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元チート級暗殺者のもこもこ村開拓記 ~すでに2度死んでる最強の殺し屋ですが、新たな人生はもふもふケモナーさんに囲まれた優雅で静かなスローライフを送りたい!  作者: THE TAKE
第3章 雪雪危機一髪!

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第088話 作戦スタート!


 それから(おれ)たちは、この二週間に必要な作業の全容を(かれ)らに伝えた。

 町で動ける人員が必要なこと、運搬(うんぱん)用の物資が必要になること、そして大量の物資を運ぶ魔導(まどう)コンテナを作る必要があることを説明し、「その上で」と付け加えた。


「もし南の国から物資が調達できる目処(めど)がついたときは、今回の約束を破棄(はき)させてください。町を救いたい気持ちはありますが、本当は村にとってもう少し時間がほしいのが本音で、これは本意じゃありません。そこだけは守っていただきます」


「……いいだろう。しかしどうしてだ? 物資の調達ができたとして、アンタらの名をこの国に知らしめる格好のチャンスだろうが。わざわざそれを(かく)す意味がどこにある?」


(おれ)たちには(おれ)たちの都合ってものがあるんですよ。そもそも(おれ)たちの村にはボアやウルフがいます。変に目立って警戒(けいかい)されることだけは()けたい。それじゃあ不服ですか?」


「いいや、それでいい。そもそも(おれ)たちは、この町が救えりゃそれでいいんだ。(おれ)らギルドの職員は、この町、いいや国を救うため、こんな(だれ)もやりたがらねぇ仕事をしてるんだ。目的が達成できんなら、アンタらが何を(たくら)んでたって構わねぇ。ま、国を(ほろ)ぼすのが目的ってんなら話は別だがよ」


 テーブルがガハハと笑っていると、「ロスカート(※テーブルの名前)が楽しそうにしてるなんざ(めずら)しいこともあるもんだ」と(だれ)かが声をかけてきた。(うら)から顔を出したのは解体係のエンボスで、以前ボアの解体を手伝(てつだ)ってくれた、通称(つうしょう)『親方』だった。


(だれ)かと思えば獣人(じゅうじん)(じょう)ちゃんたちか。その後トンと(おれ)んとこに顔を見せねぇもんだから、もうよそへ行っちまったのかと思ってたぜ。何かあったのかい?」


 (ひま)そうに首を鳴らしたエンボスは、「(おれ)にも一口()ませろよ」と(うで)まくりして筋肉(きんにく)を見せつける。しかもよくよく(うかが)ってみると、どこか(みょう)にニヤけた顔で、おかしな雰囲気(ふんいき)(ただよ)っている。ああなるほど、そういうことね……


(だれ)にも()らさないと言っておきながら、『親方』には情報も筒抜(つつぬ)けってことですか。テーブルさん、アンタも人が悪いね」


「ま、こっちもこっちで話を通しておかんと準備ができんのさ。昨日(きのう)アンタんとこのウルフと一緒(いっしょ)にマイルネの間者を出発させたが、親方にはそこにも一枚(いちまい)()んでもらってる。許せ」


「別に構いませんよ。親方にはこの前も世話になったし。だったら事のついでですし、もう一枚(いちまい)()んでもらいましょうか」


 そこで(おれ)とマーロンさんは、一枚(いちまい)の紙を親方へ手渡(てわた)した。


「……コイツは?」


「食料運搬(うんぱん)用の魔道(まどう)具を作りたいんですが、無力ながら(おれ)たちにはそのアテがありません。ここに書かれた道具が手に入る場所、もしくは人をご存知(ぞんじ)ないですか。解体係の貴方(あなた)なら情報をお持ちではないかと」


 ふむと相槌(あいづち)を打った親方は、メモに目を通してから、自分で手配可能なアイテムに丸を付けていった。しかし……


(おれ)裁量(さいりょう)で手に入るアイテムはこんなとこだ。しかし赤字で書かれてるこっち側のアイテムは……。そもそもこれ、この世界に存在(そんざい)してるもんなのか?」


 そう、そこが重要なんですよ。

 さすが親方、よくわかっていらっしゃる!


 リッケさんに(わた)されたメモには、「◯◯が可能なもの」や「◯◯の条件を満たすもの」といった漠然(ばくぜん)とした指示しか書かれていない項目(こうもく)が多く、それが実在しているかどうかも(おれ)たちには検討(けんとう)もつかない。ある程度のアイテムは(おれ)の『調合師(コンパウンダー)』で用意できるとしても、この漠然(ばくぜん)とした条件をクリアできるかどうかは運任せのところが大きすぎる。だとしたら、より確率を上げておきたいのが本音だ。


(ひま)だし見つけられそうなもんはこっちで手配してやる。それとコイツを組み立てる職人もこっちで見繕(みつくろ)ってやる。……というより、こんなもんが本当に作れるとして、コレをやれそうな(やつ)なんざ、この国には一人(ひとり)しかいないぜ」


 (みょう)な間をもって苦悶(くもん)の表情を()かべた親方。

 想像するまでもなく、面倒(めんどう)事を()()けられることがわかってしまうのがキツい!


 サラサラと地図を書き上げた親方が(おれ)にメモを(にぎ)らせた。そしてポンポンと(うなず)(かた)(たた)く。なんなのその変な感じ、すっごい気になるんですけど!


「そんじゃまぁ早速(さっそく)始めますか。(ねこ)(じょう)ちゃんと(おれ)らは人と資材の手配と運搬(うんぱん)を。そっちのあんちゃんは、まずは()()と話をつけて、そっから手分けして材料(さが)しだな。で、全作業を南の間者が(もど)るまでに、ってか。カッカッカ、こりゃ無理難題(むりなんだい)だ!」


「あ、あの、その『野郎(やろう)』ってのはどなた様で?」


「行ってみりゃわかる。(おれ)の名を出しゃ話くらいは聞いてくれんだろ」


 親方が豪快(ごうかい)に笑っている。

 それにしても、(かれ)の言うとおりこれは本当に無理難題(むりなんだい)だ。


 強引(ごういん)でもなんでも、やらなければマイルネの町が終わる。それが理解できているからこそ、(だれ)もがその目の(おく)で自分の成すべきことを見据(みす)え、(はら)を決めているのだろう。


「よぉし、そんじゃあ(だれ)にも内緒(ないしょ)だがぁぁ、マイルネ救済(きゅうさい)大作戦をおっ始めますかー!」


 緊張感(きんちょうかん)なく高々と手を(かか)げたテーブルに続き、みんなが(ひか)えめに「おー」と(こた)え、いよいよ作戦は開始された。


 それからすぐ「お前はあっちだな」とギルドを()()された(おれ)は、親方が書いてくれた地図を(たよ)りに、南西区にある職人街を(おとず)れた。しかし深く雪が()り積もっている町にはまるで活気がなく、本来職人たちが()()うはずの中央通りすら人影(ひとかげ)はまばらだった。

 通りの武器屋や道具屋も鳴りを(ひそ)め、冒険者(ぼうけんしゃ)姿(すがた)すら見当たらない。それよりもむしろ(えさ)を求めて歩き回っている小動物の方が多いくらいで、先行きの悪さに目が回りそうだ。


 ()を燃やす(けむり)が上がっている煙突(えんとつ)すらなく、そもそも働いている職人がいないのだろう。まさか(あきら)めて店を()めてやしないだろうなと胸騒(むなさわ)ぎを感じながら、(おれ)は親方に(すす)められた店の前までやってきた。


 ……が、こいつは明らかに――


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