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元チート級暗殺者のもこもこ村開拓記 ~すでに2度死んでる最強の殺し屋ですが、新たな人生はもふもふケモナーさんに囲まれた優雅で静かなスローライフを送りたい!  作者: THE TAKE
第5章 みんな大好きキノコ作り!

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第210話 嫌な仕事


「バーサ……? いや、(それがし)そのようなものでは……」


「う、うん……。まぁいいからやっちゃえシルシル!」


 飛んでくる魔法(まほう)を苦虫を()(つぶ)すように尻尾(しっぽ)(はら)()としたシルシルは、「ワオォォォン!」と遠吠(とうぼ)えで敵を威圧(いあつ)しつつ、ひとり、またひとりと首当てのみで()()せていく。背中(せなか)(あわ)てふためき気が気でないネイサンは、目の前で起きている事が夢かのように、ふわふわしたまま呆然(ぼうぜん)(なが)めていた。


「ウグハッ、なんだコイツ、つ、強すぎる!?」


 最後にひとりが山肌(やまはだ)を転がり落ち、ようやく静寂(せいじゃく)のときが(おとず)れる。男たちが運んでいた荷物を確保しつつ、(たお)れている男たちを(しば)()げ、()べて(すわ)らせた。


「さて、敵か味方かも調べず(たた)いてしまったわけですが……。コイツら何者?」


 よくよく見てみれば、男らの半分は布で顔を(かく)しており、(あや)しさはさらに倍増だ。適当に布を()がして()(ぱだか)にした(おれ)は、ちょいちょいとネイサンを()びつけ、顔を確認(かくにん)してみろと提案した。


「ええと、(かれ)は知らない、こっちも、こっちも。……って、え、(うそ)だろ、アンタは!?」


 ネイサンが驚愕(きょうがく)の声を上げる。

 どうやら覆面(ふくめん)のひとりに見覚えがあったらしく、(にく)らしそうにギリギリと奥歯(おくば)を鳴らしている。ホントお前、わかりやすい(やつ)だよな……。


「この男、(わたし)(やと)った冒険者(ぼうけんしゃ)の中にいたひとりです。素性(すじょう)は確かに確認(かくにん)したはずなのに!」


 わなわなしているネイサンの(となり)、引っペ返した男たちの衣服を調べていた(おれ)は、ネイサンが(やと)っていた人物の内()きから何やら紋章(もんしょう)のようなものを発見し、ネイサンに手渡(てわた)した。「は、はぅっ!」と泣き出しそうな悲鳴とともに()()った(かれ)は、ゆっくりと目を(つぶ)り、白状するように(つぶや)いた。


「こ、これは……、王国騎士(きし)団の一員を示す紋章(もんしょう)。そ、そんな、まさか……」


 絶句したネイサンが(ひざ)から(くず)()ち、悲嘆(ひたん)()れている。

 どうやら王国の裏切(うらぎ)りにあったと(さと)り、命を(ねら)われたのを自覚した、といったところか。


「しかし、どうして(わたし)のような者を」


「考えりゃわかるだろ。……(だれ)かがお前に罪を着せて、何かを誤魔化(ごまか)すためだろうな」


(わたし)に罪を。そんな……」


「それは(やつ)らに聞けば全部わかるさ。そんなことより、さっさと荷物を確認(かくにん)しろよ。これで全部か?」


 男たちが運んでいた荷台の中身を確認(かくにん)したネイサンが「確かに(すべ)て」と(うなず)いた。(おれ)はそれら備品を簡易(かんい)バッグの中に()()み、いよいよ(なわ)(しば)られている男の前にしゃがみ()み、見覚えがあるとされる人物の顔に水をかけ、(ほお)(たた)く。


「おい、聞こえてるな」


 目を覚ました男は、シルシル、(おれ)、ネイサンと順に目で追い、「ちっ」と舌打ちをした。男のあごを(つか)んでこちらを向かせてから、「質問に答えろ」と命じた。


(だれ)だテメェ。(しゃべ)るはずねぇだろうが」


(おれ)(だれ)かなどお前らには関係ない。ただ(おれ)の質問に答えろと言っているだけだ。(おれ)の問い以外に口をきくな。破ればどうなるか……、わかるな?」


 (おれ)とシルシルの圧にやられ、「うぐっ」と男が(だま)()む。

 当然手を()ける気など毛頭ないが、それでもシルシルたち村人の前では、『シゴデキ村長』としてすべきことをせねばならないのです。


コイツ(ネイサン)のことを(おそ)わせたな。(だれ)の指示だ?」


「ふん、そんなこと(しゃべ)るはずが―― アガッ、ぐ、ぐぅぅ」


 シルシルが男の足をガツリとかじり、(ほね)がへし折れる。

 ……そりゃあね、足の一本ぐらいは折りますよ。

 なんなら瀕死(ひんし)苦痛(くつう)くらいは喜んで(あた)えます。


 こちとら元常闇(とこやみ)殺戮(さつりく)者ですしね。

 なんなら今は、(ひま)も時間も()しいんです。

 ちゃんとポーションも用意してるのでご心配なく。


「クソが!? て、テメェ、ネイサン、コイツらがどこの手の者か知らねぇが、こんなことしてただで()むと思ってんのか!?」


 男がネイサンを恫喝(どうかつ)する。

 ネイサンくんがビビり散らかしてるとこ悪いのですが……

 はい、知り合いだという言質(げんち)をいただきました。


 続いては(だれ)からの指示なのか、粛々(しゅくしゅく)確認(かくにん)してまいりましょう。



「勝手に(しゃべ)るなと言っただろう。その(のど)(にぎ)(つぶ)そうか」


 ギュッと男の喉仏(のどぼとけ)をひと()し。(かろ)うじて(しゃべ)れるだけの機能を残して気道を(ふさ)ぐ。

 さらにゆっくりと右手の指に力を()め、耳元で同じ言葉を反唱(はんしょう)しながら横に曲げていく。


 するとどうでしょう。

 大した力も入れていないのに、恐怖(きょうふ)(おのの)いた男の口は、恐怖(きょうふ)から悲鳴を上げ、苦痛(くつう)を口にしています。(すで)(となり)のネイサンはドン引きです。


「不用な言葉を()けば順に指を(にぎ)(つぶ)すよ。全部なくなったあとは足だ。それも(すべ)て終わったあとは、……そうだな。お前の肉親がいい。ひとりずつお前の目の前で(つぶ)す。無理だと思っているな? しかし残念ながら簡単(かんたん)なんだ。ええと、……ジェイミー、それにこっちはヤンか。まだ小さな子供(こども)なのに、可哀想(かわいそう)だね。ねぇ?」


 顔色を変えた男がこちらに顔を寄せ、「どうしてそれを……」と絶句した。

 種明かしをすれば簡単(かんたん)なスキルで情報を読み取っただけだが、(おど)し文句として充分(じゅうぶん)すぎることを(おれ)は経験から知っている。


「やめてくれ、(むすめ)たちだけは、(むすめ)だけは殺さないで。話す、(すべ)て話すから!」


 とまぁ、完落ちです。

 過去の(おれ)は、こんな『きな(くさ)い仕事』ばかりを()()ってきました。

 思い出したくもないし、本来なら一生やりたくない仕事だ。

 頭上のポンチョが()ていてくれて助かった。


「お、(おれ)は、王国に(やと)われた騎士(きし)団のひとりで――」


「さしずめ暗殺部隊のひとりか。それで?」


「……ある御方(おかた)から、ネイサンを始末するように指示された」


(だれ)だ?」


「それは……」


「そうか、だったら――」


「だ、『第三王妃(おうひ)のキュリオス・リベリウス様』だ。キュリオス様より、特使としてコーレルブリッツへ送られるネイサンを、魔物(まもの)襲撃(しゅうげき)に見せかけ、()(もの)にせよと!」


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