞いた店の娘は、恥ずかしそうに身体をくねらせている。AIとは思えぬ仕種だ。

 キラくんは反論しようとするけど、アトリちゃんが宥める様に注意をし、ララちゃんとウリスちゃんもそれに続く。

 深呼吸をして自分を取り戻したキラくんは、何とか言い訳を思い付き店の娘に説明して行く。


 その説明に納得した様で笑顔を見せて来る。キラくんの視線を感じあたしとラミィは明後日の方を見てやり過ごす。へへ~。

 そこからは各自スキルを見ながら、何を買おうか眺めていく。

 お客はあたし達しかいないので、じっくり見る事が出来る。


 いくつかのスキルを購入し、店を出て途中武器やへ寄りうっとおしいPCを躱し、冒険者ギルドで討伐依頼を請けた後、街の外へと向かう事にする。

 でも欲しいスキルをアテスピに選ばせるキラくんはやっぱ変だと思う。それにすぐ応えるアトリちゃんもただのAIじゃない感じだ。


 街の外へ出て、ワイルドッグを探して北東エリアへ向かうが、さすがにアプデ初日とあってPCでいっぱいだ。

 仕方ないので、PCのいない奥の方まで進む事にする。マップ踏破率も稼げるし悪くはない。

 ラミィがゲーム内はタメ口でとか、キラくんに注意しながら何事もなく山の麓近くまでたどり着く。


 前方に広がる山々を見てると、さすがのあたしもその景色に息を呑む。

 その時アトリちゃんが警告をしてくる。後方からワイルドッグが現れる。

 ラミィの合図とともに戦闘態勢に入る準備をし、待ち構える。

 

 戦闘自体は特筆すること無くあっさり終わった。

 エリアの奥とはいえ、所詮は最初のエリアな訳で大したレベルのモンスターがいるものじゃない。

 ダメージディーラーの2人がいるし、アテスピの皆もそれぞれ力を示していく。

 あたしとキラくんは低レベルのせいか今ひとつといった感じだけど、それも大した問題じゃないので、あたし達はエリアを西に東に行ったり来たりして踏破率を稼いでいく。


 初日と数日間はリポップ数を調整してるのでモンスター出現率はかなり高くなっている。

 あたし達は現れるモンスターを狩れるだけ狩って行った。

 途中はぐれで現れたワイルピジョンを倒しドロップした肉をキラくんに料理して貰って食べたのだけど、凄く固くて苦かった。にぎゃい。

 キラくんが料理失敗したのっていつ以来だろう。何かすごく懐かしい気がする。


 初日はそんな感じで終わりログアウトする。

 よしっ!次はラビタンズネストを目指して頑張らねば。もちろんキラくんと一緒に!!


 

 


(ー「ー)ゝ お読みいただき嬉しゅうございます


ブクマありがとうございます (T△T)ゞ

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