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屍の声  作者: もちづき裕
水の嘔
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第十三話

お読みいただきありがとうございます!よろしくお願いします。

 頭をバールで強かに叩かれた私は三針ほど縫われることにはなったんだけど、CTを撮影しても何の問題もなかったものだから、翌日には退院することになったんだけど、

「僕の家に連れて行くから」

 病院まで車で迎えに来てくれた先輩は問答無用で私を神社がある実家へと連行したんですよ。


 神社がある先輩の家では先輩のお父さんとお母さんが待ち構えていて、

「「おぉおおおお!」」

 初対面で私を見るなり、二人揃って驚きの声をあげたのよ。

 迎えに来てくれた先輩はマスクをかぶっていなかったけれど、通常、マスク営業を実施中の先輩が女の子を連れて来たとあって、驚き慌てているのかと思いきや、

「「その生き霊はヤバイ!」」

 と、二人は声を揃えて言ったのです。


「えええ?まだ生き霊が取り憑いているんですか?」

 私の質問に、

「だいぶ弱ってはいるみたいだけど」

 と、先輩のお父さんが答え、

「しばらくの間はうちに居た方が良いみたいねえ」

 と、先輩のお母さんが答えたの。


「家に帰ったら・・もしかしてまた霊障が?」

「「それで済めば御の字よ!」」

 わあ!とっても仲が良い夫婦〜!それにしたって、泣きたくなるようなことを平気で言うんだもの。

「うう・・うううう・・」

 意図せず涙がポロポロとこぼれ落ちていくと、ハンカチを差し出してきた先輩が、

「虐めるんだったら後にしてくれない?」

 と、言い出したのよ。私を虐めるのは前提条件なのかしら?


 玉津先輩のご実家は神社で、その神社の横には神主の家族が住む母屋があって、その母屋から離れた場所に離れがあるみたいなんだけど、

「申し訳ないけど、今の君の状態で母屋に住んだらまずいから」

 と、言って、先輩は離れ屋の方に私を案内。


 中に入って壁を彩るゾンビマスクを見て思ったのよね。

「ここに先輩は住んでいるんですか?」

「そうだよ。母屋は呪物が多過ぎて体がしんどいから」

 おお〜。

「本来なら君も母屋の方に泊めるべきなんだけど、あれだけの規模の生き霊に取り憑かれた後に母屋はやばすぎる。ということで、しばらくは離れ屋の方に泊まってもらうけど」


 先輩はジロリと私を睨みつけながら、

「寝る場所は別だから!プライベートスペースも別で!」

 と、不機嫌そうに言い出したのよ。

「あと、寝込みを襲うのもなしで!僕はそういうのは絶対に受け付けないタイプの人間だから!」

「いや、なんで私がゾンビ先輩の寝込みを襲わなくちゃならないんですか」

 私は壁を飾る無数のゾンビマスクを眺めながら言いましたとも。

「先輩のゾンビマスクを破っちゃったのは私ですし、ここでお世話になっている間は修復作業を手伝いますよ」

「ええ?本当に出来るの?」

 疑問の声を上げる先輩に、

「やってみなくちゃ分からないですし」

 頭がくらくらして来ちゃったのよね。


 親切な先輩は椅子を用意してくれて、冷たい麦茶まで用意してくれたのよね。

「まあさ」

 先輩は私の近くに椅子を引き寄せて座りながら言い出した。

「警察の事情聴取は明日以降で良いとも言われているんだけど、おそらく根掘り葉掘り訊かれることになると思うから、覚悟を決めたほうが良いとは思う」

「えーっと」

「佐竹って変質者?あいつ、相当ヤバイ奴だったみたいでさあ」

「うん、うん」


「何でも昨日、警察の方でもあいつの家の方を家宅捜索することになったらしいんだけど、冷蔵庫の中を開けてみたら瓶、瓶、瓶、臓器をホルマリン漬けにした瓶が山ほど発見されたんだってさ」

「うん?」

「あいつ、殺しもやっていたんだな。そうだと思ったよ。じゃなきゃあれほどの生き霊となって取り憑かないもんなあ」

「う・・ううん?」

「どうやら交通誘導のアルバイトをする女の子を物色していたみたいなんだよな」

「えーっと・・」

 先輩はそれはそれは、クソほど整った顔をくちゃくちゃにすると、

「生きてて良かったねー!」

 と、心の奥底から心を込めて言い出した。


「ポイントは雨なんだよ、雨」

 先輩はコップを置いて出来たテーブルの上の水の輪を指先で広げながら言い出した。

「雨が降りしきれば視界が悪くなるし、血とか体液が流れ落ちたとしても、その残滓は雨が洗い流してくれるから」

「それで言ったらなんですけど」

 私は先輩に向かって言ったわよ。

「私の記憶違いでなければなんですけど、佐竹さん、今まで自分が利用してきた雨水がゴウゴウ流れる溝川を流されて行っちゃいましたよね!」

「おおおお!そうだ!そうだ!確かに流れて行っちゃったな」

「散々自分が利用して来た雨に最終的には足元を掬われる形になっていましたし!」


 いつも水が流れている溝川とはいえ、梅雨によって水量が増えていることもあって、底の部分はヌルヌルしているような状態だと思うのよ。散々、私の足を引っ張って引き摺り込もうとしていたけれど、結局、一人で流れて行っちゃったからね!ザマアミロ!


「とにかく、僕は思うにあの変態、一年に一人のペースで女の子をターゲットにしていたんだと思うんだ。一年に一人、つまりは今年のターゲットは天野さん、君に決定状態だったんだよ」

「全然嬉しくないんですけど、先輩の説の通りでいくと、去年もその前も、被害者は居たっていう話になると思うのですが?」

「そりゃ居たんでしょうよ」


 先輩はジトーッとした眼差しで私を見ながら、

「派手なバイトには躊躇がある、引っ込み思案で警戒心が強い、都会にまだまだ警戒感があるものだから交通誘導なんてアルバイトを選んでしまう。純朴で田舎育ちの女の子のアルバイトを、虎視眈々と狙い続けていたんだろうからさ」

 と、言い出したのよ。マジで怖いんだけど!


さつきとたくみの出会いはこんな調子ですが、心霊なのか?ヒト怖なのか?懲りずに最後までお付き合い頂ければ幸いです!!毎日十二時に更新しています!!

もし宜しければ

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