表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
元チート級暗殺者のもこもこ村開拓記 ~すでに2度死んでる最強の殺し屋ですが、新たな人生はもふもふケモナーさんに囲まれた優雅で静かなスローライフを送りたい!  作者: THE TAKE
第1章 村作り開始!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

36/249

第036話 大混乱


 マーロンさんったら……。

 さすがにそれは(うそ)()がすぎますって!!


 即座(そくざ)に「そんなわけないですから!」と否定(ひてい)した(おれ)は、混乱(こんらん)(おちい)って何を(しゃべ)っているのかわからなくなっているマーロンさんを(かく)し、場を(おさ)めにかかった。しかしテーブルは、「(われ)らに毒を仕掛(しか)けたか」と、ありもしない疑念(ぎねん)を口にし、(いか)りを(にじ)ませているじゃないか!


「ないないない、ないですって。この料理、(おれ)たちも同じもの食べてるでしょ!? イモに毒なんか入ってませんし、ボアたちの食糧難(しょくりょうなん)対策(たいさく)として用意した品種でしかありませんから。絶対におかしな意図はございません!!」


 (おれ)訂正(ていせい)に「ちぃ」とマーロンさんが顔を(ゆが)ませている。変な役に()()みすぎて、もう普通(ふつう)の思考ができなくなってませんか!?


「何よりも、まず貴様(きさま)だ。ハクだか(だれ)だか知らんが、貴様(きさま)のような()()()()()()だかわからん(やから)に何を言われようと、先程(さきほど)その女が口にした言葉は(くつがえ)らない。族長殿(どの)よ、今一度問う。我々(われわれ)が口にしたもの、これは如何様(いかよう)なものだったのか?」


 テーブルの発言にピキッと反応するマーロンさん+族長。「この御方(おかた)が、どこの馬の(ほね)、ですと?」と、これまでの流れと無関係な(いか)りを(つの)らせた二人(ふたり)が今にも男に飛びかかってしまいそうな表情で強張(こわば)っている……。


 これはもうダメだ!

 これ以上、不毛なやり取りを続けたら、この村の存在(そんざい)自体が国から敵認定(にんてい)されてしまう!


 (おれ)はマーロンさんをドォドォと(おさ)えつつ、族長に「(おれ)のことは大丈夫(だいじょうぶ)ですので、どうか場を(おさ)めてください」と耳打ちしてなだめた。(おれ)にぶつけられた言葉で(おこ)ってくれるのは(うれ)しいけど、それとこれとは話が別です。冷静に、冷静にいきましょう!


「……クッ、もちろん、ただの『ハクイモ』でしかございませぬ。皆様(みなさま)の身体にはなんの影響(えいきょう)もございませぬし、ごく普通(ふつう)の料理にございます。我々(われわれ)も毎日のように口にしておりますゆえ、その点は御安心(ごあんしん)を」


 族長が正式に前言を撤回(てっかい)し、視察(しさつ)団の面々もようやく(むね)()()ろす。「承知した」と言うに留めたテーブルは、疑念(ぎねん)は解消されないものの、これ以上のやり取りは不要(ふよう)と判断してくれたらしい。ようやく視察(しさつ)はこれで切り上げると宣言(せんげん)し、これまでのもてなしに礼を述べた。


「しかし、これで完全に貴方(あなた)がたを信用したわけではない。引き続き、ボアの『完全なる管理』をお願い(つかまつ)る」


 頭を下げるテーブル。

 しかしその目に(うつ)(おく)(おく)には、『このままいくとは思わないことだ』という(かれ)の本心が(にじ)んでいた。


 でもまぁ……。

 そっちがその気なら仕方ないか――



「あの……。ひとつよろしいでしょうか」


 ()(かえ)ろうとしたテーブルに話しかける。

 またお前かと言いたげな(かれ)握手(あくしゅ)を求めた(おれ)は、渋々(しぶしぶ)応じた(かれ)の耳元で(つぶや)いた。「もしまだボアを討伐(とうばつ)する気でいるなら、やめておいた方がいいですよ」と……。


「それはどういう――」


「ああ、こっちの話です。気にしないでください。では今後とも友好な関係を続けられますように、よろしくお願いしま~す!」


 旅館の仲居のように(こし)を90度に曲げて頭を下げた(おれ)は、それ以上テーブルに何も言わせないよう強引(ごういん)挨拶(あいさつ)して場をしめた。「バイバーイ」と楽しそうに手を()るポンチョに大きく手を()り返し、ローリエさんたちは町へと帰っていった。


 (かれ)らの後ろ姿(すがた)が見えなくなるとすぐに、マーロンさんが(もう)(わけ)なさそうにモジモジしながら近寄ってきた。どうやら暴走して心にも無いことを口走ってしまったことを後悔(こうかい)しているのか、随分(ずいぶん)反省している様子だった。


「その……ハク、本当に、ごめんなさい……」


「ま、良かったんじゃないですか。不要に仲良くするより、付かず(はな)れずでいく方が良いかもしれませんしね」


「そ、そうだな。ハクに言われるとそんな気がしてきたぞ!」


 まったく調子が良い次期族長さんだこと、と(ほお)をプチュっとつねってやる。「ごめんなさい」と(あやま)るマーロンさんだったが、しかしこれだけは言わせてほしいと真面目(まじめ)な顔でひとさし指を立てた。


「あの様子だと、ギルドは我々(われわれ)やボアのことを引き続き警戒(けいかい)するでしょうね。なによりボアボアについては、(おそ)らく討伐(とうばつ)隊を組み、動いてくるに(ちが)いない。どうしたものだろうか……」


 確かに。

 マーロンさんの心配は、(おそ)らく正しい。


 でもその点は大丈夫(だいじょうぶ)

 実は視察(しさつ)団がやってくる前から、(すで)対策(たいさく)は考えてあったんだよね。


「うん、まぁそこは大丈夫(だいじょうぶ)だと思うよ。(ねこ)族の(みな)さんも、ボアたちも、特に気にせず生活してくれて構わないから」


「し、しかし!」


大丈夫(だいじょうぶ)大丈夫(だいじょうぶ)(おれ)に任せといてよ」


 マーロンさんと同じく心配を(かく)せない族長たちを()(ふく)め、(おれ)は「今日(きょう)はもう(つか)れました……」と手を()って自宅(じたく)へと(もど)ったのだった。



 そして一週間が経過した夜更(よふ)(ごろ)

 事態はまた動き出す ――


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ